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光洋精工の労使紛争に関する質問主意書
衆議院 第75回 第12号
質問本文
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
光洋精工の労使紛争に関する質問主意書
大阪市南区鰻谷西之町二番地日生ビル内に本社を置く、光洋精工株式会社(以下会社という)の労使紛争について次の事項について質問したい。
一 昭和四十九年十二月以降、会社の全国金属労働組合光洋精工支部(以下支部という)への不当労働行為、暴力行為による支部への組織分裂攻撃によつて、会社と支部並びにその上級組織である全国金属労働組合(以下全金という)との間に労使の紛争が起こつているが、その経過と現状について明らかにされたい。
二 支部の組合員から会社の労働基準法違反の事実について、労働基準法第百四条に基づく申告などが出されているが、その件数と処理状況について明らかにされたい。
三 支部組合員で会社三鷹工場(東京都三鷹市)の従業員である沖山一弘、青木徳一の両名を支部組合員であるという理由で、昨年十二月頃から会社内で村八分にし、又、自宅まで会社と第二組合員が押しかけたりしたために、両名とその家族はノイローゼぎみになり、支部を脱退せざるを得ないという人権侵害の事実が行われたといわれているがその真相を明らかにされたい。
四 支部・全金が会社の不当労働行為について、東京、大阪、徳島などの地方労働委員会に救済申立を行つていると聞いているが、その救済内容と進行状況について明らかにされたい。
五 会社の不当労働行為によつて昭和五十年一月七日、光洋精工労働組合(以下第二組合という)による分裂集団が結成されたといわれている。この第二組合と会社が一体になつて、支部が占有使用している組合事務所を暴力で占拠するという事実が発生している。
これに対し会社国分工場(大阪府柏原市)内の支部組合事務所の占有について、大阪地方裁判所から、会社並びに第二組合の不法行為を禁止し、支部にその占有を返せという趣旨の仮処分決定がなされ、会社、第二組合が執行官によつて排除されたといわれるが、その経過と仮処分決定の内容、執行状況について明らかにするとともに、会社・第二組合に不法行為が、また暴力行為の事実があつたのかどうか明らかにされたい。
六 国分工場の支部組合事務所の占有についての仮処分決定直後の昭和五十年三月二十日午後三時頃会社・高松工場(香川県)内の支部組合事務所に、会社・第二組合数百名が乱入し、暴力をもつて事務所で組合事務に携わつていた支部十五名の組合員を実力で排除する暴挙が行われ支部組合員三名が負傷する事件が発生したといわれるが事実関係について明らかにされたい。
七 国分工場の支部組合事務所は仮処分決定により支部にその占有がもどつたが、会社・第二組合は連日数百名を動員して、支部組合員を五時間以上も閉じこめ便所にも行かせず、更に組合事務所にアンモニヤガスを流し、又、天井に穴をあけ、そこから水を流して組合事務所内を水浸しにする暴挙を加え、支部組合員数名が第二組合の川口会計らに暴行を受け負傷するという行為を繰り返している。支部はこの暴力行為に耐えかねて警察に通報したところ、現場に到着した柏原警察署の高野警備係長にまで暴行を加えたといわれている。
これに対し支部組合員より被害届・告訴などが警察にされたというが、その処理状況及び会社・第二組合の暴力について政府の見解を示されたい。
八 会社内には今なおこのような労使紛争が続いているが、本年四月に国賓として来日するルーマニア国家元首が会社国分工場を見学すると聞いているが、このような暴力、紛争が続いている工場を見学予定にいれるのは、日本・ルーマニア両国の友好関係からみて好ましくなく中止すべきであると思うが、政府及び外務省の見解を示されたい。
九 最後に、光洋精工における労使紛争について、東京労働委員会川口実審査委員より「本件調査の経過によれば、申立人全国金属労働組合と被申立人光洋精工株式会社との間に団体交渉権の問題についてその主張に差があるけれども、ともあれ申立人および被申立人は次のように実行することを適当と思料する。(1)被申立人会社は申立人全国金属労働組合、同光洋精工支部とすみやかに団体交渉を行うこと。(2)第一回交渉の日時、場所、出席者の人数については、事前に当事者間で打合せ円滑に決定すること。昭和五十年三月六日」という主旨の要望書が労使に提示され、全金側は全面的にその要望を受諾したが会社は今日まで受諾していない。そこでこの労使紛争の解決について、政府・労働省はどのように努力され、又、これからの行政処置についての見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
大阪府に本社を置く光洋精工株式会社(以下「会社」という。)においては、従来、総評全国金属労働組合光洋精工支部が組織されていたが、昭和五十年一月七日開催の組合大会において、総評全国金属労働組合(以下「全国金属」という。)からの脱退と光洋精工労働組合(以下「光洋労組」という。)の発足が決定された。
これに対し、全国金属からの脱退に反対する一部の組合員は、昭和五十年一月十二日に、別途組合大会を開催し、組織の再建、強化を決定した。現在、組合事務所の使用等をめぐつて両組織間に争いがあり、また、暴力事件に関する告訴及び不当労働行為救済申立てが行われている。
二について
本件紛争に関連して、会社の各工場を所轄する労働基準監督署が総評全国金属労働組合光洋精工支部(以下「全国金属光洋支部」という。)の組合員からの申告を受理した事実はない。
三について
会社の本社及び東京工場の所在地を所轄する法務局においては、質問に係る事件の申告又は相談は受けていない。
四について
全国金属等は、会社が、団体交渉を拒否したこと、申立人組合からの脱退強要を行つたこと、組合活動を妨害したことなどを理由として、東京都地方労働委員会に対し三件(昭和四十九年十二月二十六日、昭和五十年一月七日及び同年三月二十八日申立て)、大阪府地方労働委員会に対し一件(昭和五十年一月二十二日申立て)、徳島県地方労働委員会に対し一件(昭和五十年一月二十八日申立て)、計五件の不当労働行為救済申立てを行つており、全事件について現在関係地方労働委員会において審査が進められていると聞いている。
五について
従来全国金属光洋支部が使用していた会社の国分工場内の組合事務所を昭和五十年一月七日以降光洋労組が使用したことに関し、全国金属光洋支部は、大阪地方裁判所に対し、同年一月九日、会社を被申請人として組合事務所占有使用妨害禁止仮処分申請を行つたところ、同地裁は、同日これを認容する決定を行い、また、同年一月十七日、光洋労組らを被申請人として組合事務所占有使用妨害禁止仮処分申請を行つたところ、同地裁は、同年三月二十日これを認容する決定を行い、三月二十二日には右三月二十日の仮処分決定について、不法事案の発生をみることなく同地裁の執行官によつて執行がなされ、現在、本件組合事務所は、全国金属光洋支部が使用していると聞いている。
六について
会社の高松工場において、全国金属光洋支部と光洋労組高松支部との間で組合事務所の使用をめぐつてトラブルがあつた旨の風評に基づき、所轄警察署係官が昭和五十年三月二十二日、全国金属光洋支部の幹部から事情を聴取したところ、「同月二十日、組合事務所に光洋労組高松支部の組合員ら約二百人がやつて来て、強く退去を求められ追い出された。」旨述べているが、被害申告、告訴などはない。
七について
会社の国分工場において、全国金属光洋支部と光洋労組国分支部との間で昭和五十年三月二十三日から同月二十五日までの間に発生した不法事件について、同月二十四日から同月二十六日までの間に所轄警察署に対し、全国金属光洋支部の組合員から四件、光洋労組国分支部の組合員から三件、計七件の告訴がなされ、現在所轄警察署において捜査中である。
政府としては、正当な組合活動に対して何ら介入するものではないが、暴力の行使等の不法事案に対しては、法に照らし厳正な取締りを行う方針である。
八について
ルーマニア国チヤウシェスク大統領の会社の国分工場の視察は、ルーマニア政府より表明された強い希望に基づいてアレンジしたものである。同政府が、同工場の視察を希望したのは、会社がルーマニアのアレキサンドリア市に向けて輸出したボール・ベアリング製造設備の生産能力等を同政府が高く評価していることがその背景と考えられる。かかる事情にかんがみ、同工場視察の日程を作成したものであるが、同大統領が同工場を視察される際には、関係者がこぞつて歓迎し、同大統領の視察がつつがなく行われ、その目的が十分に達成されることが望ましいと考える。
九について
質問の内容におけると同趣旨の要望書が、昭和五十年三月二十八日に関係労使に提示され、労使双方ともこれを受諾したと聞いている。
政府としては、事態の推移に関心を払いつつ、これまで、関係都府県を通じ、情勢のは握に努めてきたところであるが、今後関係労使が十分話し合つて、平和裡にかつ速やかにこの紛争を解決することを期待するとともに、労使の自主的解決の努力に積極的に協力してまいる考えである。
右答弁する。
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