ことばで探す › 衆議院 第217回
保険適用が困難なこどもの歯科矯正診療に関する質問主意書
衆議院 第217回 第245号
質問本文
学校歯科検診で「不正咬合」を指摘され、歯科矯正が必要な場合でも健康保険が適用される条件が厳しいため、治療を諦める事例が相次いでいると承知している。
令和六年度診療報酬改定で保険適用疾患の追加が行われ、学校歯科検診で不正咬合の疑いがあると判断された患者に対して、矯正治療の保険適用の可否を判断するための検査・診断が保険適用されるようになった。ただ、治療のためのカウンセリングや実際の矯正治療内容に関する相談は対象外となる。
他の先進国を見れば、こどもの矯正治療は多くの場合、公的医療保険が適用されている。フランスでは十六歳未満のこどもの歯列矯正に対して公的医療保険が適用される。ドイツでは公的健康保険による早期矯正治療は四歳以降、十八歳未満で治療の必要が認められた人に対して認められている。
したがって、次の事項について政府に対し質問する。
一 学校歯科検診で歯列・咬合の異常の指摘を受けた場合に限り、年度内に一回限りの歯科矯正相談の保険適用を認めているが、これをこどもの必要に応じ、複数回にすることは可能か。
二 学校歯科検診で、不正咬合などを指摘されたこどもの親は矯正治療に大きな不安を持っていると承知している。現在、保険適用外となっているカウンセリングや実際の矯正治療内容に関する相談を保険適用にすることは検討できないのか、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
令和六年度診療報酬改定においては、令和六年二月十四日の中央社会保険医療協議会の答申に基づき、診療報酬の算定方法(平成二十年厚生労働省告示第五十九号。以下「算定告示」という。)において、算定告示別表第二区分番号N001−2に規定する「第十三部に掲げる歯科矯正の適応となる咬合異常又は顎変形症が疑われる患者に対し、歯・歯列の状態、咬合状態又は顎骨の形態等の分析及び診断を行い、当該患者に対し、診断結果等を文書により提供した場合」を評価する「歯科矯正相談料」を新設したところであるが、我が国の医療保険制度においては、基本的に、疾病、負傷等の発生を保険事故として保険給付が行われているところであり、令和五年十二月十五日に開催された同協議会総会において、「学校歯科健診で不正咬合の疑いがあると判断されて受診した患者の評価をめぐっては、保護者の方が受診を躊躇することがないようにしたいという思いはありますが、診療報酬の適用範囲を拡大することが、適切な対応かという点は疑問が残ると考えております。実際にどの程度保険適用が可能なケースが存在するかなどの実績を踏まえた上で、慎重な検討が必要ではないかと思います」との意見があったこと等も踏まえ、算定告示において、「年度に一回に限り算定する」としているものである。こうした経緯等を踏まえると、御指摘のように「複数回にすること」や「保険適用外となっているカウンセリングや実際の矯正治療内容に関する相談を保険適用にすること」については、慎重な検討が必要と考えている。