Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第95回

武器輸出と日米軍事技術協力等に関する質問主意書

衆議院 第95回 第10号検討してまいりたい ×1

提出者
衆議院
提出日
1981年11月12日
内閣転送 1981年11月14日
答弁書受領日
1981年11月27日
提出から15日
答弁の項目数
13
質問 2,471字/答弁 2,204字

質問本文

衆議院議長 福田 一 殿

武器輸出と日米軍事技術協力等に関する質問主意書

武器の日米共同開発・生産及び日本の軍事技術の対米供与問題について、すでに日米政府部内で検討されていると報ぜられている。

そこで、この問題と日米相互防衛援助協定、武器輸出に関する政府の統一見解及び国会における決議等との関係について、政府の答弁を求める。

一 武器の日米共同開発・生産及び日米軍事問題は、「いつ」、「どこで」、「だれとだれとの間」で「どちら側」から「どのような内容」の話合いがなされたか、明らかにせよ。

二 軍事技術対米供与問題に関し、防衛庁和田装備局長は、九月訪米し、デラワー国防次官と会談した。訪米する前、この問題で「事務的に関係各省庁と打ち合せを行つた」との国会答弁がなされているが、どの省庁とどのような内容の打ち合せを行つたか、明らかにせよ。

三 外務省松田北米局審議官は、「(武器輸出三原則について)米国との関係は、その他の国と異なつた別の法的、条約的側面がある。すなわち、安保条約に基づく地位協定、また日米相互防衛援助協定によつて、日米相互に武器関連の援助を行い合う規定がある」と国会で述べているが、この答弁を見る限り、武器輸出三原則の適用に関して、米国は他の諸国とおのずから異なると政府は解しているのか。

四 日米相互防衛援助協定(以下「協定」という。)第一条において、「装備、資材、役務その他の援助を………使用に供するものとする。」とあるが、米国側から日本に対し、具体的な軍事技術名を挙げ要求してきたとしても、協定上それに応じなければならない義務は生じず、あくまでも応ずるかどうかは、政府の高度な政治判断に外ならない。

一方、武器輸出三原則は、佐藤内閣以来歴代内閣の政策であり、第九十四回国会においても武器輸出問題等に関する決議が行われた。その意味から武器輸出三原則は、国民世論に支持された重要な基本的な政策ということが言える。

そうであるなら、米国に軍事技術を輸出するかどうかの政府判断は、国是たる武器輸出三原則が優先するのが当然だと考えるが、政府は、米国に対して軍事技術供与を含む武器輸出を行う意向があるのか、政府の見解を明らかにせよ。

五 最近の報道によれば、「対米武器輸出」に関する政府見解案なるものが伝えられている。

それによれば、日米安保条約第三条に基づき対米武器輸出は可能であるとしている。しかし、この第三条の由来はバンデンバーグ決議にあり、安保条約審議の際も、この条項で具体的な義務を負うものでなく、あくまでも我が国の自主的判断で決定するものであるとされていた。

この条項は、あくまでも「憲法上の規定に従うことを条件として」武力攻撃に抵抗する能力の維持発展を述べたものであり、この第三条に基づき武器を輸出する場合も政府の政治的判断によるものであり、武器を輸出する条約上の権利義務は生じないと思うがどうか、政府の見解を述べよ。

六 従来政府は、武器輸出については三原則統一見解、国会決議は適用されると答弁しているが、前記の「政府見解案」なるものによれば、「(米国への)武器輸出は、そもそも三原則・統一方針が取り扱つている武器輸出とは次元の異なる(枠外の)ものである。」と述べられている。武器輸出に米国向けとその他向けと分けられているとすれば、米国に関する限り、武器輸出三原則並びに統一見解は適用しないと考えるのか、見解を明らかにせよ。

七 協定に基づき一九六三年十一月十四日、大平外相とライシャワー駐日米大使との間で「防衛目的のための技術的資料及び情報の交換に関する書簡」が取り交わされ、協定第一条第一項にいう「細目取極」が米国防総省と防衛庁間で同年十一月十五日結ばれている。その取極本文及び附属書の内容を明らかにされたい。

八 すでに附属書には、日米両当事者間で合意した具体的な武器又は軍事技術が記載されていると思われるが、それを米国に輸出する場合、武器輸出三原則に抵触しないのか。また、過去、協定に基づいて米国に武器を輸出した例はあるのか。あるとするならその数量、金額、種類及び企業名を明示せよ。

九 汎用技術であつても軍事転用可能であり、明らかに武器の用途に供する目的を持つたものであれば、当然武器輸出三原則にいう武器の範ちゆうに入ると解すべきと思うが、政府の見解を明らかにせよ。

十 地位協定第十二条において、在日米軍は資材、需品、備品及び役務を調達することができると記されている。この調達は、条約上の権利義務関係が生ずるのかどうか、外務省の解釈を明示せよ。

十一 外務省北米局浅尾局長は、「在日米軍の武器調達は、昭和三十六年以降ない」と国会で述べているが、昭和三十六年以前の調達の数量、金額、種類及び企業名を明示せよ。

十二 防衛庁が独自に開発した軍事技術はあるのか。あるとするならその種類を列挙せよ。

十三 高速演算素子(VHSIC)、低損失光通信用ファイバーなど日本の先端技術は、民間企業が開発したものであり、民間企業に対し対米供与を要請することができるのか。もしできるとするならその法的根拠を明示せよ。

十四 昭和五十一年の武器輸出三原則の政府統一見解によれば、「三原則対象地域以外の地域については、憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのつとり、武器の輸出を慎むものとする。」とある。「慎む」とはどのようなことか、政府の見解を明らかにされたい。

この「慎む」地域としては、米国、中国及び韓国をも当然含むものと解釈してよいか。

十五 堀田ハガネ事件について、政府は輸出貿易管理令違反であると国会で答弁しているが、神戸地検において不起訴処分にされた。

このことは、武器半製品輸出を現行の貿管令違反で起訴することが困難であることが証明され、今後、武器半製品の輸出が多くなる恐れがある。このため、輸出貿易管理令を改正し、この種の輸出を厳格に規制すべきであると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

本年六月大村防衛庁長官が訪米し、デラウアー米国防次官と会談した際、同次官から、防衛技術の日米間の交流を推進することを希望する旨の一般的希望が表明され、また、このような交流は米国の防衛技術の対日輸出を従来どおり円滑に行うという見地からも重要であると考える旨の発言があつた。これに対し、大村長官から、武器輸出に関する日本の政策や現状について説明するとともに、米側の希望は持ち帰り政府部内で検討してみたい旨述べた。

また、本年九月防衛庁和田装備局長が訪米した際、同次官と会談し、同次官から共同研究・開発を含め防衛技術の交流の推進について、一般的な希望が表明されたが、同局長から防衛技術の交流の問題については、目下関係省庁において検討中である旨伝えた。

二について

防衛技術の日米間の交流の問題については、防衛庁と外務省及び通商産業省との間で意見交換が行われてきており、大村防衛庁長官の訪米後における閣議での報告を受けて防衛庁と外務省及び通商産業省との問で日米安保条約等との関連等について意見交換を行つたところである。御指摘の国会答弁は、この間の経緯を述べたものである。

三、四及び六について

政府としては、基本的には、米国についても武器輸出三原則及び昭和五十一年二月二十七日の武器輸出に関する政府方針に基づき対処する考えである。ただし、対米関係については、日米安保条約等との関連もあるので、目下この点につき関係省庁で検討を行つているところであり、結論が出ているわけではない。

五について

御指摘の政府見解案とは、本年十一月十一日に日本経済新聞において報じられたものを指していると考えるが、このいわゆる政府見解案とは、政府の事務レベルにおける検討の過程の中で出てきた考え方の中の一つにすぎない。

なお、御指摘の点も含めて、三、四及び六についてにおいて述べたとおり、関係省庁において目下検討を行つているところである。

七について

昭和三十七年十一月十四日に行われた防衛目的のための技術的資料及び情報の交換に関する書簡の交換は、日米相互防衛援助協定第一条第一項の細目取極に該当し、御指摘の米国防省と防衛庁との間の取極は、同細目取極に基づく当局間の取極である。当局間の取極本文及び附属書は、米当局との間で公表しないこととしているので、明らかにすることは差し控えたいが、取極本文においては、対象とする技術資料の範囲、関係する機関及び当局、連絡方法、秘密保全規定等の通則について規定し、附属書においては、日米両当事者間で合意した研究開発項目の個々具体的な交換技術資料の件名、範囲及び秘密区分、関係する機関及び当局等について規定している。

八について

七についてにおいて述べた当局間の取極の取極本文及び附属書に基づき、防衛庁より米国に対し、武器又は武器の製造等に係る技術が供与されたことはない。また、日米相互防衛援助協定に基づき、我が国から米国に対する援助の供与として武器を輸出した例はない。

九について

外国為替及び外国貿易管理法に基づく武器の製造等に係る技術の提供に関する規制については、その技術の内容から見て、専ら武器の製造等に係る技術と客観的に判断できるものを対象とすることが規制の公正さ及び実効性の観点から合理的であると考える。

十について

我が国が、在日米軍による我が国における調達について、地位協定第十二条の規定に反する制限を行つてはならないことは当然である。

十一について

在日米軍による昭和三十六年以前の武器調達の数量、金額、種類及び企業名は、関係文書が残存していないため不明である。

十二について

防衛庁においては、諸外国の技術の動向に対応し得るよう装備の質的な充実向上に配意し、我が国の国土、国情に適したものを自ら整えるべく糧食から航空機、戦車等に至る広い範囲にわたつて装備の自主的な研究開発に努めてきた。現在までに研究開発を完了した主要な装備品等としては、超音速高等練習機(T ― 2)、80式空対艦誘導弾、74式戦車等があり、これらの装備品等の製造等に係る技術は主として防衛庁が開発したものである。

十三について

三、四及び六についてにおいて述べたとおり、防衛技術の対米供与の問題について、関係省庁において目下検討を行つているところである。したがつて、民間企業の保有する技術の対米供与を要請する等の具体的問題については、検討していない。

十四について

「慎む」とは、慎重に対処するという政府の消極的な態度を表明したものである。

また、「慎む」ものとされている地域は、武器輸出三原則対象地域以外の地域であるが、武器輸出三原則対象地域を具体的に列挙することは、外交上の問題等もあつて、従来から差し控えているところであり、したがつて武器輸出三原則対象地域以外の地域についても具体的に述べることは差し控えたい。

十五について

輸出貿易管理令では、同令別表第一の第一九七の項から第二〇五の項までにおいて昭和五十一年二月二十七日の武器輸出に関する政府統一見解の中で定義している「武器」のすべてを輸出承認の対象としており、また、最終製品に至らない未完成品であつても、右各項に掲げられている貨物に該当する限り輸出承認の対象となつていることから、輸出貿易管理令の改正は要しないものと考えている。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1981年12月24日 横山利秋 外三名 答弁 1982年1月19日
衆議院 第96回 第1号
提出 1982年5月22日 黒柳 明 答弁 1982年6月1日
参議院 第96回 第16号
提出 1980年12月23日 井上一成 答弁 1980年12月26日
衆議院 第94回 第3号
提出 1982年1月13日 草川昭三 答弁 1982年1月22日
衆議院 第96回 第2号
提出 1983年11月2日 野間友一 答弁 1983年11月11日
衆議院 第100回 第14号
提出 1983年1月14日 黒柳 明 答弁 1983年1月25日
参議院 第98回 第1号
提出 1980年10月7日 稲葉誠一 答弁 1980年10月28日
衆議院 第93回 第6号
提出 1989年5月17日 丸谷 金保 答弁 1989年6月6日
参議院 第114回 第13号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる