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南海電鉄の運賃値上げに係る泉北高速鉄道との運賃併算制度等に関する質問主意書
衆議院 第85回 第15号
質問本文
衆議院議長 保利 茂 殿
南海電鉄の運賃値上げに係る泉北高速鉄道との運賃併算制度等に関する質問主意書
大手私鉄の運賃の大幅一斉値上げが、すでに運輸大臣に申請され、現在審査中であるが、今回の値上げ申請は、不動産部門をふくむ全事業収支で黒字が出ていること、内部留保が巨額にのぼつていること、鉄道部門についても収支率が改善の傾向にあること、さらに引上げ率が春闘時の賃上げ率を超え、不況下の国民の生活を圧迫することなどから極めて不当なものである。
特に南海電鉄は、大阪府都市開発株式会社経営に係る泉北高速鉄道の運行を受託しているところであるが、右泉北高速鉄道は本年六月頃すでに平均二〇%を超える運賃値上げが認可されており、同鉄道の利用者の約八割は、南海電鉄を「通し利用」しているため、若し今回の南海電鉄の運賃値上げ申請が認可されれば、右併用乗客は年内に二度も運賃値上げの負担を余儀なくされ、生活上極めて大きな犠牲をうけることになる。
そのため、南海電鉄と泉北高速鉄道との通し運賃については、運賃併算制度が採用されているが、この運賃併算制度の問題点は、(一)泉北高速鉄道は運転、駅務、保安等すべての日常業務を南海電鉄に委託していることから実態は一本化しており、一般の相互乗入れとは大きく異なつている。にもかかわらず、両線利用者は初乗り運賃を二度払いする結果になつていること(二)泉北高速鉄道の定期の割引率が低いこと(三)南海電鉄は他の路線の旅客が減少しているのに泉北高速鉄道との「通し利用」の乗客のみ増加し経営に大きく寄与していること(四)「通し利用」の運賃併算「調整」制度として南海電鉄側が普通運賃に限つて一律十円の割引きを行つているが、前記諸事情からみて過少であること(五)「通し輸送」の場合、混雑度は朝のラッシュ時、一八〇%から二〇〇%にも達していることなどが指摘されている。
そのため、この制度の現状については、かねてより強い改善の声が上つているところである。
以上のとおり、大手私鉄運賃の大幅一斉値上げ自体認め難いところであるが、この際南海電鉄と泉北高速鉄道との現行運賃併算制度並びに両鉄道の乗客サービスの改善について次のとおり質問する。
一 南海電鉄と泉北高速鉄道の「通し利用者」に対して運賃計算上何らかの優遇措置を講じているかどうか。
二 南海電鉄と泉北高速鉄道との現行運賃併算制度について一律十円の割引きをさらに乗客に有利なように改善し、増額するかどうか。
三 現在普通運賃に限られている割引きを定期運賃にも拡大適用するかどうか。
四 第八十四回国会衆議院物価問題等に関する特別委員会(昭和五十三年三月二十八日)で、運輸省鉄道監督局の妹尾民営鉄道部長は、泉北高速の乗客サービス改善について六項目にわたつて行政指導を約束しているが、その後それぞれについて改善措置はどのようになされているか。未実施のものはいつ具体化するのか。また混雑率緩和の年次計画があれば明らかにされたい。
五 南海電鉄のサービス改善について、混雑率緩和計画、自転車置場設置計画、主要駅の便所改善計画等、あれば具体的に明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一から三までについて
南海電気鉄道株式会社(以下「南海電鉄」という。)の鉄道線と大阪府都市開発株式会社(以下「都市開発」という。)の泉北高速鉄道線とを通じて乗車する旅客については、現在、南海電鉄において、その普通旅客運賃の額を十円減じている。
また、南海電鉄は、昭和五十三年八月十二日に、運輸大臣に対し旅客運賃の変更認可を申請しているが、申請では、南海電鉄の鉄道線と都市開発の泉北高速鉄道線とを通じて乗車する旅客の普通旅客運賃について、現行に引き続き、その額を十円減ずることとなつている。
四について
都市開発において、サービスに関して、向上の計画があると聞いている。すなわち、車両の冷房化については昭和五十四年度に冷房車両を六両増備し、利用者に対する宣伝広告活動については今後とも広報紙の利用等により利用者への周知を図るとともにその理解を得るよう努め、終着駅である光明池駅におけるエスカレーターの設置については乗降客数の推移を踏まえた上適当な時期に設置し、駅における風よけの設置については現在泉北高速鉄道線の深井駅、泉ケ丘駅、栂・美木多駅及び光明池駅のホームに設けられている待合室に昭和五十三年十一月中に防寒用の扉等を設置する。
なお、栂・美木多駅におけるホーム監視用テレビの設置については、同駅のホームが直線であること等の理由により設置の必要がないため、当面その計画がないと聞いている。
また、泉北高速鉄道線における混雑の緩和を図るため、昭和五十四年度に、現在六両編成で運転されている準急列車を、混雑する時間帯には八両編成にする計画であると聞いている。
五について
南海電鉄の混雑の緩和については、南海線及び高野線の最も混雑する区間の最も混雑する一時間の混雑率につき、昭和五十二年度の百八十四パーセントを車両の増備により、昭和五十六年度には百八十パーセント程度とする計画であると聞いている。
また、自転車置場については、昭和五十三年度から昭和五十六年度までに新たに二十一か所設置する計画であり、便所の改善については昭和五十三年度から昭和五十六年度までに五駅の便所を増設し、又は改良する計画であると聞いている。
右答弁する。
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