ことばで探す › 衆議院 第201回
放射性物質に汚染された土壌を環境大臣が鉢植えに利用したことに関する質問主意書
衆議院 第201回 第107号趣旨が明らかではない ×1
質問本文
小泉進次郎環境大臣は三月六日の記者会見で、左右に鉢植えの観葉植物を置いて、「福島の鉢植えを環境省内に設置したい。これらの鉢植えには中間貯蔵施設に輸送されて、再生資材化された除去土壌が入っています。(略)こちらの鉢植えは昨日、中間貯蔵施設から環境省に輸送しました。この鉢植えを含めて八つ、環境省に持ってきておりまして私の大臣室には二つ、政務三役また幹部の執務室に設置をする」と発表した。
同日、環境省は報道発表資料「福島県内除去土壌の環境省本省室内での利用について」(以後、発表資料)で、「利用する土壌(再生資材)の放射能濃度」は約五千百ベクレル/キログラムであるとし、高さ、幅、各最大三十センチメートルの植木鉢の中に、敷石の上にじかに再生資材約五キログラムを入れ、内部側面と上部に五センチメートルの覆土を施している断面図を公表した。
いわゆる「原子炉等規制法」で原子力事業者に課している金属等の再利用の規制値は百ベクレル/キログラム(セシウム換算)であり、その五十倍以上に汚染された除去土壌を室内の観葉植物に利用していることが事実なら、常軌を逸しているため、以下質問する。
一 放射性物質に汚染された除去土壌を鉢植えに利用しようと思いついたのは小泉大臣なのか。明らかにされたい。
二 放射性物質に汚染された除去土壌を鉢植えに利用しようという考えに、環境省内で異論はなかったのか。
三 会見で小泉大臣は、「これらの鉢植えには中間貯蔵施設に輸送されて、再生資材化された除去土壌が入っています」と述べた。
1 再生資材化された除去土壌はどこから来たもので、再生資材化する前の除去土壌は何ベクレル/キログラムだったか。中間貯蔵施設に持ってきた除去土壌については保管台帳を環境大臣が保管することが法令で定められているために、回答ができるはずである。できない場合はその理由を明確にされたい。
2 再生資材化は誰が、どこで、いつ、どのように行われたのか。どのような状態で再生資材化が行われたのかを明らかにされたい。
四 会見において、小泉大臣は「鉢植えは昨日、中間貯蔵施設から環境省に輸送しました」と述べた。
1 再生資材化した除去土壌を誰がどのように輸送したのか。
2 再生資材化した除去土壌を鉢植えの状態にしたのは、誰が、どのような状況で、どこで行ったのか。中間貯蔵施設か、霞が関の環境省に輸送した後か、室内か、室外かなどを含めて明らかにされたい。
五 中間貯蔵施設にある土壌の濃度が約五千百ベクレル/キログラムなら、いわゆる「放射性物質汚染対処特別措置法」の施行規則(以後、施行規則)に定める「基準適合特定廃棄物」にあたり、施行規則の適用を受けるはずであるがどうか。もしそうでないとすれば、小泉大臣が「輸送しました」と述べる再生資材化した土壌は、どのような規制のもとに輸送を行ったのか。輸送の責任者は誰か。
六 環境省が策定し、公表している「福島県内における除染等の措置に伴い生じた土壌の再生利用の手引き(案)」(以後、手引き案)では、用途先には「植木鉢」は想定されていない。自ら手引き案に反する使い方をしているのは、どういうつもりか。直ちに止めるべきではないか。
七 手引き案では、盛土に五千ベクレル/キログラム以上の除去土壌を使う場合は、用途に応じて五十センチ以上または百センチ以上の覆土が必要である。だが、発表資料によれば、植木鉢の内部側面と上部には五センチメートルの覆土しかない。五センチメートルの覆土でよいと判断するまでにどのような経緯があり、誰が判断をくだしたのか。
八 小泉大臣は、原子炉等規制法では再利用できる金属などの放射性物質は百ベクレル/キログラム以下であることを承知か。承知の上で、原子炉等規制法で原子力事業者に課している規制の五十倍以上の放射性物質に汚染された土をいれた八つの植木鉢を職員に世話をさせるのか。
九 今年二月五日に提出した「除去土壌の再生利用の基準に関する質問主意書」で、「そもそも放射性物質で汚染され、規制されていたからこそ除去した土壌を、資材として再生利用することは不適切だと思うがどうか」との問いに対して、政府は、「適切な管理の下で安全に行うことができる」旨を答弁書で回答した。
1 植木鉢を「適切な管理の下で安全に行う」とはどのようなことか。
2 植木鉢に水やりをする者が被ばくをしないようにどのように管理するのか。ことに内部被ばくをしないように何を行うのか。
3 うっかり植木鉢を倒して、約五千百ベクレル/キログラムの汚染土が散らばった場合、どのように対処をするのかを考えているのか。
4 この植木鉢はいつまで、どのように誰が責任を持って何年間、管理をするつもりか。管理が必要でなくなるまでに何年かかるのか。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
除去土壌(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号。以下「法」という。)第二条第四項に規定する除去土壌をいう。以下同じ。)を鉢植えに用い、観葉植物を植えて、環境大臣室等に設置する取組(以下「本取組」という。)については、福島の復興に向けた理解醸成を図る取組の一つとして、環境省において検討した上で、実施することを判断したものである。
三の1について
御指摘の「除去土壌」は、法第二十五条第一項の規定に基づき、除染特別地域として指定された地域内の仮置場から中間貯蔵(中間貯蔵・環境安全事業株式会社法(平成十五年法律第四十四号)第二条第四項に規定する中間貯蔵をいう。)を行うために必要な施設(以下「中間貯蔵施設」という。)に運搬した除去土壌の一部を環境省に運搬したものである。本取組に係る除去土壌の、中間貯蔵施設に運搬した時点における放射能濃度は、平成二十三年に厚生労働省が公表した「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」において示された放射能濃度の簡易測定手順に従って算定した結果によると一キログラム当たり四千七百三ベクレルから六千百六十九ベクレルである。
三の2及び四について
お尋ねについては、環境省が令和二年三月二日に中間貯蔵施設に運搬した除去土壌に対して異物の除去を行い、放射能濃度の測定を実施した。その後、同月三日及び四日に中間貯蔵施設区域内の屋内において、当該除去土壌を鉢植えに用いることが可能かどうかを確認した上、鉢植えに用いることとして、観葉植物を植えたものである。なお、本取組に係る鉢植えに用いた除去土壌の中間貯蔵施設から同省までの運搬は、法第四十一条第一項の規定に基づき定められた平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則(平成二十三年環境省令第三十三号。以下「規則」という。)第五十七条第一項に定める除去土壌の収集及び運搬の基準(以下「除去土壌収集運搬基準」という。)に従い同省が実施したものである。
五について
「「基準適合特定廃棄物」にあたり、施行規則の適用を受けるはず」との御指摘については、法第二条第二項に規定する廃棄物に土壌は含まれないことから、除去土壌は、法第二十条に規定する特定廃棄物及び規則第二十三条第一項に規定する基準適合特定廃棄物に該当しない。また、御指摘の「輸送の責任者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本取組に係る鉢植えに用いた除去土壌の中間貯蔵施設から環境省までの運搬は、除去土壌収集運搬基準に従い同省が実施したものである。
六及び七について
本取組は、福島の復興に向けた理解醸成を図る取組の一つとして、法第四十一条第一項の規定に基づき、除去土壌収集運搬基準等に従い実施したものである。また、覆土の厚さについては、飛散又は流出防止の観点に加え、鉢の大きさや施工性を勘案し、環境省が五センチメートルとすることを決めたものである。一方で、御指摘の「手引き案」は、除去土壌の再生利用に係る安全性確保の観点から、主に再生資材化、再生資材の利用及び維持管理等に係る技術的な留意事項を示すため、検討しているものであり、除去土壌を鉢植えに用いる本取組は、当該「手引き案」で想定している用途ではなく、この対象とならない。
八並びに九の1、2及び4について
御指摘の「原子炉等規制法では再利用できる金属などの放射性物質」については、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第六十一条の二第一項及び同項の規定に基づく製錬事業者等における工場等において用いた資材その他の物に含まれる放射性物質の放射能濃度についての確認等に関する規則(平成十七年経済産業省令第百十二号)第二条の規定により、原子力事業者等が工場等において用いた資材その他の物が再生利用される場合を含め、これらの物に含まれる放射性物質についての放射能濃度が基準以下の場合は放射線による障害の防止のための措置を必要としないものとするものとして定められた基準である。
他方で、本取組は、福島の復興に向けた理解醸成を図る取組の一つとして実施するものであり、お尋ねの「植木鉢」の管理については、環境省において法第四十一条第一項の規定に基づき、除去土壌収集運搬基準等に従うことにより、適切な管理を行うことが可能と考えている。また、現時点で、本取組の終了時期を決めているものではない。
お尋ねの「被ばくをしないようにどのように管理するのか」については、定期的な放射線の量の測定の実施、飛散又は流出防止のための鉢植えの表面への覆土の実施等の措置を講じている。
九の3について
お尋ねの「対処」については、環境省において、速やかに御指摘の「植木鉢」内の除去土壌の回収を行い、周囲の放射線の量を測定し、周囲の影響を確認することを考えている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。