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沖縄電力の民営移行に関する質問主意書

衆議院 第98回 第3号

提出者
衆議院
提出日
1983年1月20日
内閣転送 1983年1月22日
答弁書受領日
1983年1月28日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 1,930字/答弁 1,126字

質問本文

衆議院議長 福田 一 殿

沖縄電力の民営移行に関する質問主意書

沖縄県は復帰十年を経過しても、なお依然として全国の二〜三倍という高い失業率を記録し、一人当たりの県民所得が全国の六九パーセント、東京都の半分以下と極端に低く、企業倒産も高水準で推移している。

県民生活と県経済は、極めて厳しい状況にある。

この現状を打開するために、第二次沖縄振興開発計画に基づき特別の対策を講ずることが強く求められている。

その焦点の一つは電力問題である。

沖縄電力の民営移行について、政府は、昭和五十四年十二月二十八日の閣議で「昭和五十六年度末をメドに民営移行する」との決定をしたが、実施することはできなかつた。これは、沖縄県経済が深刻な事態にある下での民営移行が、県民生活と県経済をより困難にし、混乱を招くものになるのではないか、との県民の強い疑問に政府がまともに答えることができなかつたからである。

通産省資源エネルギー庁長官の私的諮問機関である沖縄電力事業協会(瀬長浩会長)でさえ、昭和五十六年八月二十五日、「沖縄電力の民営移行に係る中間報告の見直しについて」と題する報告で、沖縄電力の経営基盤確立について「十分な措置が講じられないまま民営移行だけを急ぐことは適切でない」と指摘している。

今もその状況は依然として変わつていない。

にもかかわらず、政府が、また昭和五十六年十二月二十八日の閣議で「沖縄電力株式会社については、沖縄の実態に配慮しつつ、他の一般電力事業者の協力の下に、早期に民営移行することとし、そのため、政府は、諸般の措置を講ずる」との了解をしたのは言語道断である。

県民生活と県経済に重大な影響を及ぼす沖縄電力の民営移行問題に関し、次の諸点について政府の見解を求める。

一 昭和五十六年十二月二十八日の閣議了解には「他の一般電力事業者の協力の下に早期に民営移行する」とあるが、具体的にどういう形態を考えているのか。

また、政府が「そのために諸般の措置を講ずる」とあるが、それはどういう措置か、明らかにされたい。

二 第二次沖縄振興開発計画で、最重要課題の一つとして位置付けられている産業振興にとつて、また、気候、地理的条件によつて本土に比べ家庭の電気の使用量が多い県民生活にとつては、電気の低廉で安定的な供給が不可欠の条件となつている。

しかるに、沖縄電力は復帰後五回の電力料金の値上げを実施してきた。昭和五十五年には「原油価格の値上げ」、「設備投資」による経費の増大を理由として、同年二月、四二・四パーセント、十月に一九・一八パーセントの大幅値上げを連続して行つた。

今日では、沖縄電力は他の九電力の平均電気料金二十四円(一キロワット)に対し、二十七円と割高になつている。しだいに本土との料金格差が拡大する様相さえ呈している。

1 第二次沖縄振興開発計画に基づくならば、本来、電気料金は本土よりも低くなければならないはずである。それが逆に高くなつている実態について、どういう認識を持つているのか。

2 沖縄県における電気料金水準は、本土並み以下に抑えるのは政府の責務と考えるが、どうか。

三 沖縄振興開発特別措置法第二十九条は、国及び地方公共団体が「沖縄における電気の安定的かつ適正な供給の確保に特に寄与すると認められるものの整備につき、必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。」と規定している。

政府は低廉で安定的な電気の供給を確保するために、この法律に基づきこれまでいかなる措置をとつてきたのか。

また、本法の活用を含め、今後どのような対策を講ずるのか明らかにされたい。

四 沖縄電力事業協会の瀬長会長は、昭和五十七年十二月二十七日、民営移行に関する中間報告をまとめた際の記者会見で、「民営移行の前提条件は、本土並み料金を維持することである」という趣旨の発言をしている。

政府は、この立場を認めるか。

それを認めるならば、民営移行せずに現在の体制、つまり特殊法人企業の下で少なくとも本土並み料金水準を確保すべきではないのか。なぜそれができないのか。

政府は、このための対策を講ずべきと考えるが、それを示されたい。

五 沖縄県民は平和で豊かな基地のない沖縄の復興を求めている。

国の責任を放棄した沖縄電力の民営移行については、今まで以上に高い電気料金を課せられる可能性があるとして反対している。

政府は、民営移行を言うまえに、第二次沖縄振興開発計画、そして沖縄振興開発特別措置法に基づき、低廉で安定的な電気の供給を確保するために十分な施策を講ずることが県民の意思にこたえることではないのか。

重ねて、政府の見解を求めるものである。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

沖縄電力株式会社の民営移行の具体的な形態については、沖縄県において、沖縄電気事業協議会等の場で検討されているところであるが、現時点においては、最終的な検討結果がまとまつているわけではない。

政府としては、このような沖縄県における検討結果、関係者の意向等を踏まえ、民営移行の具体的な形態について調整していくこととしている。

また、政府としては、既に三についてにおいて述べるような措置を講じているところであるが、今後講ずる措置については、民営移行の具体的な形態についての調整状況を踏まえつつ考えることといたしたい。

二について

1 電気料金は、電気事業法第十九条第二項の規定に基づき、原価主義の原則に立つて定めることとなつており、沖縄電力株式会社の電気料金についても、同原則に基づき定められているところである。

2 政府としては、沖縄県において、安定的かつ適正に電気の供給を行うことが重要であることにかんがみ、沖縄電力株式会社の一層の経営努力を期待するとともに、現在種々の措置を講じ、沖縄における電気の供給コストの引下げに努めているところである。

三について

沖縄における電気の安定的かつ適正な供給の確保のため、政府が講じている主な措置は、次に掲げるとおりである。

ア 沖縄振興開発金融公庫による沖縄電力株式会社に対する長期特利融資

イ 沖縄電力株式会社が行う電気供給業に対する事業税の軽減等の税制上の優遇措置

ウ 電源開発株式会社が沖縄県石川市で建設を進めている石炭火力発電設備の建設費に対する補助

また、今後政府が講ずる措置については、沖縄電力株式会社の民営移行の具体的な形態についての調整状況を踏まえつつ考えることといたしたい。

四について

政府としては、沖縄県において、「民営移行の前提条件は、本土並み料金を維持することである。」という趣旨の意見があることは承知しているが、その点も含め、今後沖縄電力株式会社の民営移行をどのように進めていくかについては、一についてにおいて述べたように、沖縄県における検討結果、関係者の意向等を踏まえ、調整していくこととしている。

いずれにしても、政府としては、電気事業については、効率的かつ弾力的運営を図る見地から、民営により行うことが望ましいと考えているところである。このため、沖縄電力株式会社についても、早期に民営移行する旨昭和五十六年十二月二十八日に閣議了解した次第であり、この方針に変更はない。

五について

政府としては、沖縄における電気の安定的かつ適正な供給の確保が沖縄の振興開発のために重要であるとの観点から、三についてにおいて述べたように種々の措置を講じているところである。

右答弁する。

衆議院の原文

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