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母子寮の施設並びに管理運営の改善に関する質問主意書

衆議院 第98回 第11号

提出者
衆議院
提出日
1983年3月8日
内閣転送 1983年3月9日
答弁書受領日
1983年3月15日
提出から7日
答弁の項目数
2
質問 1,488字/答弁 638字

質問本文

衆議院議長 福田 一 殿

母子寮の施設並びに管理運営の改善に関する質問主意書

母子寮は児童福祉法による措置を受けた母子を入所させて保護する施設であり、一九八二年九月一日現在、全国で三百五十八ヵ所に五千三百三十八世帯が入所しています。近年、離婚やサラ金被害、夫の暴力その他の原因で生き別れの母子世帯が増え、母子寮の役割が見直されてきています。

ところが母子寮は、施設が極めて貧弱な水準に置かれており、さらに各世帯が母子室に電話を架設することが認められなかつたり、厳しい門限制がとられるなど、憲法でうたわれている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が十分保障されていない面があります。

母子寮が、今日の生活水準、意識水準に合致したものとして、増加する需要にこたえうる内容に改善されるよう、以下について質問します。

一 母子寮についての国の基準である「児童福祉施設最低基準」(厚生省令)によれば、個別の便所、炊事場を認めていないのはもちろん、母子室の広さは一人当たり二・四七平方メートル、「母子二人で三畳間」でよいということになつています(第四十一条)。困難を抱えた母子世帯が急増しているにもかかわらず、母子寮の充足率が低いのは、こうした施設の非人間的な劣悪さが原因となつていることは明らかです。

一九七六年三月の厚生科学研究報告、いわゆる副田レポートでも、「母子寮の物的、人的条件を国民生活の一般的水準まで引き上げ、母子寮を必要とする母子家庭はすべて母子寮を利用することができるようにしなければならない」と述べております。

1 終戦直後そのままというこの最低基準を、速やかに改正すべきではありませんか。

2 全国的に半数以上を占める老朽施設の改築を早期に行うことが必要です。国は責任をもつてその計画を立てるべきではありませんか。

3 母子寮の生活指導員(寮母)、保母、少年指導員など、必要な職員の未配置をなくすよう手だてを講ずべきではありませんか。

4 母子寮を現代的ニーズにこたえられるような姿に改善するとともに、母子寮が広く活用されるよう、その役割、必要性について正しい理解を広げる啓蒙、宣伝等を強めるべきだと思いますが、政府の見解を伺います。

二 入所者の処遇についても急いで改善を図ることが必要です。厚生省では、これまで母子寮の母子室への電話の架設は認めないとの指導をしていますが、電話は今日では生活必需品であり、生活保護世帯でも架設が認められています。在寮の母親の八六パーセントは何らかの職業をもつて自立の道を追求しており、日常の利便にとつても、社会にひらかれた母子寮を築いていくうえでも、プライバシーの保護の面からも電話の必要度は高いものがあります。このほか、午後十時の門限など、日常生活上の厳しい制約も多いというのが実情です。

一部には、サラ金被害などで自ら外部との連絡を一時しや断することを望む場合や、特別に保護を要することもありますが、そうした特別な事例を除いては、施設の利用上、不当な制約を加えることは正しくありません。

1 入所母子世帯が自らの負担で個別に電話を架設することを制限するのは何の根拠もありません。これを認めるべきではありませんか。

2 門限などについても、社会一般とのバランスを考え、入所者の意向を尊重して改めるべきではありませんか。

3 こうした改善を図ることこそ、最低基準第四十五条の「母子寮における生活指導は……私生活を尊重してこれを行わなければならない。」という趣旨に合致するものと思いますが、政府の見解を伺います。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

1 児童福祉施設最低基準は、児童福祉施設が守るべき最低限の設備及び運営の水準を規定したものであり、その水準を超えて設備及び運営の向上を図るよう努めているところである。特に、母子寮の面積については、御指摘の厚生科学研究報告等を参考として、昭和五十二年度に施設整備に関する国庫補助基準面積を大幅に拡大したところである。

2 老朽母子寮の改築については、従来から必要なものについて助成してきているところであり、今後ともその実態を勘案して、都道府県等と十分協議し助成してまいりたい。

3 必要な職員の配置については、従来からあらゆる機会をとらえ、都道府県、母子寮設置者等関係者の指導等を行つてきたところであるが、今後ともこれら指導等を通じ必要な職員配置に努力してまいりたい。

4 母子寮については、時代の変化に対応し、その設備、運営の向上等に努めているところである。

また、母子寮の活用について国民の理解が一層深まるよう、今後とも各種広報活動等の充実に努めることとしている。

二について

母子寮は、都道府県知事等の措置により保護を要する母子世帯を入所させ、その社会的自立を援助する児童福祉施設である。母子寮においては、入所世帯に応じた保護、生活指導等が共同生活の場を通じて行われることとなる。入所者の私生活が尊重されなければならないことは言うまでもないが、このような母子寮の性格上、管理面における一般的な制約を伴うことがあるのもやむを得ないものと考えている。

右答弁する。

衆議院の原文

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