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軍事技術の対米提供に関する質問

参議院 第98回 第1号

提出者
参議院
提出日
1983年1月14日
内閣転送 1983年1月19日
答弁書受領日
1983年1月25日
提出から11日
答弁の項目数
3
質問 757字/答弁 612字

質問本文

軍事技術の対米提供に関する質問主意書

政府は、中曽根内閣総理大臣の訪米を前に、鈴木前内閣以来の懸案となつていた軍事技術の対米提供問題について、政府基本見解を発表した。

この問題は、昭和四十二年四月の武器輸出三原則及び昭和五十一年二月の政府方針に照らし重大な問題であるので、以下数点について質問する。

一 今回の基本見解によると、アメリカが紛争当事国になつた場合にも武器軍事技術の輸出を行うことが可能となる。これは、従来すべての紛争当事国を対象にしてきた武器輸出三原則の「政府は紛争当事国へはわが国からの武器輸出は禁止する」との文言を破るものであるが、その認識はあるのか。

二 鈴木前内閣においては、前項につき、アメリカが紛争当事国になつたら新規提供を拒否して、武器輸出三原則を守る立場であつたはずである。この考え方は、国連憲章の下で、安保条約を履行し武器輸出三原則を遵守して行く場合の矛盾のない選択の一つであつたと思うがどうか。この考え方をどう評価するか。この考え方を否定し変更した理由を明らかにされたい。

三 アメリカに対して、武器軍事技術輸出をしても「紛争の助長」にはならないから紛争当事国でも武器輸出三原則上、支障ないとの考えかどうか明らかにされたい。

四 アメリカに対する武器等の実際の輸出については、アメリカ側の武器の輸出入業者と国内企業との契約は今後、全面的に許可されることになるのか。その場合、世界のいたるところの紛争地域にメイド・イン・ジャパンの兵器が出回ることも理論的には考えられると思うがどうか。そうしないための歯止めは何があるか。

五 アメリカから輸出要請のあるものは、国内の企業の企業秘密に属するものがあり得ると思う。その場合、政府は対米協力のために如何なる対応策をとるのか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一、三及び四について

今回の政府の決定は、日米間の防衛分野における技術の相互交流を図ることが日米安保体制の効果的運用を確保する上で極めて重要となつていることにかんがみ、その相互交流の一環として米国に武器技術(その供与を実効あらしめるため必要な物品であつて武器に該当するものを含む。)を供与する途を開くこととし、その供与に当たつては、武器輸出三原則(昭和五十一年二月二十七日の武器輸出に関する政府方針等を含む。以下同じ。)によらないこととしたものである。

政府は、具体的事例に即して適当と自主的に判断したものについて日米相互防衛援助協定の関連規定に基づく枠組みの下で供与を認めることとしており、米国から要請があつたもののすべてについて供与を認めるというものではない。また、同協定第一条は、同協定に基づいて供与される援助につき国連憲章と矛盾する使用の禁止、供与国の同意なく第三国へ移転することの禁止等を定めているので、本件供与を同協定の枠組みの下で行うことにより、国際紛争等を助長することを回避するという武器輸出三原則のよつて立つ平和国家としての基本理念は確保されることとなる。

二について

本件については、政府部内で慎重に検討を重ねてきた結果、去る一月十四日に政府として結論を得るに至り、それを内閣官房長官談話の形で発表したところである。

五について

民間企業に対しその保有する技術の対米供与を義務付けることは、考えていない。

参議院の原文

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