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食生活安定に関する質問主意書

参議院 第1回 第1号

提出者
参議院
提出日
1947年6月6日
内閣転送 1947年6月23日
答弁書受領日
1947年6月28日
提出から22日
答弁の項目数
0
質問 1,407字/答弁 1,051字

質問本文

食生活ニ関スル質問主意書

国民大衆ノ生活安定ハ国家再建ノ第一要義デアル、中ニ就キ食生活ヲ安定セシムルコトハ「インフレーシヨン」ノ禍ヲ免レシムル端緒デアリ今日ノ緊急要務デアル、之ガ為メニハ従来ノ供出配給ノ不成績ヲ改善セネバナラヌ事ハ申スマデモナイ

就テハ今日当面ノ急ニ応ズベキ食生活安定ノ緊急方策トシテハ、綜合経済政策ノ確立遂行ヲ竢タズ、先以テ主食糧並ニ副食糧ニ付テ之ヲ実行スベキデアル、即チ

一、主食糧タル米穀ニ付テモ副食糧タル蔬菜魚介等ニ付テモ、政府ハ其生産費ヲ低減セシムルニ努メ、生産材料等ニ関スル実情ヲモ斟酌シテ生産費ヲ算定シ、加フルニ生産者ヲシテ相当ノ利益ヲ得セシムルヲ旨トシ、生産者生産組合ガ之ヲ諒トシ責任ヲ以テ供出ニ努力スル程度ノ適当ナル供出価格ヲ公定スルコト

二、更ニ供出配給ニ関スル中間的費用ハ適度ニ之ヲ限定シテ配給価格ヲ公定スルコト

三、各地ノ自由市場(常置店舖ヲ含ム以下同ジ)ニ於ケル副食糧ノ販売ヲ公認スルトセバ、前段ノ配給価格ニ準ジテ公定価格ヲ定メ、之ヲ店頭ニ掲示シ厳守セシムルコト

各地ノ自由市場ノ地区ヲ管轄スル駐在所詰ノ警察官ヲシテ毎日市場ヲ巡視セシメ違反ナキ様厳重ニ取締リヲ為サシメ且ツ臨時ニ上級警察官ヲシテ巡検セシメ違反者ニ対シテハ営業ヲ禁止シ重刑ヲ科スル等強力ナル制裁ヲ加フルコト

四、副食糧タル蔬菜魚介等ノ供出並ニ自由市場ニ於ケル其販売ガ正当ノ規制ヲ践ムノ一般常習ヲ馴致スルニ至ラバ、事宜ニ応ジ漸次公定価格ヲ引下グルコト

五、主食糧並ニ副食糧トモ闇買出シ闇持出シヲ厳禁シ、間断ナク徹底的ニ常時検察ヲ行ヒ、全ク買出シ持出シヲ為スノ間隙ナカラシムルヲ旨トシ、若シ違反アルトキハ闇物資ヲ没収シ重刑ヲ科シ、一般ヲシテ慄然トシテ恐レヲ為シ自然犯意ヲ根絶スルニ至ラシムルコト

六、食糧ニ附帯スル調味料薪炭等ニ付テモ亦以上ニ準ズルコト

七、警察官ノ不足ニ付テハ増員ヲ為シ、待遇ヲ改善シテ良質者ヲ採用スルト共ニ現任者ノ品格向上ヲ図ルコト

以上ノ如クセバ一方ニハ水モ漏ラサヌ厳重ナル取締リアリ他方ニハ出荷スレバ相当ノ利益ガ得ラレルノデアル、蔬菜ハ採取ノ時期ガアリ魚介類ハ腐敗ノ恐レガアル、勢ヒ供出スルカ市場ニ持込ムノ外ナイノデアル、之ニ依テ大衆ハ公定価格デ入手スルコトガ出来ルノデアル

元来食糧ニ関スル耐乏生活ノ為メニハ闇取引ヲ根絶セシメ有ラユル食糧ヲ等シク大衆ニ入手セシメ、之ニ依テ現在食生活ノ大半ヲ闇物資ニ依存スル実情ヲ徹底的ニ改善スルコトガ必要条件デアル、政府ガ食生活ノ安定方策ニ付自信ヲ持ツナラバ断乎トシテ之ヲ強行シ幾多ノ妨害ヲ絶対ニ排除スベキデアル、若シ然ラズトセバ終ニハ栄養失調飢餓其他各種ノ疾病等ノ為メニ幾百万ノ犠牲者ヲ出ス様ナ惨憺タル世相ヲ出現スルデアロウ

就テハ

一、此緊急方策ニ付政府ノ御意見ヲ承リタイノデアリマス

二、此ノ如キ方策ヲ政府ニ於テ適当ナリト思考セラルヽトセバ之ヲ断行セラルヽ御意思ガアリマスカ

三、右ノ外今日当面ノ急ニ応ズベキ適当ナル具体的実行的ノ緊急方策ガアルナラバ承リタイノデアリマス

尚此問題ハ御互ニ研究ヲ要スル重要案件デアリマスカラ、何卒文書ヲ以テ御答弁下サル様御願ヒ致シマス

〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1

電話:03-3581-3111(大代表)

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参議院の原文・経過

政府答弁書

一、主食糧及び副食糧につき、生産費を基礎として、加うるに生産者が相当の利益を収め得る程度に供出価格を公定すべしとの意見は、趣旨としてはまことに妥当であるが、国家財政上の見地から、価格補給金の支出を困難とする現状において、供出価格の引上は直ちに消費者価格の高騰を惹起し、一般大衆の生活費の負担を増す結果となるので、生産者の立場のみから一方的に供出価格を決定することは実際問題としては許されない。

かゝる実情を考慮しつゝ極力再生産の基礎を確保するため、政府としては、主要農産物の価格は農業生産に関係ある諸物資の価格との間に均衡を保持する如くこれを定めることを方針として、今般先ず新麦及び新馬鈴薯について、改訂物価水準に合うようにその政府買上価格を決定した次第である。

二、供出及び配給に要する中間的費用について極力これが節減を図ることはもとより政府において努力しているところであるが、この点のみに止まらず、広く供出配給の制度全般について十分検討を加え、できる限り、その合理化を図ると共に、更に根本的には増産による供給絶対量の増加に努める。

就中米麦等主要食糧農産物については、その生産計画及び供出割当並びに肥料その他生産資材の配給割当の三者を有機的に連繋させ、民主的な方法によつて合理的な計画生産を行うと共に、これに応ずる供出量を確保し得る如き制度を法制化すべく準備研究中である。

又、主食の不足を補うため、大消費都市における副食の確保については特に力を注いでいる。これが為、鮮魚介については先般来実施中の鮮魚介配給規則による統制を確実に実行すると共に、加工水産物、蔬菜、味噌、醤油等についてもその配給量を増加し得るような方策を講じ、特に蔬菜については特産地の復活を助長して、これと消費都市とが有機的に結びつくような措置をとり、これらの諸施策を通じて配給食糧総体としての栄養量を保持するに努める。

三、公定価格の厳守、闇売買の絶滅のため、徹底的に取締を強化すべしとの意見も、趣旨においては当然であり、政府としても極力これが取締の徹底を期している次第である。しかし、警察力による取締が真に効果を収め得るためには国民全般の理解ある協力が必要であり、又、一方において、各家庭に対し少くとも必要最低限の栄養を保持するに足る食糧の配給が確保されることを前提条件とするものであつて、そのためにも根本的には食糧の増産のため凡ゆる方策を講ずると共に、供出配給の制度の合理化について一段の努力を重ねている次第である。

以 上

参議院の原文

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