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公有水面埋立計画に関する漁業補償契約ならびに総会決議に関する質問

参議院 第102回 第41号

提出者
参議院
提出日
1985年5月25日
内閣転送 1985年5月29日
答弁書受領日
1985年6月14日
提出から20日
答弁の項目数
6
質問 1,048字/答弁 979字

質問本文

公有水面埋立計画に関する漁業補償契約ならびに総会決議に関する質問主意書

一 漁業補償契約について

昭和四十七年九月二十二日に、水産庁漁政部長名で、「埋立事業等に伴う漁業補償契約の締結にあたつては、組合は、関係する組合員全員の同意をとつて臨むよう、あわせて指導されたい。」との文書が出されている。

この文書に関して、

1 「関係する組合員」とは何か。共同漁業権(埋立予定海域に存するもの)の関係地区(漁業法第十一条)に住所を有する組合員、と解してよいか。

2 関係地区に住所を有する非組合員の漁民(以下「関係非組合員」という。)も補償金の配分にあずかるが、補償契約の締結にあたつて、補償交渉委員会等は、関係非組合員の同意をも、とる必要があると思うがどうか。

3 前記文書が出されて以後、漁業補償契約の締結にあたつて、関係する組合員および関係非組合員(以下、両者を合せて「関係漁民」という。)の全員の同意はとられてきたか。

4 質問3に関連して、補償金を受領することは、補償契約に同意をしたに等しいとみなした場合、通達以後、関係漁民全員の同意はとられてきたか。

5 前記文書が出される以前、すなわち昭和四十七年九月以前には、補償契約の締結ないし、補償金受領までには、関係漁民全員の同意はとられてきたか。

6 補償金の受領までにも、関係漁民全員の同意が得られなかつた埋立計画の事例はないか。

あるとすれば、その件名をすべて示されたい。

二 総会決議について

1 近年、埋立計画にたいして漁協の総会決議があげられているようであるが、総会決議があげられるようになつたのは、いつ頃からか。また、一部のケースではなく、埋立計画を認めるにあたつて必ず総会決議があげられるようになつたのは、いつ頃からか。

2 埋立計画に対する総会決議は、いかなる議案で議決されているか。次の(1)~(4)の議案で議決されることがあるか、それぞれについて答えられたい。また、(1)~(4)以外の議案で議決されることがあるのか。あるとすれば、その議案も示されたい。

(1) 埋立への同意

(2) 補償契約への同意

(3) 漁業権の一部放棄(一部喪失)又は全面放棄(全喪失)

(4) 漁業権の変更

3 「埋立への同意」が、漁協総会で議決された場合、共同漁業権は、その決議によつて一部消滅するのか。

4 埋立計画に対して、「共同漁業権の一部放棄」が、漁協総会で議決された場合、共同漁業権は、その決議によつて一部消滅するのか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1及び2について

(一) 御指摘の箇所は、漁業権の放棄又は変更の手続に関する通達のなお書部分であるが、同通達にこのなお書を付したのは、漁業補償の実態上漁業協同組合が補償交渉の当事者となることが多いことにかんがみ、漁業補償の手続が漁業権の得喪、変更の手続と混同されることなく、また、漁業協同組合の運営に支障を生ずることなく円滑に実施されることを期待したものである。

(二) 御質問の「関係する組合員」とは、埋立事業等により影響を受けることになる組合員をいい、具体的には、当該事業の内容及び漁業の実態を踏まえ、各事例に即して判断すべきものと考える。

なお、前記通達においては、非組合員である漁民の同意の要否については言及していない。

一の3から6までについて

御質問の点については、当事者間の問題である漁業補償における被補償者側内部の問題であり、政府として必ずしも承知し得るところではないが、国営高浜入干拓建設事業については、同事業に反対し、漁業補償に応じない者がいた事実は承知している。なお、同事業については、茨城県知事から、地元市町村の意向を踏まえ、事業を中止し干拓予定水域を他の用途に利用したい旨の要望があり、国として諸般の事情を考慮して廃止したものである。

二の1について

公有水面の埋立てに対する同意により水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第四十八条第一項第九号又は第十号に規定する漁業権の変更等をもたらすことになる場合には、当該同意の決定には、同法第五十条の総会の特別決議が必要とされている。

二の2について

公有水面の埋立ての同意に係る総会の議決の議案の形式について特段の調査は行つていないが、「埋立ての同意」という議案の形式で議決されている事例があることは承知している。

二の3について

御指摘の「埋立への同意」は、公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)第四条第三項第一号の同意を指すものと考えられるが、これにより直ちに共同漁業権が消滅するものではない。

二の4について

漁業権を変更しようとするときは、漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)上、都道府県知事の免許を受けなければならないこととされており、漁業協同組合の総会で「共同漁業権の一部放棄」が議決されたとしても、そのことにより漁業権が当然に変更されるものではない。

参議院の原文

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