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霞ケ浦総合開発事業に伴う漁業補償等に関する質問主意書
衆議院 第84回 第40号
質問本文
衆議院議長 保利 茂 殿
霞ヶ浦総合開発事業に伴う漁業補償等に関する質問主意書
水資源開発公団によつて施行されつつある霞ヶ浦総合開発事業に伴う漁業補償等に関し次の通り質問する。
一 水資源開発公団は霞ヶ浦総合開発事業の実施に当たり、関係する漁業協同組合に対し同事業により損害を被るものとしてそれぞれ漁業量の減少に伴う補償を行つている。これは昭和三十七年六月十九日、閣議決定「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」に基づき補償しているものであるとすれば、同要綱のいかなる条項によつて行つているのか。また、その条項に該当するとした理由はいかなるものであるのか明らかにされたい。
二 右の霞ヶ浦総合開発事業の実施によつて損害を受けるとされた漁業協同組合の組合員である漁業者の漁獲物を買取り、加工している水産加工業者に対しては、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」の補償対象は、「土地の所有者、漁業権等直接権利を有する者に対して行うものとされている。水産加工業者が受ける影響は、直接的なものでなく、漁業者から購入した魚を加工し販売するというように、流通過程で生ずる間接的なものである。したがつてこのような第二次的なものは、補償の対象とならないものである。」との見解に立つて関係水産加工業者の補償要求には応じがたいとしているが、損失補償基準要綱のいかなる条項に基づく解釈であるのか、明らかにされたい。
三 補償要求をしている霞ヶ浦北浦水産加工業連合会(代表、茨城県行方郡麻生町麻生、平野士郎)の組合員である水産加工業者は、前記の補償の対象とされた関係漁業協同組合員の漁獲物が、短時間の間に腐敗する淡水魚であるため、鯉、鮒等の活魚向き以外の漁獲物は、漁獲後直ちに佃煮、煮干等に加工し処理することを一貫して行つている実情である。
従つて、これら漁獲物は漁業者と加工業者との問ですべて直接取引され、そこには市場性が存在しない全量買取り制を基本とした特別取引契約が成立しており、漁獲と加工が分離できない関係にあつて、漁業者と加工業者は不可分の関係にある共同事業体をなしているものである。
以上の観点からするならば、霞ヶ浦総合開発事業実施に伴う損失補償は関係漁業者と同様、これら水産加工業者にも実体に即して行われるべきものである。前記のように一般的な水産加工業の位置付けをもつて「第二次的なものは、補償の対象とならないものである」とする見解は誤りであると思うがいかん、その見解を明らかにされたい。
四 若し三の見解に立つとしても、なお現行の「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」によつては補償しがたいとするならば、この基準要綱を改めるべきであると思うが、いかに考えられるか。
右質問する。
政府答弁書
一について
水資源開発公団は、霞ヶ浦開発事業(以下「本件事業」という。)の実施に伴う漁業権等の消滅又は制限及びこれに伴う損失について、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」(昭和三十七年六月二十九日閣議決定。以下「要綱」という。)第十七条、第二十二条、第三十八条及び第四十条並びに「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱の施行について」(昭和三十七年六月二十九日閣議了解)第三に準拠して、その損失額を支払つたものである。
二及び三について
要綱第四条は、補償対象者を、要綱第五章に規定する場合を除き「土地等の権利者」としているところであるが、霞ヶ浦の漁獲物を加工している水産加工業者は、右にいう「土地等の権利者」に該当せず、また、要綱第五章の規定による補償の対象者にも該当しないので、本件事業の実施に関し、要綱による補償の対象者とはならないものである。
四について
現在のところ、要綱の補償対象者を拡大する考えはない。
右答弁する。
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