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日本がさらされている軍事脅威に関する質問
参議院 第108回 第7号お答えすることは困難 ×1
質問本文
日本がさらされている軍事脅威に関する質問主意書
政府が提出した来年度予算案においては、防衛関係費が三兆五千百七十四億円となり、いわゆるGNP比一パーセント枠を〇・〇〇四パーセント超過する予定と説明され物議を醸している。
先に私は、予算審議の参考のために、防衛庁に対し、わが国を取り巻く軍事情勢について種々説明を求めたが、防衛庁は各国の兵力配置等静態的な軍備状況を説明するだけで、それ以上の説明は拒否した。これでは防衛予算の是非、妥当性を審議できないので、本予算案の前提になつている諸条件を、軍事脅威の原点に戻つて政府の説明を求めるものである。
一 一国の軍備の規模は、その国が現在並びに将来さらされる軍事脅威の程度により策定され、その時の経済余力に応じて整備されるものと思うが、政府の見解はどうか。
二 さらに軍事脅威は、侵攻能力保有国の軍事能力と侵攻意図の相乗積と考えるがどうか。
三 防衛庁は私に対して、侵攻能力保有国の軍事能力、すなわち静態的な軍備の状況しか説明しないが、軍事能力だけでなく、侵攻意図の程度が問題であると思うが、この考え方に政府は異存ないか。
四 現在日本にとつての最大の侵攻能力保有国について、政府はその国の対日侵略意図をどの程度と見積つているか。また将来その意図はどの程度のものになると想定しているか。
五 政府は昭和六十五年度までの中期防衛力整備計画十八兆四千億円を策定したが、そのときの根拠になる侵攻能力保有国の軍事脅威の「意図」部分をどのように見積つたか。
六 意図部分の見積りいかんによつては、中期防衛力整備計画では間に合わない可能性があり、もし侵攻能力保有国の意図を百パーセントと想定すれば膨大にならざるを得ないと思われるが、同計画限度額十八兆四千億円はその「意図」を何パーセント程度と考えた結果であるのか。
七 防衛庁は私に対して軍事脅威の程度、特に侵攻能力保有国の「意図」部分については、国家機密なりとして説明を拒否したが、それでは防衛力整備計画の根拠がわからず、ひいては防衛予算の妥当性も判断できないことになる。国会議員といえども情報や資料を与えられずに是非、良否を判断することは不可能である。このような状態での国会議員の審議のあり方を政府はどのように考えているのか。国家機密とはいえ、国権の最高機関である国会に知らせないというのは、国会の権威をおかすことにならないか。国家機密に関しては、秘密会なりで説明する方法もあると思うが、政府の所見いかがなりや。
八 それとも政府は、防衛力整備計画は、国の最高機密に属するゆえ、国民はもとよりその代表である国会議員にも「知らしむべからず、倚らしむべし」で白紙委任を求めるつもりか。「防衛力整備計画は政府を全面的に信用して一任せよ」ということなら、そのような形で主権者(国民)の信任をとりつけるべきではないか。
九 最後にわずか〇・〇〇四パーセント超過するだけの事なら、逆に予算を〇・〇〇五バーセント削減すれば問題が一応生じないはずであり、政府はなぜかかるわずかな努力を惜しみこの時期にあえて一パーセント枠突破を主張するのか。国鉄の整理状況や、不況産業の合理化努力を考えれば、防衛庁としてわずか〇・〇〇五パーセントの削減努力ができないわけはないと考える。
現状では国民にこれ以上の負担を強いてまで一パーセント以上に広げる根拠に乏しく、巷間では米国からの要請、あるいは政府のエモーショナルな軍備強化願望にすぎないとする見方もあるが、反論があれば理論的に根拠を説明されたい。
以上各項の質問に対して、項目をまとめたり、一括して答弁することなく、答弁内容が重複してもよいから、各項目ごとに答弁されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
(1) 国の軍備の規模の決定の在り方は、それぞれの国の安全保障に関する考え方によるものであり、一概に述べることはできないが、一般的には脅威について考慮することは当然のことであると考えている。
(2) 我が国は、「国防の基本方針」(昭和三十二年五月二十日閣議決定)にのつとり、外交及び内政諸施策を推進するとともに、日米安全保障体制を堅持しつつ、「防衛計画の大綱」(昭和五十一年十月二十九日閣議決定。以下「大綱」という。)において、周辺諸国の軍備の動向を含む国際情勢等を勘案し、我が国が平時から保有しておくべき防衛力として限定的かつ小規模な侵略までの事態に有効に対処し得る防衛力の水準を示し、現在、「大綱」に従い、経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、防衛力の整備を進めているところである。
二について
脅威は、侵略し得る「能力」と侵略しようとする「意図」が結びついて顕在化するものであると考えている。
三について
侵略し得る「能力」は一般に軍事力の整備に長期間を要することから急激に変化することはなく、また、外部から測定したり、将来の推移を見積もることが可能であるのに対し、侵略しようとする「意図」は状況いかんによつて変化しやすいものであり、かつ、外部から察知しにくいものであるため、通常、防衛力整備を考える場合には、侵略意図よりも軍事能力に着目すべきであると考えている。
四について
二についてにおいて述べたような意味での我が国に対する差し迫つた脅威が現在あるとは考えていないが、意図は国際情勢等の要因により短期間のうちに変化し得るものであり、将来の意図について予測することは困難である。
五について
「中期防衛力整備計画」(昭和六十年九月十八日閣議決定)は、一についてにおいて述べた「大綱」に定める防衛力の水準の達成を図ることを目標として策定したものであり、脅威との関連では、三についてにおいて述べたとおり、軍事能力に着目すべきであるとの考え方に立つているものである。
六について
「中期防衛力整備計画」は、五についてにおいて述べた考え方に従つて策定したものである。
七について
(1) 政府は、国会による文民統制の機能が十分発揮できるよう、従来から、国会における審議に際しては、国家の安全と利益に支障が生じない限り、防衛力整備の考え方、国際軍事情勢等を誠意をもつて説明し、必要な各種資料等もできる限り提出しているところであり、今後とも、政府の立場から許される最大限の協力をすべきものと考えている。
(2) また、秘密会に関しては、具体的な事案ごとに国会の判断を待つて対応すべきものと考えている。
八について
政府は、国会による文民統制の機能が十分発揮できるよう、従来から、国会における審議に際しては、防衛力整備計画の内容、その考え方等を累次の機会に説明しているところである。
九について
(1) 昭和六十二年度予算における防衛関係費については、厳しい財政事情を勘案して引き続き経費の抑制を図りつつ、円高、油価格の低下等も踏まえ、全体規模の圧縮に努める一方、「大綱」に定める防衛力の水準の達成を図ることを目標とする「中期防衛力整備計画」の第二年度目としてその着実な実施を図ることとし、ぎりぎりの努力を行つた結果、名目GNPの動向もあつて、対GNP比が一パーセントをやや上回ることとなつたものであるが、これは、我が国の防衛のため所要の経費を計上したものであり、減額することはできない。
(2) 政府としては、今後とも、憲法及び基本的防衛政策の下に、国際情勢、経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、自主的な判断に基づき、節度ある防衛力の整備を行つていく必要があると考えている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。