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法務大臣による欧州の社会統合失敗発言に関する質問主意書
衆議院 第219回 第161号趣旨が明らかではない ×3
質問本文
令和七年八月六日付の産経新聞によれば、鈴木馨祐法務大臣(当時)は単独インタビューで、法務大臣の私的勉強会において令和二十二年頃には我が国における外国人の割合が十パーセントに達する可能性が示されたことに関して、「欧州などでは外国人の割合が国民の十パーセントを占め、社会の分断や政治の混乱が起きており、社会統合に成功している国は残念ながらほぼない。現在の日本は二・七パーセントだが、さまざまな社会的な摩擦が指摘されている。」と述べたとされる。
鈴木氏の、「社会統合に成功している国は残念ながらほぼない」との見解は、概ね事実であると考える。欧州各国は社会統合を重要課題と位置づけ、様々な施策を講じてきたが、いわゆるホームグロウン・テロの発生を阻止することはできなかったと考える。
以上を踏まえて、お尋ねする。
一 政府は、日本国民の人口に対する我が国に滞在する外国人の割合について、今後の増減をどのように予測しているか。五年後、十年後、二十年後の見通しを可能な限り示されたい。
二 我が国に滞在する外国人の割合が増加するに伴い、「社会の分断や政治の混乱」が起き社会統合に失敗することは避けなければならないと考える。政府の見解如何。
三 我が国において外国人の割合が十パーセントに達したことを想定した、「社会の分断や政治の混乱」を回避し社会統合を成功させる施策は存在するか。またはそのような施策を検討しているか。
四 政府は、令和六年三月二十九日、特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針及び特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針の変更を閣議決定し、令和六年四月から五年間の特定技能制度の受入れ見込数を八十二万人に設定した。鈴木法務大臣(当時)は前記インタビューにおいて、「国民が安全・安心や公平感を持てる状況を作っていくことが絶対的な条件だ」と述べた。
1 鈴木氏の発言について、現政権においても同様の見解か。見解が異なる場合、その内容と理由を説明されたい。
2 この「絶対的な条件」が満たされない場合には、特定技能制度の受入れ見込数を減少させるという趣旨か、政府の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「我が国に滞在する外国人」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、例えば、国立社会保障・人口問題研究所が令和五年四月に公表した「日本の将来推計人口(令和五年推計)」によると、「出生中位(死亡中位)推計」として、令和十二年、令和十七年及び令和二十七年における「総人口」に占める「外国人人口」(「総人口」から「日本人人口」を差し引いた数をいう。)の割合の推計値は、それぞれ三・五パーセント、四・三パーセント及び六・一パーセントである。その上で、令和七年八月二十九日に出入国在留管理庁に設置した「外国人の受入れの基本的な在り方の検討のためのPT」において、同年十一月四日の関係閣僚会議における内閣総理大臣指示(外国人との秩序ある共生社会の実現について)(以下「内閣総理大臣指示」という。)に基づき、外国人の受入れの基本的な在り方に関する基礎的な調査及び検討を可能な限り進めるなどしているところである。
二について
お尋ねの「社会統合」という言葉は様々な文脈で用いられるものであり、「社会統合に失敗すること」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、外国人との秩序ある共生社会の実現については、令和七年十一月六日の参議院本会議において、高市内閣総理大臣が、「ルールを守って暮らしておられる外国人の方々が我が国に住みづらくなってしまうようなことはあってはいけないと考えます。排外主義とは一線を画しつつ、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し政府として毅然と対応し、国民の皆様の不安や不公平感を解消することは、外国人との秩序ある共生社会の実現に必要なものと考えております。」と答弁したとおりである。
三について
お尋ねの「社会統合」という言葉は様々な文脈で用いられるものであり、「社会統合を成功させる施策」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和七年八月二十九日に出入国在留管理庁に設置した「外国人の受入れの基本的な在り方の検討のためのPT」において、内閣総理大臣指示に基づき、外国人の受入れの基本的な在り方に関する基礎的な調査及び検討を可能な限り進めるなどしているところである。
四の1について
御指摘の鈴木法務大臣(当時)の発言は、御指摘の報道における「「少子高齢化、人口減少の中で、活力ある強い日本を実現するためには、自由で開かれた日本、外国人との秩序ある共生社会が不可欠だ」と外国人受け入れの必要性を指摘。同時に「それには国民の理解と支持が欠かせず、国民が安全・安心や公平感を持てる状況を作っていくことが絶対的な条件だ」と述べた。」とされている記載に係るものと思われるが、外国人との秩序ある共生社会の実現に係る政府の認識については、二についてで述べたとおりである。
四の2について
御指摘の鈴木法務大臣(当時)の発言は、四の1についてで述べたとおり、外国人との秩序ある共生社会の実現について述べたものであり、特定の制度を前提としたものではないと承知している。その上で、特定技能制度(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)に基づく特定技能制度をいう。)においては、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に限り、日本人の雇用機会の喪失及び処遇の低下を防ぐ等の観点からの適切な受入れ見込数を設定することとしている。