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鉄資源のリサイクル促進等に関する質問

参議院 第122回 第14号お答えすることは困難 ×1

提出者
参議院
提出日
1991年12月19日
内閣転送 1991年12月21日
答弁書受領日
1992年1月10日
提出から22日
答弁の項目数
9
質問 1,290字/答弁 2,543字

質問本文

鉄資源のリサイクル促進等に関する質問主意書

鉄スクラップ価格の暴落、電気炉メーカーによる鉄スクラップ引き取り抑制は、鉄資源のリサイクルに重大な危機をもたらしている。スクラップ回収業者は営業困難に直面し、金属加工業者は切粉の処理が滞り、鉄資源がゴミ化し、しかも逆有償によって自治体のゴミ行政、財政は重大な影響を受けている。

こうした事態を放置すれば、リサイクルを支えてきた回収業者を転廃業に追いつめ、ゴミ問題を一層深刻化させる結果になる。これは、いわゆるリサイクル法(再生資源の利用の促進に関する法律)に逆行する事態である。

地球環境・資源の保全、ゴミ問題解決のためにも、政府が、事態打開のために直ちに、必要な対策をとると同時に、鉄資源の恒常的なリサイクルシステムを確立するために制度上の整備を図ることが求められている。

解決の促進を求め以下、質問する。

一、政府は、鉄スクラップをめぐる現在の事態と今後の見通し、ゴミ問題への影響など、どのように認識しているのか。

二、現在の事態は、建設資材の需要後退に直接的原因があるが、同時に、みずからの利益確保のために、引き取り量抑制、低価格を回収業者に押しつける電気炉メーカー、大手問屋の対応にも原因がある。しかも、問屋によって、鉄スクラップ買い入れ価格に大きな違いがある。

既に私は通産省との交渉の際に、電気炉メーカー、問屋、回収業者に対する実態調査を要求してきたが、その結果を明らかにされたい。

三、特に電気炉メーカーは、鉄スクラップの納入価格を極端に低く抑えながら、生産調整によって製品価格は維持し、利潤を確保しようとしている。

こうした電気炉メーカーに対して、日本鉄源協会での対応任せとせず、適切な引き取り価格と引き取り量を維持するよう、指導すべきと考えるがどうか。

四、回収業者は、これまでも鉄資源のリサイクルを支え、重要な役割を果たしてきたし、これからもその役割はますます重要となっていく。しかし、今回の事態に直面して転廃業が広がろうとしており、これはリサイクルシステムの崩壊に通じるものである。

現在の窮状から回収業者を救うために、どのような対策をとろうとしているのか。

五、現在の事態は決して一過性とは言いがたい。今後の鉄スクラップ発生量と、需要の長期的見通しをどのように試算しているのか。

六、鉄スクラップの過剰傾向が今後とも進むことが予想されるなかで、どのように供給に見合った再資源化のリサイクルシステムを確立しようとしているのか。

七、需給のバランスを保つ上で、鉄クズ、銑鉄の輸入の抑制を検討すべきと考えるがどうか。

八、鉄スクラップの供給過多は、高炉で一定量の鉄スクラップを使用することで十分解消できる。高炉メーカーに対して鉄スクラップ使用を働きかけるべきと考えるがどうか。

九、今こそ、再生資源の利用の促進に関する法律がいかされなければならないと考える。鉄スクラップの供給に見合うリサイクルを促進するために、法の「特定業種」に「製鉄業」を指定し、市中の鉄スクラップ使用比率を示すべきと考えるがどうか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

最近の景気の減速に伴う鋼材需要の減少による電気炉メーカーの減産等によって、原料の鉄スクラップの価格が低落して資源回収業者の事業活動等に困難が生じていること、また、従来有価で回収業者に引き取られていた鉄スクラップについて、逆に引取り費用を要求されたり、引取りを拒否される事例が多くなってきたため、引取り費用についての予算措置、処理すべきごみの増加への対応等市町村の負担が増大していることは承知している。

二について

通商産業省が、最近、普通鋼電炉工業会を通じて行った調査によると、関東地方における普通鋼電気炉メーカー全十八社の平成三年十月末時点における鉄スクラップ在庫量は約二十一万トンで、同年三月末時点に比べ、約六万トン、三十六・五パーセントの増加となっている。また、通商産業省が社団法人鉄リサイクル工業会を通じて行った調査によれば、全国の鉄スクラップ問屋のうち四百八十五社の平成三年十一月末現在の鉄スクラップの在庫量は約九十二万五千トンで、そのうちの約四十六パーセントが過剰在庫との回答であった。

三について

鉄スクラップの引取りの量及び価格に関しては、基本的には、企業間の個別の取引の問題であり、政府が介入すべきものではないと考えられる。しかしながら、政府としては、電気炉メーカーに対して、鉄スクラップの安定供給の確保という観点から、長期的視点に立った対応を図ることが適当であるとの問題意識を喚起してきたところである。

四について

鉄スクラップ回収業者の経営の安定化のためには、鉄スクラップの需給や市況の安定化が望まれるが、これは基本的に市場の経済原則の下で解決されることが望ましいことから、政府としては、まず、関係業界間で対応策を検討・調整することを促しているところであり、関係者の本問題への取組状況を見つつ、適切な対応がなされるよう指導に努めていくこととしている。なお、一般廃棄物として散在性の高い飲料缶については、分別を容易にすることによって再資源化の促進を図るという観点から、平成三年十月に施行された再生資源の利用の促進に関する法律(平成三年法律第四十八号)において、スチール缶とアルミ缶の識別表示を義務付けたところであり、さらに、平成二年十二月の産業構造審議会答申「今後の廃棄物処理・再資源化対策のあり方」を踏まえ、スチール缶の再資源化対策を推進しているところである。

また、平成三年に廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)を改正し、鉄スクラップ回収業者を含む廃棄物再生事業者の都道府県知事登録制度を創設し、市町村が一般廃棄物の再生に関して登録廃棄物再生事業者に対して必要な協力を求めることができること等の規定を新たに設けたところであり、これらの規定を活用し、廃棄物の再生に関する再生事業者と市町村や住民団体との連携・協力体制が確立されることにより、ごみとして排出される鉄スクラップの回収がより合理的に進むものと考えている。なお、登録廃棄物再生事業者の施設の用に供する土地について、特別土地保有税を非課税とすることとしている。

五について

政府として鉄スクラップの発生量及び需要を長期的に予測したものはないが、社団法人日本鉄源協会が平成三年六月に発表した「我が国鉄くずの供給見通し」では、千九百九十五年度における鉄スクラップの供給量は、一定の前提条件の下で、五千三百六十三万トン程度と見込まれている。

六について

我が国における鉄スクラップのリサイクルについては、鉄鋼業の生産工程で発生した副産物としての鉄スクラップが有効利用されているとともに、他産業等の産業廃棄物や一般廃棄物から回収される鉄スクラップについても経済原則に則した市場を通じて再資源化されているところである。さらに、今後鉄スクラップの供給の増大が予想される中で、関係業界においては、例えば、鉄スクラップの輸出の増加により、国内の鉄スクラップの需給バランスの維持を図ることも検討されているところである。

また、中長期的には、低品質のスクラップを再生資源として有効に利用するための技術を開発することも、リサイクルの促進の観点から有効であり、政府としてもこのような技術開発に対する支援を行っているところである。

七について

最近、国内における鉄スクラップの需給が緩和していることから、鉄スクラップ及び銑鉄の輸入は、当面、品質維持等の理由により必要なものを除いて、基本的に減少していくものと考えられ、輸入抑制のための措置を採る必要はないと思われる。

八について

高炉による製鉄法では、主原料として鉄鉱石を用いており、現在、原料のうち鉄スクラップの使用比率は一割弱であるが、この比率を更に引き上げることについては、製鋼技術、品質管理、品種構成等の関係で、現状では、ほぼ限界となっている。

しかしながら、高炉各社は、鉄スクラップの供給が将来的に増大していくとの予想を踏まえ、中長期的に、鉄スクラップの利用を拡大していくための技術開発に取り組み始めており、政府としてもこれを支援しているところである。

九について

再生資源の利用の促進に関する法律における特定業種の指定の考え方は、(1)廃棄物の発生量が多く十分に有効利用が行われていない等、特に有効利用を図る必要性が高いこと、(2)事業者への義務付けによって、実際に相当の効果が期待できること、(3)事業者への義務付けによる対策が技術的かつ経済的に可能であること、の三点を基準として考えている。

鉄鋼メーカーのうち、電気炉メーカーは鉄スクラップを主原料としているため、原料のほぼ全量が鉄スクラップとなっている。また、高炉メーカーについては、鉄鉱石を主原料としているため、鉄スクラップの使用は原料の一割弱であるが、製鋼技術、品質管理、品種構成等の関係でほぼ限界になっている。

したがって、現時点で製鉄業を再生資源の利用の促進に関する法律上の特定業種に指定して市中の鉄スクラップ使用比率を顕著に高めることは技術的に困難であるが、政府としては、鉄スクラップの利用を中長期的に拡大していくための技術開発に対する支援を行っているところである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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