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今回の税制改革における利子課税制度に関する質問

参議院 第110回 第1号趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
1987年11月6日
内閣転送 1987年11月11日
答弁書受領日
1987年12月4日
提出から28日
答弁の項目数
3
質問 1,629字/答弁 1,270字

質問本文

今回の税制改革における利子課税制度に関する質問主意書

昭和六十二年度税制改正において、当面の減税財源があるにもかかわらず、世論と野党の反対を無視して、永年国民の生涯計画の基盤として定着しているマル優等の利子非課税制度を原則廃止したことは、「弱者には配慮する」と言いながら不十分であり、結果として次のような欠陥を生ずることになるが、これに対する政府の見解並びに対応策を伺いたい。

一 マル優等を、障害者、寡婦、六十五歳以上の老人等に限つたことにより、その他の適用につき甚だしく税の負担増を招くが、次に掲げる病気その他の理由により他に収入増加の道がなく、生活費の圧縮を余儀なくされる社会的弱者の受ける負担増の実額とその対応策を示されたい。

(一) 交通事故等による遺児で、亡くなつた親の補償金等の利子で生活している者(特に複数の就学中の未成年者で構成される世帯)。

(二) サラリーマンの遺族である寡婦で、遺族年金と、亡夫の退職金、生命保険金で生活している者(特に未成年扶養者がいる場合)。

(三) 定年退職したが再就職できず、退職金を含む老後資金の運用利子で生活している六十歳未満の夫婦(厚生年金未受給)。

一人九百万円の利子非課税を利用し、マル優等限度超過分は総合課税で源泉徴収分を確定申告により全額還付を受けているものとして、新旧税制による負担(可処分所得)の増減額を明示されたい。なお、運用利率については数年前の長期国債、定額貯金等(年率八パーセントあるいはそれ以上)を含んでいれば、平均七パーセントになることを勘案し、高低複数の利率で算定されたい。

二 昭和六十三年四月一日に満六十五歳未満の者の既存の非課税預金に対して、同日以後満期まで課税貯蓄とし、満期前に六十五歳に到達しても非課税とはならないとのことであるが、次の点で問題である。

(一) この年齢では、通常新たに多額の収入はないので、新規預金はできない。

(二) 満期前、途中解約して預け換える場合、途中解約で手数料を取られるものもあり、あるいは金利低下で不利となることが多い。したがつて六十五歳になつて非課税枠が与えられてもすぐに利用できない。

本税制改革案審議中において、老人に対する新マル優の適用年齢の引下げ要求に応じなかつたことは問題であり、さらに金融機関等の手数の簡略化を理由にした、かかる筋の通らぬ適用方法は早急に改善されるべきと考える。

一つの提案として、満期時に満六十五歳に到達する預貯金については新マル優を適用して非課税とし、若し満六十五歳到達前に解約した場合はさかのぼり課税してはどうか。これにより満五十五歳以上になれば、長期国債や定額貯金を利用して老後に備えることが可能となり、高齢化社会に対応する税制改革の主旨に沿うことになるし、金融機関の手数もかからぬと思うが、政府の見解を伺いたい。

三 他の所得にも最低控除額があるにもかかわらず、利子所得だけについて、少額の控除もなく一律二十パーセント分離課税を決めたことは総合課税と言う税の原則にも反し、金持ち優遇(三十五パーセントから二十パーセントへの税率低下)となるのみか、主として利子所得に依存する低所得者の基本的権利とも言うべき、イ基礎控除、ロ配偶者控除、ハ特別配偶者控除、ニ社会保険料控除、ホ生・損保控除、ヘ医療費控除等の基礎的控除さえ不可能にし『弱者への配慮』から甚だしく逸脱すると考える。

金融機関、徴税側の最小限の手数を免れるために、低所得者に負担増を強いるべきでなく、最低限、総合課税の選択の余地だけは残すべきであると考えるが、見解を伺いたい。

四 要するに、今回の税制改革においては、とかく金融機関と徴税側の負担軽減に重点が置かれ、「簡素」「効率」等のみを図り、最も大切な『公平』の原則を逸脱し、大きな被害を受ける弱者を見殺しにする点が問題と思うが、政府としては修正する用意があるか、伺いたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

第百九回国会において成立した「所得税法等の一部を改正する法律(昭和六十二年法律第九十六号)」においては、所得税負担の大幅な軽減・合理化を行うとともに、改正前の非課税貯蓄制度について、多額の利子が課税ベースから外れて給与所得等との間で税負担の不公平をもたらしていること、今日において貯蓄奨励といつた目的で一律的に政策的配慮を加える必要は薄れてきていること等にかんがみ、少額貯蓄非課税制度、郵便貯金非課税制度及び少額公債の利子非課税制度を老人等に対する利子非課税制度に改組するとともに、勤労者財産形成住宅(年金)貯蓄の利子所得等の非課税措置を講じた上、これら以外の利子所得については一定の税率による源泉徴収により他の所得と分離して課税することとされたところである。

一について

御指摘の事例については、それぞれのケースで、どれだけの預貯金を有しているか等が不明であるため、これらについて「新旧税制による負担(可処分所得)の増減額」等を示すことは不可能である。

なお、御指摘の三例のうち、(一)については、交通事故等で父親を亡くした母子家庭は、通常、その母親が「遺族基礎年金を受けることができる妻である者」等として非課税の対象に含まれるものと考えられ、(二)についても、「遺族基礎年金を受けることができる妻である者」等として、非課税が存置される「老人等」に含まれているところである。

二について

御提案の措置の内容は必ずしも明らかではないが、そのような措置を採ることとした場合、このような金融資産を選択した者についてのみ、その利子所得等について六十五歳未満であつても非課税の恩典が与えられることとなるが、これは、老人の範囲を、国の老人福祉に係る諸制度の適用対象年齢等を勘案して六十五歳以上の者とした趣旨に反するほか、税負担の公平を害することとなり、適当でないと考える。

また、御提案の措置には、長期の金融資産を相対的に優遇することとなり、金融資産間の選択をかく乱するおそれがあるという問題もあるものと考える。

なお、今回の税制改正においては、勤労者財産形成年金貯蓄の利子所得等について所得税を課さないこととされ、勤労者の老後への備えについて配慮がなされているところである。

三及び四について

利子所得には、発生の大量性、その元本である金融商品の多様性、浮動性といつた特異性があり、総合課税の適正な執行を確保するためには、捕そく、管理について納税者番号のような大がかりな制度を要するほか、納税者、金融機関、郵便局、国・地方の税務当局に膨大なコストと事務負担を強いることになること等から、現在の納税環境や税務執行体制に顧みれば、直ちに総合課税の対象とすることは、現実的でなく、適当ではないと考える。

このような見地から、一般の利子所得に対しては、一定の税率による源泉徴収により他の所得と分離して課税することとしつつ、老人等所得の稼得能力の減退した者については老人等に対する利子非課税制度を適用すること等により、実質的な公平を図ることとしたものである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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