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税制改革に関する再質問
参議院 第108回 第18号お答えすることは困難 ×1
質問本文
税制改革に関する再質問主意書
去る三月十日提出した税制改革に関する質問主意書に対する答弁書(内閣参質一〇八第八号)の答弁内容は、私の質問事項に対して、抽象的で具体性を欠き、指摘に対する実態把握が不十分であるうえ答弁漏れもあるので、以下の事項について再質問する。
一 「法人税も究極的には個人に帰着する」との漠然たる論理では、法人税減税を売上税(消費税)導入とマル優等廃止という個人の増税財源で実施する論拠にはならない。
例えば、法人の株式配当の引上げがあつたとしても、個人持株比率が二十パーセント台に低下した現状において最終的に、いつ、どれだけ、どの個人に法人税減税が還元されているかは不明確である。また製品価格の引下げや社員のベースアップ等による減税の還元についても相当の時間的な遅れを伴い増税先行の形になるが、これに対する政府の見解を問う。
あくまで法人税減税分の個人還元を主張するなら、いつ、どの様な形で、どの階層に、どれだけ還元されるかを計算根拠と共に明示されたい。
二 給与所得控除が「既に相当の水準となつている」と答弁書で述べているが、給与所得以外の事業所得等については(イ)所得捕捉の不十分、(ロ)過大な経費計上の実態、(ハ)事業と家計との経理区分の不明確等の事実がある。徴税側の事情からこれを解決することが困難であるとするならば、給与所得控除の引上げが、給与所得者の不公平感軽減の、次善ではあるものの唯一つの実施可能な措置と考えるがどうか。ただし中堅給与所得者の負担軽減を考えるならば一案として表のように控除額を定める考え方もあるが、
図 表
この案に対する見解並びにどの様な案ならば給与所得者の不公平感解消の策として実現可能か示されたい。
三 給与所得に対する勤務費用の実額控除に関して、政府案のように極端に適用費目を制限するならば、実額控除の実体は「概算控除」と「他の所得との負担調整」を含む現在の一般的、平均的な給与所得控除には含まれぬ特殊経費となつてしまう。そうであるならば現行の給与所得控除との選択でなく、これに上乗せして認められるべきものであると考えるが、政府の見解を伺いたい。
四 単身赴任手当と扶養手当とを同一視するがごときは事実の誤認も甚しく、この見解は速やかに是正をされたい。単身赴任手当は、業務上の必要に基づき、社命により家族居住の前任地を離れて勤務することにより発生する住居費(出張旅費における宿泊費に相当)、家族居住地との往復交通費(出張旅費に相当)、及びその他二重生活による諸経費の増加分の一部分を「手当」として支給しているものである。出張旅費が実額を原則としているのに対し、単身赴任手当の場合はむしろ実額の一部支給に過ぎず、単身赴任者が支給された手当で賄える経費以外の増加経費については通常の給与所得からの支出を余儀なくされていることは、ほとんど全ての体験者が語つているところである。この実態を無視して、単なる給与所得として合算課税していることは、単身赴任者の生計を不当に圧迫するものである。単身赴任手当非課税の要求は、いわゆる「サラリーマン減税」の問題でなく、不適当な課税実態の是正である点を認識されたい。現行どおり出張旅費手当は非課税で単身赴任手当は課税する政策をとり続けるというならその根拠を明示されたい。
さらに「単身赴任手当」という名称が不明確なら「単身赴任住居費」及び「居住地、任地往復交通費」として実際の支出額に応じてその金額の全部又は一部を企業が支給した場合も課税所得とするか否かの見解を併せて明示されたい。
五 売上税実施による低所得層の負担増については、新設される予定の与・野党合同「税制改革協議会」の協議の進展を待つこととなるが、何らかの形の一般消費税を課すれば福祉年金、遺族年金、雇用保険等の受給者及び所得控除限度未満の低所得者等の所得税ゼロ、従つて所得減税がゼロである者には新たな消費税負担増を生ずる事になる。これら超弱者に対して支給額増等の配慮が必要になると思うが政府の見解を伺いたい。
六 いわゆるマル優等利子非課税制度により「多額の利子所得が課税ベースから外れて不公平」というが、郵便貯金は大衆の貯蓄制度として、マル優、特別マル優についてもそれぞれ少額貯蓄、公社債等利子非課税制度として政府が制定し、その限度額も政府が「少額」として決定したものであり、国民の間に長年定着した制度である。一部に不正利用があるとすれば、それは制度の不備、管理の怠慢によるものであり、また金融機関の預金獲得競争がそれを助長していると思われるが、これに対しては制度を改善して不正利用を摘発是正すべきであつて、一部の不正利用者の存在を理由に制度の原則全廃を即時実施し、大多数の合法的利用者を巻き添えにすることは不当と考えるが、政府の見解を伺いたい。
七 マル優等を廃止する場合の弱者への配慮のうち、優遇措置対象者の年令を六十五才以上とすることについて答弁書の「預貯金等の元本の継続的な管理が必要」とはどういう意味か、なぜ六十五才以上にのみ必要か、「国の老人福祉に係る諸制度の適用年齢を勘案」の事例、内容を具体的に説明されたい。
更に前回質問主意書に説明した給与所得者の定年退職と再就職事情及び配偶者との年令差を勘案すれば適用年令を少なくとも五十五才迄は引き下げるべきであると考える。政府見解を重ねて問う。
八 現行利子非課税制度において、六十一年当初より実施されている金融機関の窓口における「生年月日」と「本人確認」の制度は、コンピューターによる限度管理実施への第一段階ではなかつたのか。
この改正が新規あるいは満期更改の分に限られ、既存の貯蓄(限度)についての「洗い替え」については強制されず、利子支払、途中解約、満期金支払等を黙認している理由は何か。
既存の分も含めて本人確認を励行すれば不正使用を発見でき、また不正利用については遡及して追徴課税等をすべきなのにこれを放置しているのは不可解である。政府の見解を伺いたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
いかなる税も究極的には個人に帰着するものとされており、法人税についても、株式の配当、製品価格等を通じて、時間的な長短はあるにせよ、最終的には、株主あるいは消費者といつた個人の負担に帰着するところである。
税制改革が家計の負担に与える影響については、個々の家計の収入・支出の態様等により異なるところであるが、法人減税を含む政府の税制改革案が全体として平年度において家計の負担に与える影響について一定の仮定の下に試算した結果は、衆議院予算委員会及び参議院予算委員会提出資料(「税制改革の家計の負担に与える影響に関する仮定試算」)として両委員会に提出されているところである。
二について
政府の税制改革案では、税負担についての給与所得者の重圧感、不公平感に対処するため、中堅の給与所得者層の税負担の軽減を主眼に、個人所得課税について思い切つた軽減・合理化を行うこととし、所得税の税率構造の累進緩和を行い、所得税について十五万円、個人住民税について十二万円の配偶者特別控除を創設するほか、給与所得者の特定支出控除の特例を創設し、みなし法人課税を選択した場合の事業主報酬の額について実質的な限度額を設ける等の措置を講ずることとしたところである。
三について
政府の税制改革案において創設することとした特定支出控除の特例は、給与所得者が通常その勤務することに伴つて支出を余儀なくされる支出項目のうちその額が相当程度となり、その負担が担税力に相当程度影響を及ぼすと認められる単身赴任者の往復旅費等の特定支出について、そのような支出による給与所得者の負担をしん酌するという趣旨から、このような負担をしん酌する基準として給与所得控除の全額を採用し、その額が給与所得控除額を超える場合には、申告により、その超える部分を控除することができることとしたものである。
したがつて、この特例は、給与所得控除に上乗せして支出額の全額を控除するといつた性格のものではない。
四について
単身赴任手当は、生活上の掛り増し支出等を考慮して支給されるいわゆる生活給そのものであり、他方、出張旅費は雇用主の事業遂行上本来雇用主が負担すべき費用を実費弁償として支給しているものである。したがつて、その名称及び支給形態にかかわらず、単身赴任手当について税制上出張旅費と同様に取り扱うべき理由はないと考える。
なお、政府の税制改革案においては、単身赴任者の留守宅への帰宅のための旅費等の支出を余儀なくされている給与所得者の負担をしん酌する趣旨から特定支出控除の特例制度を創設することとしたところである。
五について
売上税のような消費一般を原則的に課税対象とする税においては、消費を基準として税負担をみれば比例的なものとなる。したがつて、所得減税の対象とならない低所得者等についても、消費に応じた新たな税負担が生じることは避けられないところである。
しかし、社会保障が格段に充実し、所得の平準化が進んできている現在、税制に期待されている所得再分配の役割も変化してきており、消費に対して比例的な税制を導入することにより、所得・消費等の間でバランスのとれた望ましい税制を構築し、国民がより幅広く薄く公平に税負担を分かち合うことにより社会共通の費用を賄つていくことが必要であると考えている。
なお、年金等については、これまでも物価上昇等に応じ、その額の改善を図つてきているところであり、また、雇用保険失業給付については、受給資格者の前職賃金に対応して低額の層ほど高率となるよう配慮された所定の額が支給される等一定の生活を推持するに必要な水準を確保しているものと考えており、今後とも適切に対処してまいりたい。
六について
政府の税制改革案では、現行の非課税貯蓄制度について、多額の利子が課税ベースから外れて所得種類間の税負担の不公平をもたらしているほか、高額所得者ほどより多くその恩典を受けているという現状にあること等に顧み、少額貯蓄非課税制度及び郵便貯金非課税制度を老人等所得の稼得能力の減退した者に対する利子非課税制度に改組した上、それ以外の利子所得については一定の税率による源泉徴収により他の所得と分離して課税することとしたものであり、これにより実質的な公平が図られるものと考える。
なお、一般的に非課税貯蓄制度について徹底した限度額管理を行うことは、利子所得の所得者及び発生源がおびただしい数にのぼるといつた事情から、金融機関、税務当局、さらには貯蓄者に対して著しく過大な事務負担を強いることとなるので、政府の税制改革案では、簡素で効率的であり、かつ、金融商品相互間で中立的な課税方式として一律の源泉分離課税に踏み切ることとしたものである。
七について
御指摘の「預貯金等の元本の継続的な管理が必要」という記述は、政府の税制改革案による少額貯蓄非課税制度及び郵便貯金非課税制度の適用対象者に所得制限を付さないこととした理由を説明したものである。また、その意味するところは、年々変動する所得を非課税貯蓄制度の適用要件とすることは、継続的な非課税限度額の管理を必要とする同制度になじみ難く、効率的かつ適正な限度額管理及びその円滑な実施を困難ならしめることになるということである。
年齢六十五歳以上の者について政府の税制改革案による少額貯蓄非課税制度及び郵便貯金非課税制度の適用対象者としたのは、老年者控除等老人に係る税制上の措置の適用対象年齢及び老人福祉法による福祉の措置、老齢基礎年金等国の老人福祉に係る諸制度の適用対象年齢等を勘案したものである。
また、給与所得者の定年退職とか再就職といつた人によつて異なる事情に配意してこれらの非課税貯蓄制度の適用対象者の年齢基準を定めることは困難である。
八について
現行の非課税貯蓄制度における非課税貯蓄申告書等への生年月日の記載、一定の公的書類による本人確認等の制度は、昭和六十年度の税制改正において、本人確認の厳正化、名寄せの効率化等による非課税貯蓄制度の濫用防止に資するために講じられたものである。
このような非課税貯蓄制度における本人確認の厳正化等の措置は、昭和六十一年一月一日前に提出された非課税貯蓄申告書に基づき同日以後最初に預入が行われる際にも適用され、いわゆる既往分の貯蓄についても新たな預入があれば本人確認を行うこととされている。
なお、既往分の貯蓄について、新たな預入の有無にかかわらず一定の時期にあるいはその利子等の支払の際に、本人確認義務を課すことについては、非課税貯蓄制度において元本の継続的な限度額管理を行うには預入時に本人確認を行うことが最も合理的と考えられること及び貯蓄者、金融機関の事務負担等を考慮すれば困難と考える。
政府の税制改革案では、六についてにおいて述べた理由から、非課税貯蓄制度について、老人等所得の稼得能力の減退した者に対する利子非課税制度に改組した上、それ以外の利子所得については一律の源泉分離課税に踏み切ることとしたものである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。