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国連安全保障理事会決議665に関する質問

参議院 第120回 第1号

提出者
参議院
提出日
1990年12月10日
内閣転送 1990年12月12日
答弁書受領日
1991年1月11日
提出から32日
答弁の項目数
4
質問 1,078字/答弁 648字

質問本文

国連安全保障理事会決議六六五に関する質問主意書

一九九〇年八月二五日議決された国連安全保障理事会決議六六五(以下決議六六五とする)は、マスコミにおいて限定的武力行使容認決議と名付けられるなど、あたかも安全保障理事会においてイラクへの武力行使が認められているがごとく世間一般では受け止められている。また政府の国会答弁においてもこうした見解を容認するがごとくの答弁が繰り返されている。さらには政府は、この決議に基づいて派遣されているとされる多国籍軍に対して、支援と称して国民の貴重な血税を多額にわたり支出している。

しかし安保理が限定的武力行使を認めたとされる同決議第一項は、「安全保障理事会の権限の下、船荷とその目的地についての査察と臨検、及び決議六六一(一九九〇年)に提示された海輸に関連する規定の厳密な履行を確保することを目的として、全ての出入り船舶に対して停船が必要とされるような場合に、個々の状況にふさわしい手段の行使を、当該地域に海洋部隊を展開中で、クウェート政府と協力する国連加盟諸国に要請する」とあり、この中では武力行使という言葉は一切入っていない。勿論その他の項においても同様である。

このようなあやふやな決議によって武力行使が認められ、かつそれに対する支援が正当化されて良いものなのか、政府の見解を明確にするため、以下質問する。

一 決議六六五第一項において、当該地域(the area)に海洋部隊(maritime forces)を展開している国連加盟諸国は、「個々の状況にふさわしい手段の使用」(use such measures commensurate to the specific circumstances)を要請されている。ここでいう「個々の状況にふさわしい手段」に武力行使が含まれていると日本政府は解するのか。

二 第一項は、臨検等を目的としてイラクを出入港する船舶を停船させることを、海洋部隊に対して認めたものであり、船舶のイラク出入港すべてを封鎖することを認めたものではないと解するが、政府の解釈はどうか。

三 第一項における「海洋部隊」とは、もちろんサウジアラビアに派兵されている米陸軍を指すものでないことは明らかだが、念のため政府の見解を明らかにされたい。

四 一、二、三において政府がそう解釈する根拠は何か。

五 「海洋部隊」(maritime forces)の定義を明らかにされたい。

六 決議六六五が掲げるどの条項が、湾岸地域への地上軍の派遣を根拠付けているのか、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

国際連合安全保障理事会決議六六五主文第一項は、クウェイト政府に協力してイラク近傍に海上部隊を展開している国際連合加盟国に対し、国際連合憲章第七章の下で決定された対イラク経済制裁措置の厳格な実施を確保するために、必要な場合に出入港する船舶の貨物及び目的地を調査し確認することを目的として、これら船舶を停船させるために個別の状況に照らして適当と認められる措置を安全保障理事会の権威の下にとることを要請しているものであると理解している。

このような措置が武力の行使を含み得るかについては、同決議採択の際に、安全保障理事会構成国(以下「構成国」という。)のうち大部分の国は見解を明らかにしておらず、見解を明らかにしている国の中にも、米国、英国等のように同決議は経済制裁措置の厳格な実施のために必要最小限の武力の行使を認めているとの見解を表明している国がある一方、異なる見解を表明している国もあり、構成国の中でも見解は一致していない。

三及び五について

国際連合安全保障理事会決議六六五主文第一項にいう「海上部隊」とは、対イラク経済制裁措置の厳格な実施を確保するため、国際連合加盟国によりイラク近傍の海上に展開されている兵力を指すものと理解している。

四について

国際連合安全保障理事会決議六六五主文第一項の規定振り及び同決議採択の際に表明された構成国の見解から判断したものである。

六について

国際連合安全保障理事会決議六六五自体は、湾岸地域への陸上兵力の展開につき特に規定していない。

参議院の原文

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