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ねじ工業等小規模下請企業の振興施策に関する質問

参議院 第103回 第15号

提出者
参議院
提出日
1985年11月28日
内閣転送 1985年11月30日
答弁書受領日
1985年12月13日
提出から15日
答弁の項目数
5
質問 1,401字/答弁 1,092字

質問本文

ねじ工業等小規模下請企業の振興施策に関する質問主意書

ねじは、我が国機械工業の発展に不可欠な基礎部品であり、かつ、一国の産業技術水準の尺度ともなりうべき業種である。

最近のねじ業界の業況をみると、諸機械工業全体の成長停滞、建設産業の低迷、機械製品一点当たりのねじ使用点数の減少傾向等から、内需は伸び悩み状況にある。しかも、最近の急激な円高傾向により、米国景気の活況を反映して一時的に好調を示していたねじ業界の収益は、再び悪化の方向をたどつている。

ねじ業界はそのほとんどが中小企業であり、くわえて下請的な色彩が強いが、ねじ業界以外の他の中小企業業種にあつても、最近の円高傾向における業績不振のおそれ、技術高度化体質への構造改善等の問題を抱えているので、以下質問する。

一 通商産業省は、円高に伴う中小企業向け緊急対策として、昭和六十一年度に国際経済調整対策等特別貸付制度の創設を計画しているが、本年末には中小企業の経営環境が厳しさを増すと予想されるだけに、本制度を年内にも実施にうつすべきであると考えるがどうか。

二 かつて政府は、昭和五十三年に「円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法」を施行して、円高に悩む中小企業対策を講じたが、今回も同様の措置を講ずる予定はあるか。

三 円高によつて、下請企業も親企業から、下請代金の減額、買いたたき、返品等を強要され、親企業の円高による手取り額減額を転嫁され苦しんでいる。

通商産業大臣は、本年十一月十九日に公正取引委員会委員長と連名で、下請取引の適正化についての要請を行つているが、政府は、親企業の下請いじめが発生しないようあらゆる措置を講ずべきである。今後とるべき措置を具体的に明示されたい。

四 近年、ねじの国際市場に発展途上国メーカーの新規参入があることや我が国ねじメーカーの素材購入価額が割高であることなどから、価格面で国際競争力を失いつつある事態に対処するため、新素材を利用したねじ製品の開発、新規加工技術によるねじ製造技術の開発など、技術水準を高度化する必要があるが、政府としては具体的にどのような施策を構想しているか。

五 業界体質改善のための構造改善について冒頭述べたように、ねじは極めて多岐の分野にわたつて結合要素として使用される基礎部品であり、このため、その形状寸法、材質も極めて多岐にわたつている。こうしたことから、一般に多種少量かつ受注生産による形態が多く、さらに比較的小規模な生産設備によつて製造できることもあつて、多数の小規模零細企業によつて製造されている。

現在、こうした業界体質の改善を図るため、昭和六十一年度を目標として、中小企業近代化促進法に基づく総合型構造改善事業を進め、業務提携等による事業の集約化、人材養成、共同研究開発の推進、生産設備の近代化等において一定の効果をあげているが、今後、過当競争体質の改善、高付加価値製品の開発、事業集約化等による経営規模の拡大等を図り、下請的体質からの脱却を指向していくためには、構造改善事業の一層の強化とこれに続く経営戦略型構造改善事業の実施が不可欠である。

政府はねじ業界の望ましい姿はどのようなものであるとの展望を抱いているのか。業界の体質改善は何時頃を目途に効果があると考えているか。行政面からの支援策にはどのようなものがあるのか。以上、まとめてお答え願いたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

現在の円高の進展は、大きな流れとしては望ましいものと考えているが、中小企業を中心に一部の業界等への影響が懸念されているところである。このため、円高によつて影響を受けている輸出関連中小企業者等について、経営危機を回避しつつ、事業転換、内需転換等の企業経営の調整を図ること等を目的として、昭和六十年十二月二日から政府系中小企業金融三機関等による特別融資制度の創設をはじめとする諸措置を講じたところである。

二について

今後の状況の推移によつて、改めて判断することとしている。

三について

下請取引の適正化については、従来から下請代金支払遅延等防止法(昭和三十一年法律第百二十号)に基づき所要の措置を講じ、その運用の強化に努めてきているところである。

また、昭和六十年十一月十九日には、通商産業大臣及び公正取引委員会委員長連名で、親企業が円高による影響を値引き、買いたたき等の形で下請企業に不当に転嫁することのないよう、親事業者及び親事業者団体に対し、下請代金支払遅延等防止法の遵守等を内容とする通達を発したところであり、今後とも、特に不当値引き、買いたたき等の防止に留意しつつ、同法の厳正な運用に努めてまいりたい。

四について

ねじ製造業が今後の発展を実現していくためには、技術水準の向上が重要である。

このような観点から、政府としては、ねじ製造業が現在構造改善事業の一環として進めている技術開発事業を金融及び税制の面から支援しており、また、中小企業事業団が、昭和五十九年度から昭和六十一年度までの計画で、ねじ用全数自動検査装置の委託開発を行つている。

このほか、中小企業対策として、技術研修、技術指導、技術開発の助成等各種施策を講じているところであり、ねじ製造業者によるこれらの施策の活用を期待している。

五について

1 ねじ製造業においては、技術力の向上及び企業経営基盤を強化するとともに、製造設備の近代化、技術水準の向上、ねじ製造企業の共同事業の実施、人材の養成等を進めることが望ましいと考えている。

2 ねじ製造業については、中小企業近代化促進法(昭和三十八年法律第六十四号)第四条第一項の特定業種として、昭和四十六年度から昭和五十一年度までの構造改善計画に基づき、第一次構造改善事業が実施され、現在、昭和五十六年度から昭和六十一年度までの構造改善計画に基づき、1において述べた内容の構造改善事業が実施されているところである。これらの構造改善事業は、ねじ製造業の発展に寄与するものであり、政府としても、その実施に関し、金融及び税制上の助成措置を講じているところである。

参議院の原文

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