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中学校英語教育の授業時数に関する質問主意書
衆議院 第94回 第41号
質問本文
衆議院議長 福田 一 殿
中学校英語教育の授業時数に関する質問主意書
文部省学習指導要領の改訂に伴い、中学校における外国語(英語)教育の標準授業時数が今年度から週三時間となつた。外国語(英語)は、文部省指導要領では「選択教科」とされているにもかかわらず、大学高校の受験科目に位置付けられており、一番差のつきやすい科目として受験生に苦渋を強いている科目でもある。更に、日常の授業においても、ついていけない生徒の多い教科となり、英語の補充学習のために塾に通う生徒が多いと言われている。
語学は本来、学習の初期において、できる限り毎日反復練習することがその習得のために不可欠であり、また、学習者の一学級当たりの人数も二十人程度が適当であると言われている。こうした点からも、中学校における外国語(英語)の標準授業時数が週三時間に減らされたことは、「四十人学級」化が十二年という長期計画となつていることと併せて、黙視できない問題である。静岡県やその他の県の例でも、「週三時間」授業は英語教育を効果的に進める上で、決定的に問題のあることが関係専門家の間で明らかにされている。
従つて、中学校の外国語(英語)授業の「週三時間化」問題に関連して、次の事項について質問する。
一 昭和五十六年度の各都道府県における公立中学校の外国語(英語)の履習授業時数の実態はどうなつているか。週三時間になつた学校数と全体の中での割合、また、週四時間教えている学年のある学校数と全体の中での割合について、各都道府県別に答えられたい。
更に、国立大学附属中学と私立中学校における外国語(英語)の履習授業時数の実態についても調査の上報告されたい。
二 外国語学習は、授業以外の学習環境が他の教科と比べても極めて少ないことに加え、学習初期においてはできるだけ毎日反復練習を必要とするものである。このような教科の独自性を考えた場合、なにゆえ中学校英語の授業時数を週三時間にしたのか問題のあるところである。今日、英語教育を一層充実させて欲しいとする期待が父母の間にも大きくなつており、中学校英語をなぜ週三時間にしたのか、その理由をできるだけ具体的に答えられたい。
三 文部省学習指導要領では、外国語は「標準週三時間」とされているが、このことは、すべての学校での外国語教育は三時間で行えという主旨なのか、明確にされたい。
教育課程編成については、各学校が創意工夫を生かして行うものとされている。ところが、学校において十分検討した結果、「週四時間英語を教える」ことに全校一致で結論をみたにもかかわらず、教育委員会からの強力な行政指導のために「週三時間にさせられた」という事例が少なくないと聞くが、それは文部省の行政措置によつてなのかどうか。事実であるとすれば、どのような根拠に基づいて行つているのか。かかる教育委員会の行政指導が教育課程編成の在り方からして正しいとみるのかどうか。正しくない、とすれば是正措置をとるのか。また、「各学校の創意工夫を生かした教育課程の編成」をいう以上、各学校の三時間にこだわらない教育課程編成を認めるのかどうか。各々について答えられたい。
四 中学校英語の授業時数は週三回になつたが、文部省指導要領で示した教育内容も精選して減らしたということである。ところが、中学校一年の場合をみると、実質上減つた文法事項は「比較」だけで、従来それに充てられていた時数は年間約十時間であり、週三時間になることによつて減つた時数が年問三十五時間となることを考え併せると、むしろ教育内容は増大していると言わざるをえない。これではますますついていけない生徒が増え、ひいては「非行」を増長させないとも限らない。このことについてどう考えるか、答えられたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
各中学校における外国語の授業時数については特に調査していないが、学校教育法施行規則において各学年百五時間を標準とすることを規定しており、各中学校においてはこれにより授業時数を定めているところである。
二について
中学校における外国語の授業時数については、学校教育法施行規則において従前から各学年百五時間を標準とすることを規定しており、今回の教育課程の基準の改訂においてもこれに変更を行つていない。
なお、従前においては、農業、工業等の選択教科に充てる授業時数を外国語の授業に充てることにより標準授業時数を超えて外国語の授業を行つていた中学校がみられたが、新教育課程においては、第一、第二学年において選択教科等に充てる授業時数を各学年百五時間に削減したことにより、また、第三学年において選択教科として新たに音楽、美術等を設け、これを履習させることにより、各学年において標準授業時数による外国語の授業が行われることとなると考えている。
三について
1 中学校における外国語の授業時数は、学校教育法施行規則において各学年百五時間を標準とすることを規定しており、各中学校においてはこれにより授業時数を定めるものである。
2 各中学校においては、法令及び中学校学習指導要領に示すところに従い、地域や学校の実態、生徒の心身の発達段階と特性を十分考慮して、適切な教育課程を編成することとなつている。
教育委員会としては、教育課程の編成が右に述べたところにより適切に行われるよう指導を行つているところである。
3 各中学校においては、創意工夫を加えた学習指導を展開することが大切ではあるが、法令及び中学校学習指導要領に示すところに従い、適切な教育課程を編成しなければならないものである。
四について
中学校における外国語の授業時数は、従前から各学年において百五時問を標準としており、中学校学習指導要領に示す内容はこれを踏まえて構成してきている。
なお、新中学校学習指導要領においては、基礎的、基本的事項を確実に身につけられるように教育内容を精選しており、これによつて生徒の学習負担の軽減を図つたところである。
右答弁する。
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