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杉の花粉症対策としてのディ-ゼルエンジンの使用制限に関する質問

参議院 第112回 第7号

提出者
参議院
提出日
1988年3月7日
内閣転送 1988年3月9日
答弁書受領日
1988年3月25日
提出から18日
答弁の項目数
6
質問 1,423字/答弁 634字

質問本文

杉の花粉症対策としてのディーゼルエンジンの使用制限に関する質問主意書

本問題については、一昨年十二月三日付質問主意書の中で政府の対策を質し、十二月二十六日付で政府の答弁書が送付されているが、その後具体的に対策が講じられた形跡がないので、ここに再び問題を提起し、政府の見解並びに対応を伺いたい。

すなわち、毎年早春になると、杉の花粉によるアレルギー症が蔓延し、数百万人(人口の七~八パーセント)の患者が鼻ミズ、クシャミなどの発作で苦しむが、現在のところ決め手になる治療法がなく、拱手傍観してシーズンの過ぎるのを待つほかない状態である。

しかも年々患者は増え続けている。一方、同症の原因としては直接因子の杉の花粉のほかにベーシックな条件として、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるディーゼル排出微粒子(DEP)の存在が有力視されている。

そこで、政府の対応並びに見解について質問する。

一 DEPと杉の花粉症の因果関係はまだ医学的な定説にはなつていないものの、状況証拠は極めてクロに近く『疑わしきは排除する』という建前からすれば杉の花粉症対策としてディーゼルエンジンの使用制限を早急に検討すべきではないか。

二 ガソリンエンジンには厳重な排ガス規制が実施されているのに対し、ディーゼルエンジンの排ガスが見逃されているのは片手落ちではないか。

ディーゼルエンジンのメーカーや利用者側の論理としてはエンジン構造や技術的な問題を揚言するだろうが、一般の人々にとつては排ガスの有害性は両エンジンとも同じである。もしディーゼルエンジンがガソリンエンジン並の排ガス規制値をクリヤーできないなら、ディーゼルエンジンの使用を禁止し、ガソリンエンジンで代替させるべきではないか。

三 ディーゼルエンジン燃料の軽油引取税を引き上げ、少なくともガソリンと同価格にして、ガソリンエンジンへの転換を促進すべきであると考えるが、政府の見解はどうか。

四 ディーゼルエンジンには『低速でハイトルク』などがガソリンエンジンでは得られない特徴が存在するが、逆にこういう特徴のためにディーゼル燃料費が高くなつても十分対抗できるはずである。

そもそもディーゼル燃料(軽油)を割安に設定しているのは、生産者サイドのメリット(石油分溜生成品の処分、あるいはディーゼルエンジン使用による燃費効率などの生産性)によるものであり、消費者サイドの都合ではないと考えるが、政府の見解を伺いたい。

五 仮に牽強付会的に燃費や生産性がよくなることは、消費者にとつてもメリットがあるとする論理が持ち出されるにしても、昨今の日本は世界第一の経済大国になり、これ以上生産性を追求することはかえつて他国に悪影響を及ぼすと懸念されている状況ゆえ、むしろチャンスを見つけて生産中心主義から脱皮すべきではないか。

六 更にこれに関連して、日本は人口密度が高いこともあり、健康にわずかでも懸念のある方法で経済性を追求することは厳に慎しむべきである。その観点からも杉の花粉症にDEPが関係している疑いが指摘されている以上、とりあえずはディーゼルエンジンの使用を制限して、『花粉症とDEPの因果関係』を追求した後、シロの結論が出た場合にディーゼルエンジンの使用自由化を再開すべきではないか。

それとも政府は今後とも生産者(輸送も含む)サイドの利益と都合を優先させる所存か。具体的な見解と今後の対応策を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

ディーゼル自動車から排出される粒子状物質については、低減を図るべきであると考えており、現在、中央公害対策審議会において昭和六十四年度中の答申を目途に検討を行つているところである。

二について

ディーゼル自動車に係る排出ガス規制については、逐次規制強化を実施してきたところであり、さらに、昭和六十一年七月の中央公害対策審議会中間答申に基づき、本年から昭和六十五年にかけて窒素酸化物の規制強化を図ることとしている。

なお、同審議会においてディーゼル自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の低減等について、昭和六十四年度中の答申を目途に引き続き検討を行つているところである。

三について

軽油引取税の税率の引上げによつて、ディーゼルエンジンからガソリンエンジンへの転換を促進することについては、地方道路特定財源としての本税の性格等から適当でないと考える。

四について

軽油等の石油製品価格は、需給関係等による市場メカニズムにより形成されている。

五について

政府としては、国際協調と並んで、生産性の向上、これによる生活水準の向上も重要であると考える。

六について

政府としては、国民の健康を守ることは最重要課題の一つであると考えているが、国民生活上、経済性や効率性を追求することも重要であると考える。

なお、現在、中央公害対策審議会においてディーゼル自動車から排出される粒子状物質の低減について、昭和六十四年度中の答申を目途に検討を行つているところである。

参議院の原文

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