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東京都江東区内防災拠点木場地区予定地内の首都高速九号線に関する質問主意書
衆議院 第68回 第10号
質問本文
衆議院議長 ※(注)田 中 殿
東京都江東区内防災拠点木場地区予定地内の首都高速九号線に関する質問主意書
東京都の江東地域における防災対策の樹立は、単に東京都の問題であるばかりでなく、国政の重要な一環であるが、東京都ではこの地域に六つの防災拠点を建設する構想を打ち出しており、その一つが木場地区の防災拠点である。この木場防災拠点予定地内を最近高速九号線が通過することになり、そこにランプができる予定で、附近住民は大きな不安を抱いている。このまま推移すれば、防災拠点の日常機能として期待されている人間中心であるべき市民の生活の場が自動車に圧迫され、さらに震災時にいたつては、生命を守るべき拠点内がかえつて災害と混乱のるつぼと化する危険があるので、高速九号線の路線は変更すべきであると考え、人命尊重の立場から以下数点質問する。
一 大震災時、高速道路に倒壊、危険物落下のおそれが非常に大きいことはロス・アンジェルス地震で証明ずみである。たとえ設計震度をあげたとしてもそれ以上の地震がこない保証もなく、また地震という自然現象の全貌が学問的に解明しつくされていない以上、それに対して安全な高架道を建設することはできないことになる。さらに、江東地域の軟弱地盤や、近時洪積層にまで及び始めている不等地盤沈下等を考え併せるならば、設計時の安全性を長年月にわたつて確保することがきわめて困難であることは明らかであると思われるが、この点をどう考えるか。
二 もし木場防災拠点内に高速道路を貫通させ、ランプを設置する場合、大震災時にはこの高速道路が火を呼び込む通路となることは明らかである。高速道路上に放置された自動車の列は火の帯となり、拠点内の自動車は爆発物と化して、生命の安全を求めて拠点にたどりついた人人の生命を死に追いやることになると思うが、この危険についてどう考えるか。
三 行政管理庁は欠陥高速道について、去る三月十三日勧告を行なつたが、その中で都心部高速道路の渋滞対策として通過車両が都心乗入れをしないようにすべきであるとし、東京湾岸道路の早期完成を促している。高速九号線はこの湾岸道路の通過車両を再び都心高速道路網に導入する連絡路になると思われるが、政府は行政管理庁勧告との関連で、この高速九号線をどう思うか。
四 国は、木場防災拠点は、いまだ構想中のものであり、一方、高速九号線はすでに路線が確定し実施段階にあるもので、これを変更するわけにはいかないとの考えを持つているやに伝えられているが、国の防災計画全般から総合的に判断するとき、いまのうちに路線をこそ変更すべきであると考えるが、どうか。
五 種種の危険をおかし、住民の不安を惹き起こしてまで油堀川経由で防災拠点木場地区予定地内に首都高速九号線を早急に建設しなければならない必然性は認められない。むしろ隅田川から豊洲運河、辰巳運河ぞいに路線変更することが望ましいと考えられる。この場合、河川法、港湾法との関係は単なる専用認許可の問題で法的支障はなく、また河川管理上も問題はないと考えるが、この点に関する政府の見解はどうか。
六 九号線建設は、以上のごとき防災上の観点からして問題があるのみならず、同時に川幅のせまい油堀川経由で木造密集地帯を二層三層となつて通りぬけ、また既設の第一辰巳団地と将来計画の第二辰巳団地を分断するなどして、騒音、排気ガス、その他の環境破壊を招来することは必定であると思われるが、国はどう考えるか。
右質問する。
政府答弁書
一について
地震多発地帯であるわが国においては、土木並びに建築構造物の設計にあたり、地震に対する安全性を十分配慮しなければならないことはいうまでもない。
現在首都高速道路の構造物の設計に用いる水平震度は〇・三(地震時において重力の三〇パーセントの力が水平方向に作用するとして設計する。)を基準としているが首都高速九号線木場地区においては、構造特性を考慮のうえ、この値は〇・三八にしている。(建築基準法による一般耐火建築物の設計水平震度は〇・二を標準としている。)さらに万一の場合橋桁の落下に対してもすべての桁を連結する落下防止装置をつけるなどして安全を図つている。
ロス・アンジェルスにおける道路構造物の設計水平震度は〇・〇三〜〇・一であり、わが国の設計とは比較にならないものと考える。
また、江東区の地質の特殊性についても慎重に判断しすべての基礎構造物は地下の堅固な東京礫層に定着させており軟弱地盤、不等沈下等に対する対策は十分であると考える。
二について
防災拠点の計画は、一般にその中核に大震災時の避難場所としての避難広場を設置し、その周辺に耐火構造による建築物群を配置するものであり、この避難広場内を高速道路が通過したり、またはランプが避難広場内に直結されることがないよう計画される。木場地区内防災拠点も前述の方針に従つて計画されることとなつている。したがつて高速道路上において万一火災が発生したとしても、避難広場内に避難した人人の生命に危険を及ぼすことは考えられない。
三について
首都高速九号線は、湾岸道路と都心を結ぶ路線であるが、これを利用する交通は主として都心を目的地とする交通であつて、湾岸道路の通過車両を都心に導入するものではない。
四について
木場地区防災拠点は、二で述べたように避難広場内を首都高速九号線の本線が通過したり、ランプが設置されることがないよう計画される。したがつて防災拠点としての機能が特に阻害されることはないので、路線の位置を変更する必要はないものと考える。
五について
隅田川河道内に高速道路を通すことは、橋脚を河川の縦断方向に設置することとなり、流水の疎通を阻害し、その影響は洪水時においては、支川を含めて広範囲に及び、また隅田川上流では流域開発がきわめて大きいため今後とも洪水流量の増大が予想されるので、治水対策上適当でない。
辰巳水門より豊洲水門に至る間は、東京港と隅田川を連絡する運河となつており、船舶ならびにはしけの航行量は多く橋脚の設置等の方法によつては、船舶航行の障害が考えられる。
六について
排気ガスについては、高速道路は信号等がなく、街路に比べて排気ガスの発生は少ないものと考えられる。騒音については、騒音防止装置の必要な箇所について側壁を高くする等効率的な装置を設置する計画である。
右答弁する。
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