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小学校、中学校の大規模校(マンモス校)の解消に関する質問主意書

衆議院 第100回 第28号検討してまいりたい ×1

提出者
衆議院
提出日
1983年11月19日
内閣転送 1983年11月19日
答弁書受領日
1983年11月25日
提出から6日
答弁の項目数
5
質問 3,174字/答弁 881字

質問本文

衆議院議長 福田 一 殿

小学校、中学校の大規模校(マンモス校)の解消に関する質問主意書

学校は、子どもたちが学び、生活するもつとも重要な教育環境であり、学校教育施設は、子どもの安全が確保されるとともに、人間形成の場にふさわしく改善、整備されることが必要である。

小学校、中学校の大規模校(マンモス校)にみられる非教育的な学校施設の教育条件は、子どもたちの知的、道徳的、身体的な調和のとれたすこやかな発達を妨げるものとなつている。そのことは、文部省の「校内暴力発生状況に関する調査」(昭和五十八年四月)で、中学校における校内暴力の発生率は学校規模が大きいほど高くなつていることでも明らかである。学校規模について、瀬戸山文相は、「七、八百人ぐらいの学校が一番やりやすい」(一八学級で八一〇人)と国会答弁しているが、千名をこえる小学校、中学校が約六千校あるというのが、今日の実態である。

政府、教育行政当局は、今日の校内暴力、非行問題を深刻にうけとめ、かつ具体的対策をたてなければならないと考えるならば、まずなによりも大規模校の解消等教育条件整備の自らの責務をはたすべきである。そして、そのための抜本的な対策をたてるべきである。

大規模校の解消について、以下質問する。

一 大規模校における教職員は、児童の数が過大であるため、理科、音楽はじめ特別教室での授業、運動場、体育館でのクラブ活動や、学校行事、職員会議、学年会議での話し合い、災害時の避難など多くの教育活動上の困難、子どもの安全面からの不安を訴えている。

(一) 文部省の「小・中学校過大規模校についての調査」において、過大規模校は、�@施設�A学校運営�B教師相互、教師とこども等の人間関係において、どのような問題点があると市町村から報告されているか明らかにされたい。

(二) 義務教育の段階で、このように小学校、中学校での大規模校における教育条件の格差があることは、教育の機会均等という点からみても放置できないことではないか。

二 文部省は、生徒指導資料「生徒の健全育成をめぐる諸問題 ― 校内暴力を中心に ― 」(昭和五十七年三月)において、校内暴力防止の具体的対策として、�@教師間の協力体制の確立�A生徒理解を深め、個別指導を充実すること�B一人一人の生徒をいかす学級に改善する�C適切な情報の収集と処理を行うこと、等をあげている。

しかし、大規模校は、この子どもと教職員の人間的なふれあい、教職員相互の協力をすすめる点からも、きわめて障害となる教育環境となつている。

(一) 文部省初等中等教育局の「校内暴力発生状況に関する調査」によれば、児童・生徒急増六府県(埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県)の中学校における学校規模と校内暴力との関係が明らかにされている。中学校の学級数(一〜十一、十二〜十八、十九〜二十四、二十五〜三十、三十一〜三十六、三十七〜)と校内暴力(対教師暴力、生徒間暴力、器物損壊)の発生率との関係を表示されたい。

(二) 文部省は、この十月、「過大規模校」の小学校、中学校(千葉県と愛知県)における児童・生徒の運動能力、体力調査の結果を発表した。それによると、男子、女子ともに、「過大規模校」の児童・生徒は、五十メートル走、走り幅跳びなどの運動能力、踏み台昇降や前屈などの体力が、県の平均より劣つているという状況を明らかにしている。

「過大規模校」において、なぜ、子どもの運動能力、体力に差が生じたと考えるか。

「過大規模校」とそれ以外の小学校、中学校と比較した場合、子ども一人当りの校庭面積、体育館、プール等教育条件にどのような格差があるのか。

(三) 校内暴力、非行対策等の視点から、だれもが指摘するように非教育的な大規模校を解消することが必要ではないか。

このような大規模校の解消計画をすみやかにたて、抜本的な対策をとるべきではないか。

三 学校教育法施行規則(第十七条、第五十五条)では、学校規模は十二学級から十八学級を標準とし、義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令(第三条)では、「適正な学校規模の条件」として、「おおむね十二学級から十八学級まで」とし、学校統合の場合でも二十四学級までとしている。

また、文部省が、昭和三十二年に示した「学校統合の手びき」によると、学校の適正規模について、「二十五学級以上の大規模の学校については、校長、教員、児童、生徒が一つの社会集団としての有機的教育活動を営むことはむずかしく、したがつて、教育の徹底を期することは困難」であると述べ、「学校規模は、小、中学校ともにおおむね十二学級ないし、十八学級を標準とすべきである」と述べている。

(一) 二十五学級以上の小学校、中学校は、法令上、明らかに学校規模として不適切ではないか。また、文部省は、教育的配慮から、「適正な学校規模」はいかにあるべきと考えるか。

(二) 文部省がこの七月にまとめた「小・中学校過大規模校についての調査」も、十月の「過大規模校」の「運動能力・体力調査」も、ともに三十一学級以上の小学校、中学校を「過大規模校」として調査対象としたものである。

三十一学級を基準にした理由はなにか。明らかに「過大規模校」である二十五学級以上、三十学級の小学校、中学校は何校あるか。これらの学校を調査対象としなかつた理由はなにか。

(三) 二十五学級以上の「過大規模校」である小学校、中学校の総数は、昭和三十年三、三一五校、昭和四十年三、四九三校、昭和五十年四、七九一校、昭和五十五年五、八六六校、昭和五十八年(三月)六、〇一三校と著しく増大してきた。

政府、教育行政当局の大規模校解消対策の遅れは明らかである。教育条件整備の責務(教育基本法第十条)をもつ政府、教育行政当局として、大規模校解消対策が遅れた責任をどう考えるか。

四 文部省は、昭和五十九年度概算要求において、大規模校解消のための予算を提出している。しかし、その内容は三十一学級以上の小学校、中学校二、一四四校のうち、市町村で解消計画があり、用地未確保である二九七校分のみである。しかも、その解消は五ヵ年計画である。

(一) 政府は、この二九七校分の大規模校解消のための予算を承認するのか。

(二) 三十一学級以上の「過大規模校」である残りの一、八四七校は、いつまで、どのように解消させるのか。

(三) 文部省調査によれば、三十一学級以上の「過大規模校」であるにもかかわらず、用地、建物など基準以上にあるために分離による新設校建設を予定していない小学校、中学校が一四六校ある。この一四六校の解消はどうしてすすめるのか。

新たな補助基準を設けるのか。

(四) 三十一学級以上の小学校のうち、都道府県で解消計画があるとされる一、八三一校のうち、一、〇六〇校は「児童・生徒の減少により六十二年度(昭和)までに解消見込み」とされている。この結果、六十二年度まで、三十一学級以上はもちろん、二十五学級以上の「過大規模校」であつても放置されることになる。三十学級以下、二十五学級以上のものについても、市町村で解消計画がある場合、政府は必要な財政措置をとる考えはあるのか。

五 小学校、中学校の二十五学級以上の大規模校は、実態としても、きわめて非教育的な学校教育環境である。政府、文部省は、早急に二十五学級以上の「過大規模校」の実態調査を行うべきではないか。

それにもとづいて抜本的な解消計画をたてるべきと考えるがどうか。その際、これまで小規模校を適正化するとして新たな補助率を法律で設け、学校統合を誘導してきたように、新たな補助制度を大規模校の解消のために設けることが必要ではないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の調査においては、一般に児童・生徒一人当たりの校地面積が少なく、体育の授業やクラブ活動、学校行事等に好ましくない影響を与える傾向が見られること、全校的に教師と児童・生徒の触れ合い、教師相互の意思疎通、児童・生徒同士の交流が困難で、学校としての一体感が育ちにくいこと等が市町村から報告されている。このような問題点があるとすれば、教育上好ましくないものと考えている。

二について

(一) 学校規模別の校内暴力の発生校数については、現在集計中である。

(二) 児童・生徒の運動能力、体力については、種々の要因が影響を与えるものであり、一義的に論ずることはできない。

昭和五十七年五月一日現在の調査によると、三十一学級以上の小・中学校における児童・生徒一人当たりの校地面積及び屋内運動場の面積は、いずれも全国平均の約四十パーセントである。

(三) 学校規模の適正化を図るため、各市町村に対し、地域の実態に応じた大規模校の分離を促進するよう指導してまいりたい。

三について

(一) 小・中学校の学級数の標準については、学校教育法施行規則に定あられているが、同規則においては、特別の事情のあるときは例外が認められている。

(二) 各市町村が進めている学校分離の実態を踏まえて、三十一学級以上の学校について調査したものである。

二十五学級以上三十学級以下の学校数は、昭和五十七年五月一日現在、小学校二千七百三十校、中学校九百八十四校である。

(三) 学校規模の適正化については、従来から努力してきたところであり、ここ数年、三十一学級以上の小・中学校の数は減少している。

四について

各市町村においては、地域の実態に応じた大規模校の分離に鋭意努力しており、国としても必要な措置を講じてきたところである。

昭和五十九年度概算要求に係る事項については、現在、予算の編成を進めており、その過程で検討しているところである。

五について

学校規模の適正化のための学校の分離に対しては、従来から必要な措置を講じてきており、現在、御指摘の調査を行う考えはない。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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