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外国人による自国外送金アプリの利用と日本国内における不可視経済圏の形成に関する質問主意書
衆議院 第217回 第335号お答えすることは困難 ×8趣旨が明らかではない ×14
質問本文
近年、外国人労働者や短期滞在者が、規制の枠外で、日本国内で得た収入を母国へ送金する事例が多数報告されていると承知している。このような国境をまたぐ送金は、日本の金融機関や税務当局による規制を回避する形で資金移動を可能にし、所得の申告漏れ、課税逃れ、さらにはマネーロンダリングの温床となる懸念があると考える。
また、こうした送金手段が、外国語SNS等を通じて行われる資格外活動(いわゆる白タク行為や無許可のツアーガイド、通訳、家事代行等)と結びつくことで、労働実態を不可視化し、日本国内に「非課税・非登録」の準外国経済圏(以下「不可視経済圏」という。)を形成することも可能との指摘もある。これは、労働市場の公正性を損ない、地域経済や究極的には国家財政に対して深刻な影響を及ぼす構造的問題であると考える。
これらを踏まえて、以下の事項について政府に質問する。
一 外国人による国外送金の利用実態と制度的把握
1 外国人が規制の枠外で日本国内から資金を国外に移動させている実態について、政府は国別、送金行為の種別等の統計を有しているか。有していれば、可能な限りそれぞれ示されたい。
2 当該送金の原資となる外国人が日本国内で得た収入は、非居住者であったとしても給与所得、事業所得、報酬、贈与等いずれに該当するものとして捉えられ、源泉徴収などで納税する必要があると考えられるが、税務上の対応がなされているか。
3 暗号資産交換業者を経由しないデジタル資産について、国外への送金にアプリ内で完結するP2P送金が利用された場合、国税庁および金融庁が課税・監視する上での限界および制度的課題を政府はどのように認識しているか、それぞれ示されたい。
4 第三者を経由するなどして国外送金の本来の委託者を特定不可能とするような行為に関して、その法的取扱いと規制の可能性について、政府の見解をそれぞれ示されたい。
二 不可視経済圏と不法就労との関連
1 外国語SNS等を通じたサービス提供(配車、観光案内、通訳、家事代行等)について、在留資格に違反して行われる事例の有無と把握状況をそれぞれ可能な限り示されたい。
2 報酬が国内外の銀行口座を介さず、送金アプリを通じて国外の法人または個人から当該外国人労働者のアプリ口座へ直接支払われる場合、銀行記録や給与台帳によるいわゆるトレーサビリティが欠如し、在留資格に定める就労範囲の逸脱や不法就労助長罪の立証が極めて困難となると考える。この構造的課題を踏まえ、政府は、�@入管当局による取締指針・摘発体制の整備、�A国税当局による送金アプリ事業者への情報照会・報告義務強化、�B海外当局およびプラットフォーム運営事業者との情報共有・協力覚書の締結等を含め、どのような具体的方策を現在講じているか、または講じる予定かを示された上で、就労助長罪の立証が困難となる構造に対し、政府としてどのような対応を講じているか示されたい。
3 送金アプリの匿名性や非課税性を利用して、不法就労の痕跡を意図的に隠蔽する事例が確認されたことはあるか。
三 国外送金アプリ事業者への規制および協力体制
1 外国系送金アプリ事業者に対する、本人確認、記録保持、報告義務等の規制的対応を行う外国の法的枠組みの整備状況について、政府の把握するところをそれぞれ示されたい。
2 日本政府が、外国に本拠を置くアプリ事業者に対して送金履歴等の情報提供を要請した実績の有無と、協力状況を国別にそれぞれ可能な限り示されたい。
3 国外送金アプリが、事実上の報酬支払手段や非合法な所得移転の経路として機能している場合、当該アプリの使用を助長する行為に対して政府として規制を検討しているか。
四 国際的対応と政策的方針
1 共通報告基準等の国際的資金移動情報共有枠組みに、送金アプリサービスを提供する資金移動業者のデータを含める方向で国際交渉を行う方針があるか。
2 外国人による日本での不可視経済活動への対応について、国税庁、出入国在留管理庁、警察庁、金融庁など関係機関が横断的に情報連携・摘発を行う体制の構築状況をそれぞれ可能な限り示されたい。
3 こうした不可視経済圏が、地域経済や中小事業者の事業環境に悪影響を与えているとの認識が政府にあるかを示した上で、その経済的影響について定量的把握を行っているか明らかにされたい。
4 日本国内での合法的な経済活動が、アプリ等を活用した規制の枠外での資金取引によって侵食される事態に対し、政府は構造的対策を講じる方針があるか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
お尋ねの「国別、送金行為の種別等の統計」は有していない。
一の2について
お尋ねの「外国人が日本国内で得た収入」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二条第一項第五号に規定する非居住者が、同法第百六十一条第一項に規定する国内源泉所得を有するときは、所得税の免除を定める租税条約(同法第二条第一項第八号の四ただし書に規定する条約をいう。以下同じ。)の規定の適用がある場合を除き、原則として、所得税を納める義務がある。また、当該非居住者が、国内において、当該国内源泉所得のうち、同法第百六十一条第一項第四号から第十六号までに掲げるものの支払を受ける場合には、当該租税条約の規定の適用がある場合を除き、原則として、同法第二百十二条第一項の規定により、その支払をする者により所得税が徴収される。
その上で、お尋ねについては、お尋ねの「税務上の対応」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、国税当局においては、様々な機会を通じて課税上有効な各種資料情報の収集に努め、これらの資料情報と提出された申告書等を分析し、課税上問題があると認められる場合には、税務調査を行うなどして、適正かつ公平な課税の実現に努めているところであり、今後とも、このような考え方に基づき、厳正に対処していく。
一の3について
お尋ねの「暗号資産交換業者を経由しないデジタル資産」及び「アプリ内で完結するP2P送金」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
一の4について
お尋ねの「第三者を経由するなどして国外送金の本来の委託者を特定不可能とするような行為」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
二の1について
お尋ねの「外国語SNS等を通じたサービス提供(配車、観光案内、通訳、家事代行等)について、在留資格に違反して行われる事例」の有無を含め、その把握状況については、今後の出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二十七条の規定に基づく違反調査(以下「違反調査」という。)の適正な遂行等に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
二の2について
前段のお尋ねについては、御指摘の「送金アプリ」の意味するところが必ずしも明らかではないが、出入国在留管理庁においては、関係機関と緊密に連携を図り、不法就労者、不法滞在者等の取締り等に取り組んでいるところであるが、御指摘の「取締指針・摘発体制の整備」については、今後の違反調査の適正な遂行等に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。また、御指摘の「送金アプリ事業者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として申し上げれば、国税に関する調査について必要がある場合において、国税当局が事業者から情報提供を受けるための制度として、国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第七十四条の七の二において、同条第一項に規定する特定事業者等への報告の求めが、同法第七十四条の十二において、国税庁等の当該職員の事業者等への協力要請が、それぞれ定められており、必要に応じ、これらの制度を活用するほか、外国税務当局と連携して租税条約等に基づく情報交換を積極的に実施するなどして、適正かつ公平な課税の実現に努めているところである。
後段のお尋ねについては、「就労助長罪の立証が困難となる構造」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
二の3について
お尋ねについては、今後の違反調査の適正な遂行等に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
三の1について
お尋ねの「外国系送金アプリ事業者」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
三の2について
お尋ねの「外国に本拠を置くアプリ事業者」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
三の3について
お尋ねの「国外送金アプリ」、「事実上の報酬支払手段」、「非合法な所得移転の経路」及び「当該アプリの使用を助長する行為」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として、為替取引を業として営む場合には、例えば、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第四条第一項に規定する銀行業の免許や資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第三十七条に規定する資金移動業の登録を受ける必要があり、無免許や無登録で為替取引を業として営むことは禁止されているところであり、為替取引に係る不正行為についてはこれらの規制を含む現行の規制によって適切に対応することを考えている。
四の1について
お尋ねの「送金アプリサービス」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和四年に経済協力開発機構において、顧客の利益のためにいわゆるデジタルマネー等を保有している者に対して、税務当局に対する報告義務を課することなどを内容とした「共通報告基準」の改訂が行われた。
我が国では、この改訂に対応して、令和六年度税制改正において、租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号)等の改正を行い、資金決済に関する法律第二条第三項に規定する資金移動業者(以下同じ。)の非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度における報告義務を負う者への追加、資金移動業者の管理するいわゆるデジタルマネーに関する情報の当該制度における報告対象への追加等を行った。これらの改正は、令和八年一月一日から施行予定であり、今後、「共通報告基準」の改訂に関し、更なる国際交渉を行う予定はない。
四の2について
お尋ねの「不可視経済活動」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
四の3について
お尋ねの「こうした不可視経済圏」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
四の4について
お尋ねの「日本国内での合法的な経済活動が、アプリ等を活用した規制の枠外での資金取引によって侵食される事態」及び「構造的対策」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
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