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米麦供出空俵等に関する質問主意書

参議院 第1回 第71号

提出者
参議院
提出日
1947年9月27日
内閣転送 1947年10月1日
答弁書受領日
1947年10月7日
提出から10日
答弁の項目数
2
質問 871字/答弁 2,126字

質問本文

一、米麦の供出に当り農民は、中俵、外俵の二種にて二重に包み供出しておるが、之の価格は十円程度の相場である。ヤミ値卅円である。米麦五千万石の供給には一億二千万俵を要し、之の金額十二億万円である。之の俵は、食糧営団の雑収入として取上げられておる現状である。俵は、農民に返却すべきが民主政治の片山首相の叫ぶ高度化である。返却する意志があるか或は十二億円も横取的行為を連続するか、政府の責任ある答弁を求む。

二、政府は、野菜類、薪炭類の買取価格と配給小売値段に五割以上十割又は廿割前後の大差があるを知つておるか、例えば、野菜類の市場持込価格は一貫平均廿円であるが小売値は、四十円以上一百円である。農作者に安く納入させ、之の大差ある利益は政府の収入か、小売商人の収入か、又薪炭類も薪一束七円弱の納入に対し、小売値は、廿円以上卅円である。農民は、之の大差に政府の不信用を叫んで片山内閣の信用日増に底下しておると言ふが小売利益は、五%前後でよい、多くて一〇%前後でよい。農民の収入増大すべきか、小売値の大巾値下げすべきか。政府は、何れを取るか。

三、政府は、七月九日本議員の自由討議の発言と文書質問によりヤミ農地の調査に八月より入りたる様子なるも其の後全国的に発見されたる闇農作地面積をドシドシ発表すべきであるが、竜頭蛇尾に終りしか、判明せるヤミ農地を発表すべきである。又調査方法には、飛行機による高度調査を利用すれば一ヶ月前後にて全日本の調査は完成すべきであるが、政府の所見を問ふ。

四、政府所有の土地百坪以下の小さな土地が全国都市の戦災地に存在し、住民は、適正値にて借り入れ又は買入れを希望しておるが全く之れ等小坪数の土地は、官庁建築に不足せる豆坪数にて財政困窮の政府が財政上収益の一部に開放すべきであると信ずるが、政府の処見を問ふ。

右質問に対し速かなる答弁を要求する。

〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1

電話:03-3581-3111(大代表)

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参議院の原文・経過

政府答弁書

一、米麦の現行生産者価格の算出に当つては、基準年度に対する当該年度の農家購入品価格の値上率によるパリテイ計算によつたが、この際基準年度における生産者価格は、完全包装のものの価格であり、従つてその算出価格も完全包装のものの価格である。

空俵の全量を農家に還元することは、故藁工品の需給事情並に輸送事情等より見て不可能であるが、可及的多量に農村に還元するよう本年二月故藁工品需給調整要綱を定めた。

尚空俵の売上代金は、地方食糧営団の収入となつているが、手数料の算出に際しては副収入として控除して算出されているため、地方食料営団が不当の収益を得ているとは云い得ない。

二、

(一) 野菜類の価格について

(イ) 新物価体系に基く蔬菜の統制額は、卸売価格を仮りに東京市場の入荷量で加重平均すると一六円三七銭であつて、これから八分を差し引いたものが生産者の市場持込渡しの販売価格(一五円〇六銭)でこれに二割五分を加算したものが小売価格(一八円八二銭)である。

(ロ) 現在、卸売業者の手数量は五分であるが(前項の八分のうち二分は公認出荷機関へ戻しており、一分は各市場間の転送費の補助等に充てるため、知事の監督下に積み立てている。)殊に蔬菜はその腐敗、目減が相当に多い関係を考慮すれば決して多いとはいえない。

(ハ) 小売業者の手数量は二割五分であるが、これも卸売業者の店先から小売店舗までの転送費や最近の入荷減による取扱量の減少、蔬菜の特性である目減が多い等の関係を考慮すれば決して不当な手数料ではない。

(二) 薪炭類の価格について

(イ) 薪一束七円弱の納入に対し、小売値は二十円以上三十円とのことであるが、薪の生産者価格は一束七円弱、小売価格は生産県では十五円前後、消費都府県では十七円前後である。その差額は、納入してから以後の運賃が大部分を占めている。即ち政府は、生産地の山元で買つているので、そこから消費地までの運賃が必要なわけで、薪では運賃を全国的にプールしているので政府買入価格と政府の売渡価格との差額の八割強がその運賃にあてられている実情である。

従つて、小売価格を大巾に値下げするためには、運賃を大幅に削減することが必要であり、その結果は集荷輸送ができなくなる。

(ロ) 一方薪炭の納入価格即ち生産者価格は、新物価体系の一環として一般農産物及び木材と同様、昭和九年から昭和十一年における標準ものの薪炭の生産者価格を基準として、その生産者価格を構成する各要素について夫々の今日までの適正な値上り率を乗じ、さらに木材などの価格との均衡をも考慮して、決定したものである。

(ハ) 小売業者のマーヂンは生産県の薪では、小売価格に対して約一三%であるが、これは消費者持込渡しを原則としているので、その大部分はそのために実際必要とする運賃、人件費に当るものである。

三、農林省では八月一日に臨時農業センサスを施行し、全国農家に経営面積、稲その他作物の作付面積等の申告を命じた。

然るにその結果によると本年の稲作付面積は、全国合計二、七七〇、九四二町歩であつて、これは明らかに過小であると考えられる。従つてこの申告面積は実際面積に対比して何%の内輪となつているかを推計するために目下抽出法を用いて実測を行いつつある。それが完了するのは十一月末の予定であつて、これによつて、他方行いつつある坪刈調査の結果と相待つて、相当精密な米の実収高を推計することが可能であると思う。

ヤミ農地というのは適切ではないと思うが、従来の農地の申告から一部脱漏のあつたことに付ては屡々実例が挙示せられている。しかし農地改革のための一筆調査によつて、この点は可なり改良されたと思われるが、まだ十分ではないと考えられるから、昭和二十三年度には耕地の実際面積の調査に重点を置いた調査を行うよう目下各般の準備中である。その方法としては、目下のところでは、申告を基礎とし、之を地方的利害に動かされない立場にある作物報告事務所をして一部実測してこれを検討せしめる方法を取るのが適当と考えている。なお飛行機写真を応用して農地面積の調査を行うことは、GHQの好意により、一部研究的に行い、全般の調査のチエツク、データにしている。然し、(1)既存のフイルムが全国を覆つていないこと、(2)一筆毎の面積を精密なものたらしめるには、少くも一万分の一の縮尺にて撮つたフイルムが必要であるのに、その点不完全であること、(3)フイルムの貸下げをうけることはできることになつたが、之を印画及び地図にする設備の現状よりして必ずしも速度において大でないこと等の理由によつて、飛行機写真による調査を農地調査の中核とすることは目下の処無理であると考えている。

四、戦災都市に存在する小面積の国有地には、戦災官衙、官舎又は社寺等の敷地、廃道水路敷等があるが、これ等の国有地の外には官庁建築に不適当な小坪数の土地というようなものは存在しないと思われるが戦災都市に存在する小面積の国有地については、公用公共用に供する必要のあるものを除き財政収入を図る目的をもつて積極的に処分する方針を以て、その処理を促進している次第である。

参議院の原文

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