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仮放免された外国人の過酷な状況の改善、地域社会の軋轢への政府一丸となった対応、入管行政の透明化等に関する質問主意書
衆議院 第215回 第20号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×3
質問本文
いわゆる仮放免がなされた場合の外国人には、就労することが認められていない。これは、仮放免が長期に及ばないことが前提のようだが、実際には、仮放免の保証金を用立てる必要があること、仮放免中の生活があること(場合によっては家族を養う必要もある)、国民健康保険等に加入できず医療費が全額自己負担になること等、金銭的な窮乏にさらされるリスクが極めて高い。
そのような状況であるにもかかわらず就労禁止を貫くことにより、違法な就労が助長されるばかりか、そうした弱みに付け込んだ過酷な労働環境や様々なハラスメント等も放置され、さらにはお互い助け合うためにそれぞれの国籍者や民族等が集住することにより地域社会の分断や対立が現実に引き起こされてしまっている。
そうした際、排外的な軋轢を押さえるためにもそれぞれの地域においてごく短期的には、社会の鎮静化のため警察官の増員やパトロールの強化等の対処療法が必要ではあるが、中長期的には国として別の対応が必要であることは明らかである。
しかしながら、現在の入管行政においては、むしろそうした環境に仮放免の外国人を追い込むとともに地域社会の排外感情の高まりや不安定化を放置ないし結果的に助長しているようにしか考えられない。そして、裁判所の令状が不要であることもあり、判断基準も示されず、まさにブラックボックスとなっている。
令和四年十一月三日には、そうした入管行政のあり方について、国際連合の自由権規約委員会から改善を求める勧告を受けている。同勧告では入管施設収容中の外国人についての処遇改善等が求められ、三年後である令和七年十一月までに実施状況の報告が求められている。なお、同勧告においては、仮放免者は「Karihomensha」と表記され、国際社会において特異な制度であることが印象付けられており、そうした意味合いにおいても早急な対策が不可欠である。
そこで、以下質問する。
一 仮放免と就労について、仮放免を認めない方針を強めた運用を進めることは言語道断であることを前提に、不法就労を助長させないためにも、様々なハラスメントを起こさせないためにも、たとえば短期間のアルバイトや業務委託等、生計を立てるための最低限の就労を認めることが考えられるが、政府の見解は如何。
二 近しい国籍者や民族等が集住する地域で現実に生じている地域社会の軋轢について、当該地方公共団体と国及び市民団体等の役割分担と協働の方針について、草の根のロールモデルも参照しつつ、政府一丸となって対応すべきと考えるが、如何。また、その際の責任の所在を明らかにされたい。
三 入管行政の運用について、不法在留者の収容から退去にいたるプロセスや仮放免の判断、難民申請に対する判断等について、その審査過程を明らかにし透明化すること、令状等の裁判所の関与や第三者機関のチェックを盛り込むことが求められるが、政府の見解を求める。
四 国際連合の自由権規約委員会の勧告に対する報告まで残り約一年となっているが、政府の具体的対応の方針につき国際状況や国内事情を踏まえ、今後どのように検討するか、国会への報告の時期を含め、示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
我が国において就労可能な在留資格を有していない被仮放免者に就労を認めることは、在留資格制度の在り方とは相容れないことなどから、相当ではないと考えている。
二について
お尋ねの「地域社会の軋轢」、「役割分担と協働の方針」及び「草の根のロールモデル」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、安心して安全に暮らせる社会や共生社会の実現については、令和六年五月二十四日の参議院本会議において、岸田内閣総理大臣(当時)が「日本人と外国人が互いを尊重し、安全、安心に暮らせる共生社会を実現していくためには、外国人の人権に配慮しながら、ルールにのっとって外国人を受け入れ、適切な支援等を行っていくとともに、ルールに違反する者に対しては厳正に対応していくことが重要だと考えます。政府としては、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ等に基づき、外国人との共生社会の実現に向けた取組を着実に進めてまいります。」と答弁しているとおりである。
三について
お尋ねの「不法在留者の収容から退去にいたるプロセスや仮放免の判断、難民申請に対する判断等」及び「令状等の裁判所の関与や第三者機関のチェック」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、仮放免不許可処分については、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第五十四条第四項において、入国者収容所長又は主任審査官は、同条第一項の請求があった場合において仮放免を不許可としたときは、当該請求をした者に対し、理由を付した書面をもって、その旨を通知するものとするなどして、行政運営における公正の確保と透明性の向上が図られており、また、同処分に不服があれば行政訴訟を提起することができることなどから、司法審査を行う必要性はないと考えている。
四について
御指摘の「勧告」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国が自由権規約委員会に提出した第七回政府報告の検討を踏まえて、同委員会が令和四年十月二十八日の会合で採択した総括所見の中に、「難民・庇護申請者を含む外国人の処遇」に関する勧告が含まれていると承知しており、その内容の当否等を十分に検討の上、政府として適切に対処していきたいと考えている。