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創作者主義の理念に基づく著作者の権利保護の在り方に関する質問主意書

衆議院 第219回 第57号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

提出者
れいわ新選組
提出日
2025年11月10日
内閣転送 2025年11月17日
答弁書受領日
2025年11月21日
提出から11日
答弁の項目数
5
質問 1,212字/答弁 1,325字

質問本文

日本の著作権法は、ドイツ法及びフランス法を範とする大陸法型の体系を採用し、著作者人格権と著作財産権の二層構造により創作の人格的側面と財産的側面の双方を保護する理念を採るとともに、その権利は、著作者が創作したときに発生し、著作者本人に帰属することを原則としている。しかし現実の運用においては、制作会社や放送局、広告代理店などが著作者たる地位や著作権の包括譲渡・放棄を契約で求めることが常態化しており、下請構造の中で弱い立場にあるクリエイターや中小制作スタジオが実質的に権利を放棄させられていると承知している。このような慣行は、米国における「ワーク・メイド・フォー・ハイヤー(職務著作条項)」制度に近似しており、本来の大陸法的理念である「創作者主義」とは大きく乖離していると考える。

著作権法第十五条のいわゆる職務著作は法人等の指示に基づき法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物でなければならない等の要件があるにもかかわらず、現実には外部委託やフリーランスにまで拡大して解釈される傾向があると承知している。さらに、政府による取引慣行の是正も十分とは言えず、著作者の権利の保護という著作権法の理念が形骸化しているとの指摘が広く存在する。

著作者の権利の保護を欠いた現状は、クリエイター個人の経済的・人格的自立を阻み、ひいては日本のコンテンツ産業全体の国際競争力を弱める要因ともなっていると考える。したがって政府は、この実態を直視し、法の原則と実態の乖離を是正する責務を負うものと考える。

以上を踏まえ、政府に質問する。

一 政府は、日本の著作権法が形式的には大陸法系の体系を採用しながら、実態としては米国型の「ワーク・メイド・フォー・ハイヤー」的運用が広く行われているとの指摘を承知しているか。

二 発注元が、著作権の包括譲渡や著作権の放棄を契約上求める行為が、クリエイターや中小制作会社に対して優越的地位の濫用となり得ることを政府は認識しているか。

三 現行著作権法第十五条のいわゆる職務著作に係る規定が、フリーランスや外部委託の著作物まで実質的に適用されているとの実態について、政府は認識しているか。併せて、そのような運用が条文趣旨に反するとの見解を有するか、政府の見解を示されたい。

四 フランスなどにおいては、著作財産権の譲渡や利用許諾が目的・期間・地域などの明確な限定のもとでしか有効と認められない一方、日本では著作権の包括譲渡要求や著作者人格権の不行使特約が慣例化している。この点について、日本法が他国の大陸法系諸国と比べて著作者保護の観点から劣後しているとの評価を政府は認めるか。

五 実質的に対等でない当事者間の関係に起因して、著作者の権利が実質的に保護されていない現状を是正するため、政府はなんらかの制度的対応(立法・通達・ガイドライン等)を行う予定があるか、あるならば具体的に示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「実態としては米国型の「ワーク・メイド・フォー・ハイヤー」的運用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(検討のまとめ)」(令和四年七月二十七日文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議公表、令和六年十月二十九日改訂。以下「本ガイドライン」という。)において、「事業者等と芸術家等がどのような内容で取引をするかは、原則として、当事者間で自由に決められるものであるが、実際には、力関係の差や交渉力の差により、事業者等からの一方的な内容となっているような状況が生じていると指摘されている。」とされている。

二について

お尋ねについては、例えば、「役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針」(平成十年三月十七日公正取引委員会策定(最終改正 平成二十九年六月十六日))では、「ソフトウェア開発、テレビ番組制作等の委託取引のように受託者が役務を提供して得られる成果物(以下「情報成果物」という・・・)」に係る取引について、「情報成果物が取引の対象となる役務の委託取引にあっては、(中略)取引上優越した地位にある委託者が、受託者に対し、当該成果物が自己との委託取引の過程で得られたこと又は自己の費用負担により作成されたことを理由として、一方的に、これらの受託者の権利を自己に譲渡(許諾を含む。・・・)させたり、当該成果物、技術等を役務の委託取引の趣旨に反しない範囲で他の目的のために利用すること(二次利用)・・・を制限する場合などには、不当に不利益を受託者に与えることとなりやすく、優越的地位の濫用として問題を生じやすい」との考え方を示している。

三について

お尋ねの「いわゆる職務著作に係る規定が、・・・実質的に適用されているとの実態」及び「そのような運用」の意味するところが明らかではなく、また、著作権の帰属等に関する個々の契約内容について、政府として網羅的に把握しているわけではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

四について

諸外国における著作権制度についてその詳細を網羅的に把握しているわけではなく、また、著作権制度の在り方は各国によって様々であり、お尋ねの「日本法」が「劣後している」か否かについて一概に評価することは困難である。いずれにせよ、我が国においては、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)等により、著作権の適切な保護が図られていると認識している。

五について

お尋ねの「著作者の権利が実質的に保護されていない現状」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一についてで述べた「指摘」があることは承知しており、文化庁としては、「安心・安全な環境での持続可能な文化芸術活動の実現を図ることを目的」とした本ガイドラインや、「著作権に関する契約書を作成する際の留意点や条項例について、事例に則して説明」した「誰でもできる著作権契約マニュアル」(令和五年三月文化庁著作権課作成)を作成し、周知するなどの取組を行っているところであり、引き続き、こうした取組を通じて著作権に関する契約等に対する理解の促進を図ってまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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