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漁業権に関する質問主意書
参議院 第166回 第15号
質問本文
漁業権は漁民の生活・生業の権利の根幹を保障する法理であるが、実際の運用においては、埋立事業、橋梁建設、発電所建設など「公益」を標榜した事業体による、巨大な力によって、しばしばこれが侵害されてきた。特に、漁協の多数者と少数者との意見が一致せぬまま、漁業権の一部放棄を決定することもあるが、そのような場合においても、少数者の最小限の生活・生業の権利は擁護されるべきである。
このような観点から、以下質問する。
一 漁業法では、関係地区に住む漁民(以下「関係漁民」という。)であれば、漁協に属さない員外者であっても「第一種及び第五種の共同漁業権の内容たる漁業」を営めるとされている。員外者である関係漁民の営む「共同漁業権の内容たる漁業」の実態が社会通念上権利と認められる程度にまで成熟した慣習上の利益であると判断される場合、当該漁業に損害を与える行為をなすに当たり、当該関係漁民への漁業補償が必要であると解することについて政府の見解を示されたい。
二 漁協が、当該漁協が免許を受けている共同漁業権に関し、漁協総会において漁業権一部放棄を決議(特別決議)した場合、一部放棄された海域において、当該漁協の組合員を含む関係漁民が「共同漁業権の内容たる漁業」を営むことは可能であると解することについて政府の見解を示されたい。
三 当該漁協の組合員の営む「共同漁業権の内容たる漁業」の実態が社会通念上権利と認められる程度にまで成熟した慣習上の利益であると判断される場合、当該漁業に損害を与える行為をなすに当たり、当該組合員への漁業補償が必要と解することについて政府の見解を示されたい。
四 三の場合、当該漁協の組合員の営む「共同漁業権の内容たる漁業」の実態が社会通念上権利と認められる程度にまで成熟した慣習上の利益となっているか否かを判断する際には、当該組合員が漁業権一部放棄決議以前に営んでいた漁業の実態をも含めて判断すべきである。これと異なり漁業権一部放棄決議後の漁業の実態のみによって判断するならば、当該組合員の権利を侵害する結果になるので、このような判断は採るべきでないと考えるが政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一、三及び四について
漁業の実態が社会通念上権利と認められる程度にまで成熟した慣習上の利益であると判断されるときは、当該漁業に損害を与える行為をなすに当たり、一般的には補償が行われることが適切であると考えられるが、もとより漁業補償は当事者間の話し合いに委ねられるべき民事上の問題であり、その要否及び内容は、対象となる漁業に係る諸事情に応じて個別具体的に決すべきものである。このため、社会通念上権利と認められる程度にまで成熟した慣習上の利益であるか否かの判断に際し、「共同漁業権の一部放棄前の漁業の実態を含めるべきか否か」について、一律に判断することはできない。
二について
共同漁業は、定置漁業及び区画漁業と異なり、漁業権又は入漁権に基づかなければ営むことができないものとはされていない(漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第九条)ことから、漁業法上は、漁業協同組合が免許を受けた共同漁業権を関係法令に定められた手続を経て放棄した場合であっても、当該漁業協同組合の組合員を含む関係漁民が当該放棄に係る海域において共同漁業権の内容たる漁業を営むことは、漁業法その他の漁業関係法令に抵触しない限りにおいて可能である。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。