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核兵器積載艦船の我が国領海内通過をめぐる政府統一見解に関する質問主意書

衆議院 第75回 第2号

提出者
衆議院
提出日
1974年12月27日
内閣転送 1975年1月8日
答弁書受領日
1975年1月21日
提出から25日
答弁の項目数
2
質問 1,007字/答弁 1,023字

質問本文

衆議院議長 前尾繁三郎 殿

核兵器積載艦船の我が国領海内通過をめぐる政府統一見解に関する質問主意書

一 日米安保条約第六条の実施に関する交換公文中、「同軍隊の装備における重要な変更」について次の点に関する政府見解を明らかにされたい。

1 「装備の重要な変更」として事前協議の対象となる「同軍隊」とは、交換公文の文脈上、前段の「日本国へ配置deploymentされた合衆国軍隊」に限られるのではないか。

米国政府もそのように解釈しているのではないか。

2 日本に配置された米国軍隊のほかに、もし領海、領空一時通過、あるいは一時寄港、着陸の米国艦船、軍用機までも含めて、その「装備の重要な変更」が事前協議の対象になるという解釈ならば、この交換公文に関する限り、文脈上その解釈の根拠はどの文言に求めるべきか。

また、もしそのような解釈をとつているとすれば、その解釈は米国政府と相互に確認合意済みか。合意済みならば、その合意形式、年月日、場所、合意確認責任者を明らかにされたい。

二 四十九年十二月二十五日、参議院内閣委員会で示された核兵器積載艦船の我が国領海内通過をめぐる政府統一見解について次の点に関する政府の見解を明らかにされたい。

1 統一見解における「核のもちこみ」と日米安保条約第六条交換公文における「装備の重要な変更」とは完全に同意語か。

2 統一見解は「核のもちこみが行われる場合はすべて事前協議が行われる」としているが、この「核もちこみ」は常時核装備艦船の領海内一時通過や一時寄港までも含むのか。

3 統一見解は「常時核装備を有する外国軍艦による我が領海の通航は、領海条約第十四条4にいう無害通航とは認めず」というが、同条約第十四条4では「通航は沿岸国の平和、秩序または安全を害しない限り無害とされる」となつており、日本のこのような一方的主張が例外として国際的に認められる保障があるのか。

4 統一見解は米国政府と相互に確認合意されているのか。

5 事前協議の解釈について米国政府と再調整する考えがあるか。

6 国際海洋法会議で、将来領海が拡大されたときにも、この統一見解は堅持適用されるのか。

7 統一見解では、外国軍艦にも適用されることになるが、常時核兵器装備艦の米艦船以外の外国艦船に対しては、具体的にどういう方法で我が領海通航を拒むのか。その外交的折衝の方法手段を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

安保条約第六条の実施に関する交換公文中の「同軍隊の装備における重要な変更」にいう「同軍隊」とは、安保条約の適用を受ける合衆国軍隊を意味するものであつて、我が国に配置された合衆国軍隊に限定されるものではない。このことは交換公文の文脈上明白であつて、政府が現行安保条約の承認を求めた第三十四国会以来繰り返し明らかにしているところであり、この点につき米国政府より異議が提起されたことはない。

二について

1 安保条約第六条の実施に関する交換公文にいう「装備における重要な変更」とは、「核弾頭及び中・長距離ミサイルの持込み並びにそれらの基地の建設」をいうことが当時の交渉当事者である藤山外務大臣とマッカーサー米国大使の間で、口頭で了解されており、統一見解における「核の持込み」は「装備における重要な変更」に該当することはいうまでもない。

2 常時核装備を有する軍艦については、その我が領海通過や我が国への寄港は核の持込みに該当すると考えられる。

3 一般国際法上、特定の通航が無害通航に該当するか否かについては、領海条約に規定する一般的基準の枠内において、いかなる通航が無害であるかを認定する第一次的な判断は沿岸国にゆだねられていると解される。

4 統一見解第一項については前記3のとおりであり、また、同第二項については、事前協議の対象となる「装備における重要な変更」とは「核弾頭及び中・長距離ミサイルの持込み並びにそれらの基地の建設」をいうことが日米間で明確に了解されていることは、前記1のとおりであつて、第二項は、この了解の内容によつているものにほかならない。

以上のとおり、統一見解の内容は明確であつて、改めて米側と確認合意するという問題は生じないと考える。

5 事前協議の解釈に関して、改めて米国政府と再調整する考えはない。

6 海洋法会議における領海問題については、国際海峡の取扱いの問題等もあり、この問題に関する国際合意が行われる場合にそれがどのような内容のものとなるかが明らかとなつた段階で検討する所存である。

7 我が国としては常時核を搭載した外国軍艦の領海通航は無害通航に当たらないとの立場をとつているのであるから、かかる軍艦が我が領海を通航するに当たつては無害通航を認められず、したがつて我が国の通過許可を求めるべきものと考えられるところ、その場合、我が国としてはかかる軍艦の領海通航を拒否することとなろう。

右答弁する。

衆議院の原文

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