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新型コロナウイルス感染症の予防対策への医療費控除対象化に関する質問主意書

衆議院 第204回 第48号趣旨が明らかではない ×1

提出者
立憲民主党・無所属
提出日
2021年2月16日
内閣転送 2021年2月22日
答弁書受領日
2021年2月26日
提出から10日
答弁の項目数
4
質問 1,875字/答弁 1,441字

質問本文

新型コロナウイルスの感染が拡大してこの方、政府は国民に対して様々な感染症対策を呼びかけ、感染拡大防止のための協力要請を行ってきたと承知している。その例として、不要不急の外出自粛要請や五名以上の会食自粛要請もさることながら、マスクの着用やアルコール除菌剤の使用等を通じた感染症対策も含まれているものと承知している。

感染症対策への協力は国が国民に呼び掛けているにもかかわらず、それにかかる費用は実質的に国民自身が負担している現状がある。マスク着用やアルコール除菌剤の使用等は新型コロナウイルスへの感染を未然に防ぐ「予防」の観点からは有効と見込まれているが、その費用負担の軽減に対する議論・施策が国として十分に行われてきたとは言えない。また、「予防」の観点からPCR検査等を自主的に受ける者に対する負担軽減も十分ではない。以上の問題意識のもと、感染症の予防対策と医療費控除のあり方について、以下質問する。

一 現行の医療費控除制度において、控除の対象となる医療費とは所得税法第七十三条、及び所得税法施行令第二百七条において「医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入」等の費用と定められており、「予防」にかかる費用は医療費控除の対象外とされている。現行法上、「予防」にかかる費用が控除の対象外となっている理由は何か。

二 国としてマスク着用等の感染症対策を国民に呼びかけている以上、国はその費用負担軽減に対する施策を講じる責務があるものと考えられる。生活上のエチケットとしても鉄道等、公共交通では車内放送で着用を求めている。また、航空機では未着用の搭乗拒否もある。感染防止の観点から合理的と考える。以上からもマスク着用を国民が感染予防対策として事実上の義務として受け止め協力しているが、購入費が家計を圧迫している現状を踏まえ、この際、時限等の租税特別措置としてでも感染「予防」対策にかかる費用を医療費控除の対象としてはどうか、政府に問う。また、少額の購入者への対策として、医療費控除の特例である「セルフメディケーション税制」(一万二千円を超えるスイッチOTC医薬品購入費について所得控除を行うもの)の対象化も行ってはどうか。対象化しないとすれば、その理由は何か、説明を求める。

三 問「二」でお尋ねした税制でできない場合には、マスク等購入費が家計を圧迫している現状を鑑み、例えば購入補助券の配付等、歳出で補助を行ってはどうか、政府の見解を問う。また、困難との答弁の場合、昨年実施された「布マスクの全戸配布」(いわゆる「アベノマスク」の配布)の政策判断との整合性について、あわせてお尋ねする。

四 新型コロナウイルス感染症の「予防」の観点からは、マスクの着用だけではなく、PCR検査や抗原検査を受けることも、感染拡大を防ぐ一つの有効な対策であると考えられる。しかし、現状、検査費用について医療費控除の対象となるのは、医師の指示により検査を受けた場合と、自己の判断で自費で検査を受け、「陽性」判定が出て引き続き治療を受けた場合に限ると承知している。検査を自主的に受け、自らの症状を確認する行為は感染拡大防止に資するものであり、公衆衛生上からも重要な観点であり、広義での医療行為であると考えられないか、お尋ねする。その際、自己の判断で検査を行った結果が「陰性」であっても、その費用については医療費控除の対象にしてはどうか、お尋ねする。

五 新型コロナウイルス感染症のみならず、医療全般における「予防」は、発病を未然に防ぐことで医療費そのものを抑制することが可能であると共に、国家的にも喫緊の課題である医療従事者の負荷軽減にも資するものと考えられる。その観点から見れば、医療費控除の対象化を通じて、予防に関わる費用の負担軽減を国として促進し手助けすることは費用対効果の観点からどう考えるか、お尋ねする。また、人間ドック等、今後ますます予防医療が重視される時代に合わせて、この際「治療」のみならず「予防」一般に関わる費用を医療費控除の対象としてはどうか。できないとすればその理由は何か、医療費の抑制の観点から政府に問う。

六 現在、令和二年分の確定申告の時期を迎えているが、マスク等を控除対象とした場合、執行機関は医療費控除の確定申告件数が増える等の事務負担の側面も考慮しなければならない。例えば一律額の控除制度がある地震保険料控除のように、マスク代について世帯人数で一定額を一律控除する等の簡便な税務も考えられるが如何か。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

医療費控除は、本来は生計費の一部である医療費について、一般的な家計負担の水準を上回って偶発的に支出を余儀なくされる場合の担税力の減殺をしんしゃくする制度として設けられたものである。お尋ねの「「予防」にかかる費用」については、自己の判断によりその支出の多寡を決定することが可能であり、一般的な家計負担の水準を上回って偶発的に支出を余儀なくされる性質のものではないことから、医療費控除の対象とならない。

二、四及び六について

お尋ねの「感染「予防」対策」及び「医療行為」の意味するところが必ずしも明らかではないが、医療費控除は、本来は生計費の一部である医療費について、一般的な家計負担の水準を上回って偶発的に支出を余儀なくされる場合の担税力の減殺をしんしゃくする制度として設けられたものであるところ、マスクの購入費用及び御指摘の「自己の判断で検査を行った」場合の費用については、自己の判断によりその支出の多寡を決定することが可能であり、一般的な家計負担の水準を上回って偶発的に支出を余儀なくされる性質のものではないことから、医療費控除の対象とならない。

また、お尋ねの「セルフメディケーション税制」については、適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、国民がセルフメディケーションに取り組む環境を整備するために設けられているものであり、いわゆるスイッチOTC医薬品(一般消費者が自らの判断に基づいて薬局等で購入する医薬品であって、医師の処方する医療用医薬品に限って使用されていた有効成分を初めて含有することとなるものをいう。)の購入費用を対象としていることから、マスクの購入費用は対象とならない。

三について

マスクの需給状況については、現在においては改善してきており、販売価格についても下落傾向にあると承知しており、政府として、マスク等の購入等について、お尋ねの「購入補助券の配付等、歳出で補助を行」うことは考えていない。

また、お尋ねの「布マスクの全戸配布」については、マスクの需給がひっ迫し、価格が高騰していたこと等を踏まえ、急増する需要の抑制及び感染拡大の防止に有効であると考えたことから、令和二年四月から六月にかけて、洗濯することによって繰り返し使用できる布製マスクの配布を行ったものである。

五について

お尋ねの「「予防」一般に関わる費用」は、一についてでお答えしたとおり、自己の判断によりその支出の多寡を決定することが可能であり、一般的な家計負担の水準を上回って偶発的に支出を余儀なくされる性質のものではないことから、医療費控除の対象とならない。なお、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第八条において、厚生労働大臣は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から、医療に要する費用の適正化を総合的かつ計画的に推進するため、医療費適正化基本方針を定める等の取組を行うこととされており、また、同法第九条において、都道府県は、同基本方針に即して、当該都道府県が取り組むべき施策に関する事項等を都道府県医療費適正化計画において定めるものとされているところ、同基本方針においては、必要な施策として、特定健康診査及び特定保健指導の実施並びに生活習慣病の重症化予防の取組を含む住民の健康の保持の推進に係るもの等が考えられるとしているところであり、政府としては、これらの取組を通じて、医療費の適正化に取り組んでいるところである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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