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個人の尊厳と仮放免に関する質問主意書

参議院 第192回 第57号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×4

提出者
参議院
提出日
2016年12月13日
内閣転送 2016年12月14日
答弁書受領日
2016年12月22日
提出から9日
答弁の項目数
12
質問 1,902字/答弁 2,347字

質問本文

昨年九月十五日、法務大臣は、第五次出入国管理基本計画を策定し、その中で「退去強制手続は、原則として身柄を収容して手続を進めることとされているが、様々な理由により収容が長期化した場合には、被収容者の心身の状態等個々の事情を総合的に考慮し、人道的な配慮が必要と判断されれば、収容をいったん解く仮放免の許可を行っている」としている。仮放免者といえども「人」である以上、先進国として仮放免者に対する最低限の取り扱いが求められることは言うまでもない。

しかしながら、我が国政府が仮放免者を送還までの間どのように取り扱っているかについては、仮放免者の就労禁止条件、仮放免期間、収容令書又は退去強制令書に基づく収容と同日の仮放免(以下「即日仮放免」という。)などの点において、実情は未だ明らかにされていない。そこで、以下質問する。

一 仮放免に附された就労禁止条件

1 平成二十七年九月十八日付で、「退去強制令書により収容する者の仮放免措置に係る運用と動静監視について(通達)」が発出されているが、同通知を発出するに至った事実(政策判断の基礎となる事実)を示されたい。また、事実(政策判断の基礎となる事実)となる統計資料があれば、併せて示されたい。

2 仮放免者は、近時厳しく就労が禁止され、公的給付も受けられない。一方で、退去強制手続や難民認定申請手続等には期間の定めがないため、仮放免者は長期間生活の糧を奪われた状態を強いられている。また、手続の結果として在留を認められる場合にも、就労禁止期間が長く続くことにより、それまでの合法在留期間等において築いた生活基盤を破壊される例も少なくない。かかる状態をできる限り短縮すべく、出入国管理及び難民認定法(以下「入管難民法」という。)等に退去強制手続等の処理期間の定めをおくことは検討されているか。検討されている場合、その進捗状況を明らかにされたい。検討されていない場合、その理由を明らかにされたい。

3 仮放免に附された就労禁止条件に違反して、入管難民法第五十五条第一項に基づき仮放免が取消された者の人数について、過去三十年間の人数を年ごとに示されたい。

4 仮放免に附された就労禁止条件に違反して、仮放免の期間延長が不許可とされた者の人数について、過去三十年間の人数を年ごとに示されたい。

二 仮放免期間

1 二〇一六年三月末日現在、退去強制令書が発付されたものの未だ送還されていない仮放免者は何人か示されたい。また、このうち難民認定申請者は何人か示されたい。

2 前記二の1の退去強制令書が発付されたものの未だ送還されていない仮放免者のうち、仮放免が許可されてから、①十年以上経過している者、②十年未満七年以上経過している者、③七年未満五年以上経過している者、④五年未満三年以上経過している者、⑤三年未満経過している者の人数をそれぞれ示されたい。また、①から⑤のうち、難民認定申請者の人数も併せて示されたい。

3 入管難民法の規定により送還が予定される者であっても、送還までの間、本邦に在留する仮放免者の個人の尊厳は重んじられるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 即日仮放免が許可された者の人数と保証金

我が国の退去強制手続では全件収容主義を採用しているとする見解があるが、即日仮放免が許可されている運用について、以下質問する。

1 過去五年間の入管難民法第三十九条第一項の収容令書に基づき収容された者の人数と、収容と同日に仮放免が許可された者の人数をそれぞれ年ごとに示されたい。

2 過去五年間の入管難民法第五十二条第五項に基づく退去強制令書の発付を受け収容された者の人数と、収容と同日に仮放免が許可された者の人数をそれぞれ年ごとに示されたい。

3 前記三の1及び2のうち、未成年者の人数をそれぞれ示されたい。また、即日仮放免に当たり、未成年者に対しては収容に伴う悪影響を考慮した運用がなされているのか明らかにされたい。

4 前記三の1及び2のうち、職権に基づき仮放免が許可された者の人数をそれぞれ示されたい。

5 前記三の1及び2について、入管難民法第五十四条第二項に基づく保証金の金額ごとの件数及び平均額を示されたい。

6 自由権規約委員会が二〇一四年十二月に発表した一般的意見第三十五号の内容を政府は認識しているか示されたい。また、政府は、自由権規約第九条に規定する恣意的拘禁についても一般的意見第三十五号と同様、合理的な理由がない拘禁、合理的な期間を超えた拘禁は恣意的拘禁にあたると解釈しているのか、政府の認識を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

お尋ねの通達は、退去強制令書による収容中に仮放免された者が近年急増しており、これらの者の実態を把握し、仮放免制度の適正な運用に努めていく必要性が増大したことから発出したものである。具体的には、平成十年から平成二十七年までの退去強制令書による収容中に仮放免された者の人数は、各年末時点において、平成十年が九十一人、平成十一年が百五人、平成十二年が百七十二人、平成十三年が二百二十六人、平成十四年が三百七十一人、平成十五年が四百三十五人、平成十六年が四百十六人、平成十七年が四百二十二人、平成十八年が六百三十一人、平成十九年が九百九十七人、平成二十年が千二百八十九人、平成二十一年が千三百三十六人、平成二十二年が千六百十八人、平成二十三年が二千二人、平成二十四年が二千六百四十五人、平成二十五年が三千二百三十五人、平成二十六年が三千四百四人、平成二十七年が三千六百六人である。

一の2について

退去強制手続にあっては、容疑者の違反態様や引き続き本邦に在留しようとする意思の有無等に応じて違反調査等に要する期間は様々であることから、お尋ねの「処理期間の定め」を設けることは考えていない。また、難民認定手続にあっては、法務省が平成二十二年七月十六日に公表した「難民認定審査の処理期間に係る目標の設定と公表について」において、難民認定申請案件について標準処理期間を六か月とすることとしている。

一の3及び4について

お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

二の1について

お尋ねの「難民認定申請者」が難民認定手続中の者以外の者を含む趣旨か必ずしも明らかではないが、平成二十八年三月三十一日時点の退去強制令書による収容中に仮放免された者は、三千五百八十六人であり、そのうち同時点で難民認定手続中の者は、千八百三十七人である。

二の2について

お尋ねの「難民認定申請者」が難民認定手続中の者以外の者を含む趣旨か必ずしも明らかではないが、平成二十八年三月三十一日時点の退去強制令書による収容中に仮放免された者は、三千五百八十六人であり、そのうち同時点で、①仮放免の期間が十年以上経過している者は四十六人、そのうち難民認定手続中の者は二十一人、②仮放免の期間が七年以上十年未満の者は百九十人、そのうち難民認定手続中の者は九十一人、③仮放免の期間が五年以上七年未満の者は四百三十三人、そのうち難民認定手続中の者は二百六十九人、④仮放免の期間が三年以上五年未満の者は八百八十八人、そのうち難民認定手続中の者は四百三十一人、⑤仮放免の期間が三年未満の者は二千二十九人、そのうち難民認定手続中の者は千二十五人である。

二の3について

出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第五十四条第二項においては、収容令書又は退去強制令書により収容されている者について、住居及び行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務その他必要と認める条件を付して仮放免することができる旨規定されているところ、これは、出入国の公正な管理を図るため、必要な範囲で付されるものである。

三の1について

収容令書により収容された者は、平成二十三年が一万五千八百十六人、平成二十四年が一万千九百三十七人、平成二十五年が八千三百七十六人、平成二十六年が七千七百九十五人、平成二十七年が八千三百九十四人である。

また、収容令書により収容された当日に仮放免された者は、平成二十三年が千五百四十七人、平成二十四年が千七百九人、平成二十五年が千二百三十四人、平成二十六年が千百三十六人、平成二十七年が八百七人である。

三の2について

退去強制令書により収容された者は、平成二十三年が七千三百十七人、平成二十四年が七千六十五人、平成二十五年が六千六百七十九人、平成二十六年が五千八百四十四人、平成二十七年が六千五百四十一人である。

また、退去強制令書により収容された当日に仮放免された者は、平成二十三年が二十二人、平成二十四年が四十人、平成二十五年が五十一人、平成二十六年が八十二人、平成二十七年が六十七人である。

三の3について

お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

また、お尋ねの「収容に伴う悪影響を考慮した運用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、収容令書又は退去強制令書により収容された者の年齢、健康状態等に鑑み人道的配慮を要する場合には、収容当日に、仮放免の措置を採るなど適切かつ柔軟に対応している。

三の4について

収容令書により収容された当日に職権で仮放免された者は、平成二十三年が千四十三人、平成二十四年が千三百三十五人、平成二十五年が千四十九人、平成二十六年が八百八十二人、平成二十七年が五百五十三人である。

また、退去強制令書により収容された当日に職権で仮放免された者は、平成二十三年が十二人、平成二十四年が十八人、平成二十五年が三十八人、平成二十六年が五十八人、平成二十七年が四十人である。

三の5について

お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

三の6について

御指摘の自由権規約委員会の一般的意見は、市民的及び政治的権利に関する国際規約(昭和五十四年条約第七号)第九条に関して記されているものであると承知している。

後段のお尋ねについては、お尋ねの「合理的な理由がない拘禁」及び「合理的な期間を超えた拘禁」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、同条の解釈については、条約文等の文脈により、かつ、その趣旨及び目的に照らして与えられる用語の通常の意味に従い、誠実に行っている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×4

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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