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線材関連産業の労使紛争に関する質問主意書
衆議院 第84回 第33号承知していない ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
衆議院議長 保利 茂 殿
線材関連産業の労使紛争に関する質問主意書
針金、釘、ナットをはじめとする線材産業は、東大阪市の伝統的な地場産業であるが、不況の長期化と円高で深刻な雇用不安が発生しております。富士精線、大鵬産業、杉本伸線、大東鋼業、日本製釘、日本製線等で企業閉鎖や首切り合理化が相次ぎ、東大阪市議会も昨年十二月二十三日特別決議を可決しているわけですが、その原因として、「韓国馬山輸出自由地域」への各社一斉進出と過大な逆輸入にあると指摘しております。このような事態は、我が国の雇用問題としても、また、日本と韓国の友好にとつても、是正されなければならないと思われます。ついては、次の諸点について質問します。
一 馬山輸出自由地域に入住している日本企業(合弁を含む。)のうち線材関連企業の実態(企業名、従業員数、資本金等)と各社の日本への逆輸入は、どのような内容となつているのか。
二 馬山輸出自由地域に進出している日本企業の強引なやり方は、韓国国民の反日感情を誘発している。ある大手企業の不正工作資金問題や、「韓国大鵬株式会社」の土地不正売買事件など我が国でも知れ渡つている。また、馬山輸出自由地域の労働条件は、日本と比しても著しく劣悪なものとなつており、労働基本権すら保障されていないといつても過言ではない。このことが韓国の国民全体の権利を圧迫する役割を果たすことは当然であり、このことに日本の企業が加担するという事態は、国際関係上由々しきことであると言わざるをえない。このことに対する政府の見解を問う。
また、一九七〇年四月、日韓協力委員会総会で日本側より韓国政府に対し、「合弁会社の労働争議を厳禁する等の措置」をとつてもらいたいと表明したというのは事実なのか。
三 韓国からのダンピング的逆輸入により、大阪府下の線材関連工場で、特に工場閉鎖、首切りが続出していることが構造不況の一因をなしている点をどうされるつもりか。また、日本の企業の韓国への資本投下や、逆輸入を規制する措置を早急にとるべきではないのか。
四 大阪府東大阪市の大鵬産業、杉本伸線、富士精線、石橋特殊線は、それぞれ韓国、滋賀、山口に別工場を建設し、また、日商岩井株式会社、三井物産株式会社が不当な支配介入をなして、企業閉鎖や首切りの紛争が起きている。政府としてその実態把握と処置をどのようにされるのか。そして、この二つの総合商社が特に争議件数や日韓疑惑の商行為が多いように判断できるが、政府はどのように指導されるつもりか、見解を承りたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
韓国からの日本の線材二次製品の輸入量は、次表のとおりであるが、企業別数量については、通関統計上企業ごとの統計分類がなされていないために不明である。
なお、御質問の我が国企業の海外進出の実態については、答弁を差し控えたい。
二について
(一) 韓国の馬山輸出自由地域における我が国進出企業の一部に、外国人土地法違反事件があつたとの報道があつたことは承知しているが、同輸出自由地域における我が国進出企業の活動が、全般的にいつて韓国国民の反日感情を誘発しているとは考えていない。
また、一般的に、海外における我が国進出企業の活動に関しては、当該企業が外国において活動している以上、労働条件を含め受入国の法令に従うことは当然であり、我が国政府として、これに直接関与し得る立場にないが、我が国の海外進出企業の活動が現地において問題とされ、我が国に対する誤解を生ずるような事態になることは好ましくないので、政府としても、必要に応じ、進出企業の親企業の指導等しかるべき措置を講ずるよう検討してまいりたい。
(二) 日韓協力委員会の活動に関して、御指摘のような事実があつたか否かは、承知していない。
三について
韓国からの線材二次製品の輸入量は、我が国の生産量に比較すると極めて少量であり、現在のところ、国内メーカーに重大な影響を与えているとは、考えられない。
我が国の線材二次製品の不況は、むしろ円高問題等による輸出の不振、国内需要の停滞等を主たる原因とするものと考えられる。このため、政府としては、線材二次製品製造業の不況の実態に応じ、円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法、雇用保険法、特定不況業種離職者臨時措置法等に基づく種々の対策を講じているところである。
なお、今後とも輸入の動向については、注視してまいりたい。
四について
(一) 大鵬産業株式会社及び株式会社杉本伸線圧延工業所については、既に会社が解散しているが、これらの会社の従業員のうち退職に応じていない者が、現在、大阪府地方労働委員会に不当労働行為の救済申立てを行つていると聞いている。また、富士精線株式会社については、昭和五十二年八月に和議開始の申立てがなされ、同年十二月に和議開始が決定され、昭和五十三年一月から同社は生産を再開しており、石橋特殊線工業株式会社については、昭和五十二年十二月に和議開始の申立てがなされ、昭和五十三年五月に和議開始が決定されたと聞いている。
なお、労使間の紛争は、当事者間の話合いにより解決されることが最も望ましいと考える。
また、政府としては、雇用対策について、三についてで述べたとおり種々の施策を実施しているところであり、今後とも適切に対処してまいる所存である。
(二) なお、総合商社の活動については、政府としては、総合商社が、自らの活動の影響するところの大きさを自覚し、関連企業・業界の立場を十分配慮する等により適正な行動をとることを期待するとともに、必要があれば所要の指導をしてまいる所存である。
右答弁する。
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