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マル優等非課税貯蓄制度改正に関する質問

参議院 第109回 第11号

提出者
参議院
提出日
1987年9月7日
内閣転送 1987年9月10日
答弁書受領日
1987年10月2日
提出から25日
答弁の項目数
0
質問 851字/答弁 943字

質問本文

マル優等非課税貯蓄制度改正に関する質問主意書

昭和六十二年度税制改正において、政府はマル優等非課税貯蓄制度の見直しを実施しようとしているが、これには幾つかの重要な問題を含んでいると考える。その主なものは次の二点であり、これについての政府の見解と対応策を伺いたい。

一 利子に対する課税方式を一律分離課税方式にすることによる所得控除の権利の喪失

各般の事情により利子所得に依存せざるを得ない低所得者にとつては、マル優等の非課税貯蓄制度の廃止による負担増に加えて、課税貯蓄については総合課税方式を改め、一律二十パーセントの分離課税方式をとることとしているため、従来、申告によつて還付を受けていた源泉徴収分までが還付されないこととなる。

また、これは単に負担増の問題だけでなく、基礎控除をはじめとする人的控除という、国民として当然認められるべき税制上の基本的な権利を奪うことになる。

また、遺族年金の受給者については、マル優等の適用は残されるが、遺族年金は本来非課税であるため、今回の減税を享受し得る立場にない。加えて前述のように、課税貯蓄については、従来、総合課税制度のもとで申告により還付を受けていたものについても、今回の改正により還付が受けられなくなる。

二 非課税貯蓄適用年齢を六十五才以上としたことによる退職者の生活の圧迫

わが国企業の一般的な退職年齢は、その目標を六十才に置いており、それに近づきつつあるのが現状である。また、再就職については、相対的にかなり劣悪な条件に甘んじなければならない状況にある。

しかるに今回の改正において、非課税貯蓄適用年齢を六十五才以上とすることにより、六十五才未満の退職者は、退職金を含む老後資金の運用利子等に依存しなければならないにもかかわらず、これらがすべて二十パーセントの課税を受けることになる。

以上二点についての対応策として、利子所得に対する課税方式としては総合課税を併用し、申告による還付の道を残す必要があると考えるが、政府の見解を問う。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

1 今回の税制改正では、改正前の非課税貯蓄制度について、多額の利子が課税ベースから外れて給与所得等との間で税負担の不公平をもたらしているとともに、高額所得者ほどより多くその恩典を受けているという現状にあるほか、今日において貯蓄奨励といつた目的で一律的に政策的配慮を加える必要は薄れてきていること等に顧み、少額貯蓄非課税制度、郵便貯金非課税制度及び少額公債の利子非課税制度を老人等に対する利子非課税制度に改組するとともに、勤労者財産形成住宅(年金)貯蓄の利子所得等の非課税措置を講じた上、これら以外の利子所得については一定の税率による源泉徴収により他の所得と分離して課税することとしたものである。

2 この利子所得の源泉分離課税方式は、発生の大量性、その元本である金融商品の多様性、浮動性といつた利子所得の特異性に適合した課税方式であり、かつ、今回新たに、郵便貯金取扱機関に課税に関する事務負担を求めること及び地方税において利子割課税制度を導入することへの配慮の必要性並びに簡素、中立及び効率という要請にも応える適切な課税方式であると考える。

また、年齢六十五歳以上の者を老人等に対する利子非課税制度の適用対象者としたのは、老年者控除等老人に係る税制上の措置の適用対象年齢及び老人福祉法による福祉の措置、老齢基礎年金等国の老人福祉に係る諸制度の適用対象年齢等を勘案したものである。

3 利子所得についてその支払時に一定の税率による源泉徴収を行い、確定申告の際に源泉徴収税額の還付を認めることについては、預貯金の口座数及び貯蓄者数等が極めて多数に上つている状況に照らせば、膨大な還付事務等に的確に対応するために納税者番号のような大がかりな制度を必要とするほか、納税者、金融機関、郵便局及び国・地方の税務当局に膨大なコストと事務負担を強いることになること等から、現在の納税環境及び税務執行体制に顧みれば、現実的でなく、適当でないと考える。

したがつて、一般の利子所得に対しては、一定の税率による源泉徴収により他の所得と分離して課税することとしつつ、老人等所得の稼得能力の減退した者の利子所得については老人等に対する利子非課税制度を適用すること等により、実質的な公平を図ることとしたものである。

参議院の原文

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