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日米自動車問題に関する質問主意書

衆議院 第94回 第20号お答えすることは困難 ×1

提出者
衆議院
提出日
1981年3月26日
内閣転送 1981年3月28日
答弁書受領日
1981年4月7日
提出から12日
答弁の項目数
5
質問 1,817字/答弁 1,494字

質問本文

衆議院議長 福田 一 殿

日米自動車問題に関する質問主意書

日米自動車問題に関し政府としては、“自動車問題は米国内問題であつてもその窮状を配慮し政治・経済分離の原則に立つて自粛により鈴木首相訪米前に早期解決したい”との立場をとつているようであるが、これに関し、以下の点につき政府見解を伺いたい。

一 自粛論の展開は日本の国益にマイナスでないか。

1 米国側には日本車の台数制限は産業再生にメリットなし、との認識やさらには、米国経済への悪影響や国際通商戦争の誘発を憂慮する意見が強い。これは、米国有力閣僚や自動車問題タスクフォースメンバー間でも意見が真二つに対立していること、米国主要メディアの論調も自由貿易を唱道していること、さらに自動車業界すらも意見が分かれていること等によつて明らかであるが、このように米国側の対応策が未だ論議されている最中に、何故日本政府は自粛のシグナルを送り続けるのか。これは米国内の保護貿易主義者を利するだけであつて、自由貿易主義者を窮地に追いこみ、結局、日本側に解決を委ねるということで日本の国益にマイナスの結果を招くものでないか。

2 日本車に対するいかなる輸入規制も日米間の友好通商航海条約とGATTに違反するものであり、特にGATTセーフガード条項に該当する米国通商法二〇一条に関しては既にITCの裁定も下つており、米国側には輸入規制を合法的に発動する道は一切残されていない。しかも米国産車販売も回復してきており、そうした状況下で何故日本側が進んで自粛を言わねばならないのか疑問である。米国内問題の窮状を配慮するのは良いとしても、米国側の要求内容が明確になつていない段階から自粛を表明していては、日本側が窮状打開に協力していると受け取られず、戦術的にも極めてマイナスではないか。

二 台数制限は米国産業の救済となるか。

米国自動車産業の窮状は景気後退が主因であり、台数制限が救済とならないことについては米国有識者の意見も一致しているし、また、過去の英国の例をみても分かるとおり、一九七六年頃から日本車が急増しないようオーダリーマーケティングをとつてきたが、その間EC車輸入が増えるばかりで英国メーカーの救済とはならなかつたではないか。

台数制限要求は米国の総意と判断しているのであれば、それはどのような根拠に基づくのか、さらに台数制限が米国自動車産業に与える功罪をどのように評価されているのか伺いたい。

三 日本経済への悪影響をどう防くのか。

対米輸出が削減されれば、日本の自動車産業にかなりの損害を与えるばかりか、自動車産業が日本経済を支えている現状を考えるとマクロ面でも短期・長期の両面で国内の景気、雇用、国際収支、国家財政等に悪影響を及ばすことになるが、政府としてその影響度をどのように試算しているのか、また、その対策をどのように考えているのか具体的に説明頂きたい。

四 ECへの波及をどう防くのか。

日米独禁法との抵触を回避するためには対米輸出台数制限は法律を根拠に行うしか方法がないが、そうなれば当然ECも同様の措置を要求してくることは必至の情勢にある。それによつてさらに日本経済に悪影響が及ぶことになるが、この問題にどのように対処されるのか伺いたい。

五 首相訪米前に早期解決をはかるべきとする判断根拠は何か。

1 早期解決の理由の一つとして、米国議会で輸入制限法案が続出しこのまま放置すれば成立の可能性が高いことを挙げているが、議会でもこれから自由貿易派のロビング活動が活発化していく時に、日本側が自粛による早期解決を表明していては逆にそうした勢力の足を引つ張ることにならないか。

規制法案成立の可能性が高いとの判断であれば、議会並びに関係委員会メンバーの輸入規制に対する態度評価及び規制賛成派と反対派の勢力数分析の結果を明らかにして頂きたい。

2 さらに米国自動車産業は最近回復の兆しが見え、失業者数も昨秋の二十五万人から現在十八万人に減つてきているとのことであり、またクライスラーが倒産に至つたとしてもそれは日本車が原因でないとの認識は米国側にも十分浸透している。他方日本車の相次ぐ値上げは輸出減少要因と考えられるが、米国自動車産業を取り巻く環境がさらに悪化するとの判断であればその根拠を伺いたい。

3 上記以外にも早期解決を急く理由があればその根拠を示して頂きたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

1 いわゆる日米自動車問題については、先般のワシントンにおける伊東外務大臣とレーガン大統領を始めとする米側主要閣僚との一連の会談において、自由貿易の原則の維持を基本として、今後とも日米間で話合いを続けていくことが合意されたところである。

政府としては、この合意に基づき、米側に対し、米国自動車産業再建のための米側の国内措置等の説明のため、米政府関係者の来日を求める等、今後とも、米側と十分意見交換を行うとともに、自由貿易体制堅持のため十分な協力を図りつつ、本問題に適切に対応していくこととしている。

2 政府としては、自動車問題が米国内において困難な問題となつていることは十分理解するものであり、先般の伊東外務大臣の訪米の際、本問題に関して、日米両国政府が、今後とも話合いを続けることを確認した。本問題についての日本側としての具体的対応については、米側の国内措置等を見極めた上で検討することとしており、これまで米側に対して日本側の具体的な措置について表明したことはない。

二について

一般に、輸入車の台数制限が、米国自動車産業に及ばす影響については、米国の政府及び業界自身による再建措置、今後の米国の景気動向等種々の要素を考慮する必要があり、一概に評価することには困難がある。他方、米国議会では、米国自動車産業救済のために、日本車の輸入制限立法を制定すべしとの動きが高まりつつあることは事実であり、伊東外務大臣訪米の際米側より台数制限要求がなされたことはないが、政府としては米議会の動向も踏まえて適切に対応する必要があると考えている。

三について

対米自動車輸出が仮に減少した場合、それが国内自動車産業、更には日本経済全体に及ばす影響の程度は、対米輸出減少の度合いもさることながら、国内需要の動向等の諸条件が具体的にどうなるかによつても左右されるので、一概に論ずることは困難であるが、政府としては、我が国経済に与える影響にも十分配慮しつつ、いわゆる日米自動車問題への適切な対処を図つてまいりたい。

四について

いわゆる日米自動車問題については、先般のワシントンにおける伊東外務大臣とレーガン大統領を始めとする米側主要閣僚との一連の会談において、自由貿易の原則の維持を基本として、今後とも日米間で話合いを続けていくことが合意されたところである。

政府としては、今後とも、EC等他の諸国への影響にも配慮した上で、米側と十分意見交換を行い、本問題に対処していくこととしている。

五について

1 政府としては、自動車問題が長期化することにより日米経済関係、ひいては国際的な自由貿易秩序に悪影響が及ぶ事態とならないよう、日米間の話合いを緊密に行い早期に収拾を図ることが適当であると考えている。

なお、米国の議会においては自動車の輸入制限的動きが高まつているが、議員各々の具体的な動きについては米側内部の問題であり言及を差し控えたい。

2 米国自動車産業の回復の見通しについては、金利等を含む米国経済一般の動向、同産業の再建努力の動向等、種々の要素を総合的に判断する必要があり、一概に結論を下すことはできないが、同業界の業績悪化及び失業の長期化等により、米国の自動車産業、労組等には何らかの日本車輸入規制が必要であるとの声が高まつていると承知している。

3 自動車問題は、日米双方の国内において広く関心が持たれているが、事態をこのまま放置した場合、日米経済関係、ひいては国際的な自由貿易秩序への悪影響も懸念されるので、双方納得のできる形で早期に収拾を図ることが適当と考える。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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