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税制に関する質問

参議院 第93回 第11号お答えすることは困難 ×2検討してまいりたい ×2

提出者
参議院
提出日
1980年11月26日
内閣転送 1980年11月29日
答弁書受領日
1980年12月9日
提出から13日
答弁の項目数
4
質問 1,657字/答弁 1,409字

質問本文

税制に関する質問主意書

財政再建に対する政府の姿勢は、行政改革・補助金の整理合理化による歳出の削減という国民が望む方法は今もつて具体的に示されてない。それに対して、大衆課税の強化による増税という安易な財政再建に対しては、極めて意欲的に取り組んでいると言わざるを得ない。それは、十一月七日に示された政府税制調査会の中期答申でも明らかである。

国民の生活が一段と厳しくなつている中で、更に負担増加を強いる政府の税制改正の姿勢は疑問がある。

よつて、以下の諸点について質問する。

一 所得税について

(1) この三年間、所得税減税が連続して見送られているが、三年間の所得の伸び率より所得税納税金額の伸び率がはるかに高く実質増税が続いている。昭和五十三年度以降の三年間において、所得階層別の一世帯(標準家庭)の所得税の実質増税額はいくらになるか示されたい。

(2) 今度の税制調査会答申で述べているように、昭和五十八年度まで所得税減税を見送つた場合、給与所得者等の可処分所得の減少及び実質賃金所得の低下は避けられないと思うが、その推移について具体的試算を示されたい。

(3) 最近、個人消費の落ち込みが顕著であり、景気の先行き見通しは決して明るくない。更に、ここ連続して国民の賃金所得は、対前年同月比で実質マイナスが続いている。

諸般の事情からみて、所得税減税を行うべきと思うがどうか。

(4) パートタイムとか内職に就業する家庭の主婦が増加している。このパートタイムによる所得に対して現行法上では、給与所得控除の五十万円、配偶者控除の二十万円の合計七十万円を上回る所得の場合には配偶者控除が適用されず、また所得が七十九万円以上になると本人にも課税される仕組みとなつている。

この制度は、昭和四十九年以来据え置れたままである。六年前と現在では、パートタイムの名目賃金の上昇にしたがつて、課税額も増加しているし、またパートタイムを必要とする経済環境の変化から考えて当然改善されるべきと思うがどうか。

また、内職の所得に対する課税面も同様に改善すべきではないか。

(5) 所得の捕捉上生ずる税負担の不公平を是正する必要があると思うが、政府は、具体的にいかなる方策を考えているか。

また、今回の中期答申において、大型消費税の導入について、「全体として実質的公平を確保できる税制を維持していく観点から」もこの大型消費税が必要であるという文言があるが、これは具体的にいかなることを示すのか、その意味を示されたい。

二 法人税について

(1) 政府は法人税について、わが国の場合は諸外国との比較で法人の税負担の増加は可能とし、二%の税率のアップを言つているが、それによる法人税増収額及び二%アップの根拠を示されたい。

(2) 企業倒産件数は、危機ラインをはるかに超し、また、これから先の景気の落ち込みが心配されている中で、二%の税率アップの景気に対する影響及び物価への波及をいかに考えているか示されたい。

(3) 中小企業に対して現在、軽減税率制度が適用されているが、先の中期答申では、この制度発足当初に比較し基本税率との差が五%から十二%に拡大しているとし、今後、基本税率との差を縮小する方向を言つているが、具体的にどう考えているか、特に来年度税制改正ではこの制度の改正も行うのか示されたい。

(4) 交際費の損金算入の縮減が検討されているが、その具体的内容を示されたい。

三 相続税について

中期答申において、事業用財産の取り扱いについては現行制度でよしという方向を示しているが、中小企業者の事業用財産と農業の農地等の相続の際の税制上の不公平は事実として存在する。

何らかの対策は必要と思うがどうか。

四 間接税について

政府は、新たな税の増収は広く消費に着目する間接税の創設を強調しているが、先に国民より否定された一般消費税と同様のものか、あるいは別のものか、違うとすればいかなる点が異なるのか具体的に示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

(1) 所得税の納税者は、給与所得者、事業所得者等様々であり、また、社会保険料負担の状況等計算の基礎となる前提も区々であり、昭和五十三年以後三年間における所得階層別の所得税の増加額を具体的に示すことは困難である。

なお、一般的に、累進税率が適用される所得税においては、所得の増加割合に対し所得税額の増加割合が上回ることになるが、我が国の場合、個人所得に対する所得税負担率は主要諸外国のそれに比べかなり低い水準にある。

(2) 昭和五十八年までの物価、賃金の上昇率等計算の前提となるべき計数が明らかでないので、給与所得者の可処分所得等の推移について具体的試算を示すことは困難である。

(3) 我が国の現下の財政事情等からみて、所得税減税を実施し得る状況にはないと考える。

(4) 控除対象配偶者の所得要件の問題については、配偶者に所得のある世帯とない世帯との税負担の均衡等の問題があり、慎重に検討してまいりたい。

(5) 課税の公平確保については、そのために必要な納税環境の整備という観点から今後具体的な検討を進めるほか、執行面においても、納税者の納税道義の高揚を図るとともに、高額・悪質な脱税を行つている者に対する調査を重点的に実施することにより、適正・公平な課税の実現に努めてまいりたい。

我が国の現行間接税は個別消費税体系をとつているため、民間最終消費支出に対する間接税等の割合が主要諸外国に比して低く、しかも、この割合は長期的に低下する傾向にある。御質問のいわゆる中期答申においては、このような傾向は、所得課税とあいまつてバランスのとれた税制を形成し、税体系全体として、制度、執行両面にわたり、実質的な負担の公平を期していくという観点から問題があると思われるとされたところであり、御質問の文言は、このような認識に立つて述べられているものと理解される。

二について

(1)及び(2) 昭和五十六年度税制改正において法人税率の引上げを行うかどうか、引上げを行うとした場合に引上げ幅をどの程度にするかについては、歳出の縮減合理化の状況、税収の動向、各税目の負担水準等を考慮しつつ、現在検討を行つているところである。

(3) 中小法人の軽減税率の取扱いについては、右に述べた法人税率の問題の一環として、現在検討を行つているところである。

(4) 交際費に対する課税については、累年強化され、既にかなりの程度に達しているが、今年度末に現行制度の適用期限が到来することから、交際費支出の状況等を勘案し、現在検討を行つているところである。

三について

農地についての相続税の納税猶予の特例は、農地については法制上所有と経営が不可分とされている等の特殊事情があることを考慮して設けられているものである。

中小企業者の事業用財産については、農地と同様の事情にあるとは認められず、農地と同様の制度を設ける必要はないと考える。

四について

広く消費に着目する間接税については、いわゆる中期答申において、引き続き論議を重ねることが適当であるとされたところであるが、その仕組みについては、今後、新たな観点から、諸外国の立法例や沿革等も参酌しつつ、我が国の経済取引の実情に即して具体的に検討していく必要があるとの考え方が示されているにとどまつている。政府としては、このような観点を踏まえて、今後、検討してまいりたいと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2検討してまいりたい ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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