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防衛費の枠に関する質問

参議院 第96回 第29号

提出者
参議院
提出日
1982年7月22日
内閣転送 1982年7月24日
答弁書受領日
1982年8月3日
提出から12日
答弁の項目数
3
質問 739字/答弁 1,113字

質問本文

防衛費の枠に関する質問主意書

昭和五十一年十一月の「当面、各年度の防衛費はGNPの一%を超えないことをめどとする」との閣議決定は、56中期業務見積もりの予算化作業の進行とともに崩壊の危機に大揺れしている。

そこで以下の項目について質問し、政府の所信の明示を求める。

一 56中業期間中の見積もりの正面装備総額四兆四千~六千億円、防衛費総額十六兆円は、これを昭和五十八年度から昭和六十二年度の各年度に予算化すれば、それぞれの年度のGNPの一%を超える防衛費計上が事実上の問題となることは必至と思うがどうか。

二 政府は、昭和五十一年十一月の閣議決定の「一%を超えないことをめどとする」の受けとめ方は、一応のめどであつて、著しい超過でなければよしとするのか、シビアに考えているのか。

三 この閣議決定は大方の国民のコンセンサスとなつているものである。しかるに一方、この56中業は実質五・一%成長を前提にした上で「一%」枠を設定したのに、来年度以降の中期の経済見通しは、経済審議会での見直しの結果では、実質四%前後が確実と見られ又、昭和五十六年度の確定成長率は二・七%にとどまつた。かりに、三%以下の低成長が続けば、56中業装備を含む防衛費の予算と「一%」枠との関係はどうなるか。著しい「一%」枠超過がありうるのかどうか。また、その傾向が数年度にわたり見通されるとき、閣議決定の取扱いをどうするか。

四 閣議決定の「当面」について政府の見解を明示せよ。

五 政府は、56中業そのものが、安易な経済成長の前提の上に立ち、かつ、米国からの強い影響を受けて軍拡の方向へ進んで行く性質のものであることを反省し、中業の経済成長に見合う有効適切な見直し検討を行うべきと思うがどうか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一から三までについて

(一) 五六中業は、防衛庁が各年度の概算要求等を作成する際の参考資料であり、当然のことながら、各年度の予算編成を拘束するものではない。

(二) 五六中業は、正面装備に関する事業については、ある程度詳細な見積りを行うが、その他の事業については概略の方向を見定めることにとどめており、期間中の防衛関係経費の総額については、詳細な見積りを行つているわけではない。他方、GNPは経済の状況によつて変化するものであり、したがつて、期間中の防衛関係経費とGNPは双方とも相当の不確定要素を持つた流動的なものである。

(三) また、各年度の防衛力整備については、その時々における経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準を着実に達成することとしているところであるが、防衛庁においても、五六中業を着実に実施することを基本としつつ、できる限りの効率化、合理化等により、極力財政負担の軽減に努めることとしている。

(四) 五六中業の実施に伴う期間中の防衛関係経費とGNP一%相当額については、右のような事情にあるが、政府としては、昭和五十一年十一月五日付けの閣議決定に沿うよう最大限努力することとしている。

(五) 「防衛力整備の実施に当たつては、当面、各年度の防衛関係経費の総額が当該年度の国民総生産の百分の一に相当する額を超えないことをめどとしてこれを行うものとする」昭和五十一年十一月五日付けの閣議決定については、これを厳正に解しており、現在のところ、この閣議決定を変更する必要はないと考えている。

(六) なお、来年度以降の中期の経済見通しについては、現在諮問中の新しい長期経済計画の中で検討することとしている。また、防衛関係経費の総額について、昭和五十七年度価格で十五兆六千億円ないし十六兆四千億円といつているのは、防衛庁において、参考までに、大まかに試算したものに過ぎない。

四について

昭和五十一年十一月五日付けの閣議決定の中に「当面」とあるのは、何らかの固定的な期限を予定したものではない。

五について

防衛力整備に当たつては、我が国の自主的判断の下に、その時々における経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準を着実に達成することとしている。

五六中業は、このような方針の下に防衛庁が策定したものであつて、防衛庁の中期にわたる防衛力整備の進め方に関する考え方の大筋を示すものとして国防会議において先般(昭和五十七年七月二十三日)了承されているところであり、これを作成し直す必要があるとは考えていない。

参議院の原文

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