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新型コロナウイルス感染判明後の迅速な医療提供等に関する質問主意書
衆議院 第206回 第11号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
新型コロナウイルスに感染し、自宅等において容態が急変して亡くなられた方が本年八月に二百五十人に達し、本年七月の三十一人から約八倍と急増したことを警察庁が発表した。そして、新型コロナウイルス感染症対策本部が本年九月二十八日に決定した「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」も「想定を上回るスピード・規模での感染拡大が生じた結果、自宅療養者が急激に増加し、療養調整・医療提供体制に大きく負荷がかかり、自宅で適切な医療を受けられずに死亡するケースも生じた」として、保健所の調整機能がひっ迫したこと等による「自宅死」の発生を認めている。今後、医療を受けられずに自宅で亡くなるような「自宅死」の発生は、二度とあってはならない。
この冬の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況については、インフルエンザとの同時流行の懸念の指摘や「第六波」の波の高さが過去の波を上回るとの指摘がある。仮にこれらの指摘が正しかった場合、発熱等の症状を訴える者の数が膨大なものとなることが想定される。このような場合には、従来の保健所による入院・自宅療養・宿泊施設療養の調整や健康観察を中心とする仕組みでは再び保健所等の業務がひっ迫し、十分な医療を受けられない者が多数発生する可能性がある。こうした状況に対処するには、新型コロナウイルスに感染していることが判明した場合、直ちに当該感染者が必要な医療を受けられる体制を整備する必要があると考える。
そこで以下質問する。
一 保健所等による調整等の前の医療提供の可否等
1 感染症法は、二類感染症の患者等を発見した医師に対して直ちに保健所に通報することを求め、保健所は当該患者等を感染症指定医療機関に入院させることとしている。そのため、「新型コロナウイルス感染症は二類相当であるから、発生届提出後は保健所主導で動き、かかりつけ医等地域の医療機関では積極的な医療は提供できないのだ」との誤解が医療機関等にあるとの指摘がされている。こうした誤解を解消するための情報提供をすべきと考えるが、政府見解を伺う。
2 「自宅死」を防ぐには医療提供だけではなく生活支援も必要である。本年二月に施行された改正感染症法で都道府県知事に自宅療養者等への食事の提供等を行う努力義務が規定され、本年八月二十五日に厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部が都道府県と市町村の連携に関する事務連絡も発出されている。だが、本年九月の報道によれば、多くの都府県が個人情報保護を理由に自宅療養者の情報を市町村に伝えていないとのことである。また、市町村が自宅療養者等の情報が得られず苦労しているとの指摘もある。「第六波」の到来前に改めて都道府県・市町村間の情報連携が個人情報保護法・条例に抵触するものではないことや、「自宅死」防止のために積極的な情報連携が求められることを都道府県・市町村に示すべきと考えるが、政府見解を伺う。
二 感染判明後の迅速な医療提供
1 中和抗体薬や経口薬等の抗ウイルス薬については、症状発現後速やかに投与するほど効果が高いとの指摘がある。発熱等の症状を訴える者について、抗原検査キット等により迅速に新型コロナウイルスの感染の有無を判定し、感染が判明した場合には保健所等による調整等を待たず直ちに抗ウイルス薬を投与できる体制を構築すべきと考えるが、政府見解を伺う。
2 発熱等の症状がある者については、かかりつけ医等の地域の医療機関が最初に対応する可能性が高いと考えられる。しかしながら、資材の不十分さ等から院内感染の危険性が払拭できず、これらの地域の医療機関は不安を覚えているとも聞く。年内の経口薬承認を見据えて、早急にこれらの地域の医療機関において新型コロナウイルス感染症の検査及び抗ウイルス薬の投与が行える体制となるよう、検査キットや防護服等の資材供給、検査方法や治療方法の情報提供といった支援を実施すべきと考えるが、政府見解を伺う。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)の規定は、いずれも、地域の医療機関による医療の提供を妨げる趣旨のものではなく、本年夏の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により保健所の業務負担が増加していた状況においても、「地域の医療機関等の協力による健康観察等の推進について」(令和三年九月二日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)を発出し、都道府県等に対し、「地域の実情に応じて、診断を行った医療機関などの地域の医療機関等においても、症状に応じて、例えば一日一回、患者の状態確認を行うことや、患者からの医療的な相談を受けること(症状が悪化するリスクの小さい患者に対しては、都道府県等の医療相談窓口を案内することも考えられる)、必要な患者には同意を得た上で電話等による診療を行うこと等について、地域の医療関係者と連携の上、積極的にご検討いただくよう」お願いし、地域の医療機関等と連携した健康観察等の推進を図ってきたところである。
一の2について
お尋ねについては、都道府県と市町村が連携して行う自宅療養者等に対する生活支援の重要性に鑑み、厚生労働省及び総務省において、「感染症法第四十四条の三第六項の規定による都道府県と市町村の連携について(自宅療養者等に係る個人情報の提供等に関する取扱いについて)」(令和三年九月六日付け健感発〇九〇六第二号・総行行第二九七号厚生労働省健康局結核感染症課長及び総務省自治行政局行政課長連名通知)を発出し、都道府県等に対し、「都道府県と市町村が連携して自宅療養者等に対する生活支援を行うよう」お願いし、「都道府県から市町村への自宅療養者等の個人情報の提供については、各都道府県がそれぞれの個人情報保護条例に照らしてその可否を判断することとなりますが、連携規定に基づき市町村が自宅療養者等の食料品、生活必需品等の提供などの生活支援を行うために必要な市町村への個人情報の提供は、一般的には、人の生命又は身体の保護のため、緊急の必要があるときの個人情報の提供と考えられる」ことを周知しているところ、都道府県においては、市町村と連携して行う自宅療養者等に対する生活支援に当たり、必要に応じて市町村に対して自宅療養者等に関する情報提供が行われるものと考えている。
二の1について
お尋ねについては、都道府県等に対し、「「新型コロナウイルス感染症の検査体制整備に関する指針」について」(令和三年十月一日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)において、「PCR検査、抗原定量検査及び抗原定性検査の特性を踏まえつつ、これらの検査方法の適切な組み合わせにより、迅速で効率的な検査体制を構築しておく必要がある」ことを示すこと等により新型コロナウイルス感染症に係る検査を受ける必要がある者が迅速かつ円滑に検査を受けられるよう、検査体制の強化に努めるとともに、「中和抗体薬」については、「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬の医療機関への配分について(疑義応答集の修正)」(令和三年七月二十日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)において、「投与対象となりうる患者が受診等する可能性のある診療・検査医療機関において、患者に対し本剤を投与する医療機関を迅速に紹介できるよう、都道府県においては、当該医療機関のリストを作成し、管内の診療・検査医療機関に共有いただくようお願いします」等と示すことにより、保健所が関与することなく迅速に投与ができる体制の整備を進めているところである。また、新型コロナウイルス感染症の「経口薬」は、いまだ開発中のものであると承知しており、お尋ねについてお答えすることは困難である。
二の2について
お尋ねについては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時においても安定した医療提供体制を継続できるよう、抗原簡易検査キット並びにマスク、ガウン、フェイスシールド及び手袋を政府において必要に応じて確保し、医療機関等に対して配布する仕組みを整備するとともに、検査方法や治療方法の情報提供については、令和二年度厚生労働行政推進調査事業費補助金による「マスギャザリング時や新興・再興感染症の発生に備えた感染症サーベイランスの強化とリスクアセスメントに関する研究」において作成された「新型コロナウイルス感染症(COVID−十九)病原体検査の指針(第四・一版)」及び令和二年度厚生労働行政推進調査事業費補助金による「一類感染症等の患者発生時に備えた臨床的対応に関する研究」において作成された「新型コロナウイルス感染症(COVID−十九)診療の手引き(第六・〇版)」において示されており、いずれも厚生労働省のホームページ等を通じて周知しているところである。
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