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原子力発電施設におけるインターナルポンプ設置認可に伴う政府の認識とその根拠に関する再質問

参議院 第122回 第4号お答えすることは困難 ×1承知していない ×7検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
1991年11月29日
内閣転送 1991年12月4日
答弁書受領日
1992年1月28日
提出から60日
答弁の項目数
3
質問 5,944字/答弁 6,385字

質問本文

原子力発電施設におけるインターナルポンプ設置認可に伴う政府の認識とその根拠に関する再質問主意書

私が第百二十一回国会で提出した本年八月二十三日付け質問四号に対する十月一日付け内閣参質一二一第四号の答弁書について検討した結果、東京電力柏崎刈羽原発六・七号機の設置認可にかかわる安全審査に疑義が生じた。よって、以下の項目につき明らかにされたい。

一、原子力工学試験センターの試験について

1 財団法人原子力工学試験センターの「原子炉内蔵型再循環ポンプ設備確証試験に関する調査報告書」は通産省資源エネルギー庁から貸し出しを受けて目を通したが、このような報告書は、原子力の公開の原則にのっとり、要望があれば頒布できる程度の部数を印刷し、要望に応えられるようにすべきだと考えるが、どうか。

2(1) 「インターナルポンプ設備確証試験」(以下、確証試験」という。)の試験装置は、インターナルポンプ十二台設置の六分の一セクター(六十度)であるが、実機と同じ十台設置模擬で行うべきと考えるが、どうか。

(2) 「インターナルポンプ溶接部等信頼性実証試験」では、十台設置模擬を行うのか。

3(1) 前記質問四号の質問一の9の(2)項についての答弁は、確証試験報告書の記載と異なるのではないか。(確証試験報告書4.2.5.4.2「ABWRの評価」参照)

(2) 実機のインターナルポンプ及びノズル等の詳細な図面を知らずして、このようなノズル部等の応力評価はできないと考えるが、どうか。

(3) 実機の詳細設計が基本設計と異なったときは、基本設計の変更申請が行われねばならないと考えるが、どうか。

4 前記質問四号の質問一の9の(3)から(7)の答弁は、確証試験報告書を参照すると錯誤ではないかと思われる。

(1) 疲労破壊評価は「発電用原子力設備に関する構造等の技術基準」(昭和五十五年通産省告示第五百一号)にいう運転状態I、II及び試験状態などについて行ったのではないか。

(2) 想定した運転状態は、起動、降下、スクラム、圧力試験、異常運転などと考えられるが、それらの状態の原子炉の温度・圧力・その時間変化率及び繰り返し回数はいくらと仮定したか。(告示五百一号には規定がないので、再度問う。)

5(1) 確証試験において使用されたインターナルポンプの慣性定数は約〇・六秒であった(同報告書一二三頁)。これは実機の設置変更許可申請書(以下、「申請書」という。)に記載された約〇・七秒以上という仕様から外れているので、このインターナルポンプは実機用としては使用不可と考えられるが、どうか。

(2) 確証試験に用いられたインターナルポンプとこの報告書で解析評価された実機インターナルポンプの異なる所を具体的に挙げられたい。

(3) 前記両インターナルポンプの安全性の確認のために使用した諸元(板図、材質、曲部の曲率等)を明らかにされたい。

6 安全審査に用いられたインターナルポンプの性能特性は、確証試験報告書の4.2.1「水力特性試験」によって得られた結果であるかどうか。

そうでなければ、その出典を示されたい。

7 同報告書4.2.2「振動特性試験」について

(1) ポンプの振動特性に固体差があることが示されているが、同一仕様の製品でも固体差のあることはよく知られたことである。とすれば、実機に用いられる十台のインターナルポンプは所定位置に取り付けて後、各々振動特性を試験せねばならないが、いつ行うのか。また、実炉での試験に危険はないか。

(2) 二台ポンプ不均衡運転のとき振動が大きくなっているが、実炉で三台ないし四台不均衡運転のときの振動安全性試験をするのか。

(3) インペラ及び軸の曲げ及びねじり振動解析が行われていないが、なぜか。

(4) モータケースの固有振動数がインターナルポンプの運転範囲中にあるが、これを外すように勧告すべきではないか。

(5) ディフューザ/インペラ間のギャップは一ミリメートルを前提に安全の議論をしているが、実機では一ミリメートル以上と考えてよいか。

8 同報告書の4.2.5「原子炉圧力容器ノズル(ポンプ取付用)の応力および熱変形試験」について

(1) 応力解析で歪が最大になる箇所での計測データがないが、これでは応力的に最も厳しい条件を確認できないではないか。

(2) 応力評価をする場合に最も重要な箇所であるインターナルポンプハウジングとノズルの溶接部(P03からP08)の計測データがない。したがって、応力解析の妥当性は証明されていないのではないか。

(3) 計測点SGE-106歪一六〇〇με(図4.2.5-14)は応力に換算して三二キログラム毎平方ミリメートルと理解してよいか。

(4) 解析に用いた応力集中係数(一八一頁(5)(e)項)の根拠は何か。

(5) インターナルポンプハウジングとノズル間の変位データがないが、安全上重要と考えなかったのか。

9 同報告書の4.2.7「連続運転試験」について

二千時間の運転はポンプ回転数にして十の八乗回にすぎない。疲労現象を考えると、最低十の九乗回以上の連続運転が必要と考えるが、どうか。

10 同報告書の4.2.8「インターナルポンプおよび試験容器ポンプ取付ノズルの分解点検」について

分解検査の結果は、ジャーナル軸受、スラスト軸受や逆転防止器に条痕が見られた。またモータステータには内部に黒錆がみられた。これらは連続運転を続けると故障に発展する可能性を示すものではないかと考えるが、どうか。

二、東京電力柏崎刈羽原発六・七号機について

1 柏崎刈羽原発六・七号機のインターナルポンプおよびノズル部の健全性の確認は、工事認可申請で詳細図面が提出されてから行うのか。

2(1) インターナルポンプの破損の可能性について検討したか。

(2) 検討したとしたら、その時列挙した原因をすべて挙げよ。またもし検討をしていなかったならば、その理由を明らかにされたい。

(3) 破損の確率をどのくらいと評価したか。

3(1) インターナルポンプが全台停止し、スクラムがかからない場合、その後急に高回転数で再起動したら、炉心のボイドは急に流され、反応度が投入されるが、この過渡事象ないし事故を検討したことがあるか。

(2) あるとしたら、その検討内容を示されたい。またもし検討したことがないとすれば、その理由を明らかにされたい。

(3) (1)の場合、インターナルポンプの上方にある給水ノズルや緊急炉心冷却系のノズルから、冷水が流入する場合を想定しているか。

(4) スクラム信号に炉心流量急増を入れるべきではないか。

4 先行炉の外部付再循環ポンプと比べ、政府や電力会社はインターナルポンプの長所についてだけの指摘をしているが、その短所については何も触れていない。いったいどのような短所を持っていると認識しているか。

5 申請書添付書類八の「運転特性図」において

(1) インターナルポンプのキャビテーション運転を是認しているのか。

(2) 自然循環は点線になっているが、行わないということか。点線表記は何を意味しているのか説明願いたい。

(3) 自然循環を行わないのであれば、流量低下信号でスクラムすべきと考えるが、どうか。

(4) 一〇二パーセント出力制御棒パターンで炉心流量一一一パーセントのとき出力は一〇八パーセントになるが、出力を一〇二パーセント以下に抑える自動装置(インターロックなど)は付いているのか。

(5) また、炉心流量五〇パーセント以下で出力の自動制御を行わない理由を明らかにされたい。

6(1) 一一一パーセント炉心流量運転が許されているのなら、申請書添付書類十の事故解析において、事故シナリオの最も厳しい場合として炉心流量一一一パーセントの仮定を用いるべきであると考えるが、どうか。

(2) もしそれを行っているとしたら、その内容を示されたい。

(3) 添付書類八の動特性の解析についても一一一パーセント炉心流量時に行うべきと考えるが、どうか。

7(1) インターナルポンプの定期検査に関し、ポンプの分解の仕方、点検方法、組み立て方法及び溶接部の点検方法について説明されたい。

(2) 溶接部の点検方法の根拠となっている規則の条文を指摘して説明されたい。

8 自然循環時の最小限界出力比MCPRについて、その出力がパラメータに展開されたときはどのようになっているか示されたい。

9(1) 添付書類八の動特性解析は、運転範囲の全領域及び事故時についても行うべきと考えるが、どうか。

(2) もし、行っているとしたら、その内容を明らかにされたい。

(3) 自然循環時の動特性解析を示していただきたい。

(4) 当然、インターナルポンプが全台停止し自然循環状態になり、出力が減って給水加熱喪失となった場合も想定していると思うが、その場合のものを示されたい。

10(1) 圧力容器内部構造物について、「必要な強度及び機能を保持することができるように設計されることを確認した」(「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置変更(6、7号原子炉の増設)について」原子炉安全専門審査会………以下、「審査会報告」という。)とされているが、何に基づいて確認したのか。各々具体的に内部構造物の種類及び運転状態(通常運転時、異常な過渡変化時、事故時)について、文献名又は試験名を挙げて明らかにされたい。

(2) また、その確認の根拠がインターナルポンプ採用炉心に対してかどうかを、それぞれについて明らかにされたい。

(3) とくに、燃料棒の振動及びフレッティングコロージョン、気水分離器の振動及びブローダウン時の各々の強度などについては詳しく示されたい。

11(1) 添付書類八では、原子炉のスクラム信号として炉心流量急減信号がつけられ、詳細設計で設定値が与えられる(第8.4-1表)とされているが、添付書類十の再循環ポンプ全台トリップ事故の事故解析では、この信号が第3.2-1図に与えられた設定値で働いてスクラムするシナリオになっている。そこで尋ねるが、スクラム設定値は同図の設定領域より十分大きくならなければならないと考えるが、どうか。

(2) 炉心流量七〇パーセント以下では同信号によるスクラムがなくても安全性は確保されるのかどうか、証明されたい。

12 「インターナルポンプの部分台数運転条件においても炉心流量の分布を偏りなく十分な精度で計測できることを確認した」(審査会報告)とされているが、炉心流量の計測点の数、位置、センサー名を明らかにされたい。

13 インターナルポンプに四台同時停止という再循環ポンプトリップ機能が付けられているのだから、添付書類十の異常な過渡事象中、再循環ポンプの故障の解析において、少なくとも四台停止の場合の解析も行うべきと考えるが、どうか。

14 インターナルポンプの軸固着事故によるポンプハウジングの健全性は確認されているのか。

15 事故解析では、高圧炉心注水系配管(HPCF配管)および給水配管の径は各々いくらと仮定しているのか。

16 インターナルポンプが動バランスを失ってノズル部が破損する冷却材喪失事故をなぜ想定していないのか。想定しなかった根拠を明らかにされたい。

17(1) 通産省告示五百一号は第一種容器に回転機械が取り付けられることを想定して作られたのか。

(2) その第十七条(穴と補強)一項五号には「ただし、著しい配管反力がない場合は、この限りでない。」とあるが、回転機械の動バランス喪失による破壊エネルギーが著しい配管反力を超える場合の規定を作る必要があるのではないか。

三、海外インターナルポンプ情報その他について

1(1) 海外のインターナルポンプの故障・不具合事例情報については、これが公開できるよう、相手方の了解を得る努力をすべきではないか。

(2) 政府の答弁書に列記されているインターナルポンプ採用の原子炉中、原子炉の運転が止まったもの、あるいは定期検査中に不具合が発見されたものがあるか。もしあるとすれば、詳細な情報は別としても、それがインターナルポンプにかかわるものかどうか程度は明らかにすべきではないか。

2(1) 海外のインターナルポンプと日本のそれの違いの一つは軸受けである(日立評論七〇巻四号「ABWR(改良型沸騰水型原子炉)改良技術の実用化への展開」日立製作所発行)という。軸受けの寿命(オーバーホール期間)はいくらか。また、その間の信頼性は実証されていると考えているか。

(2) その他の、海外のインターナルポンプと日本のそれの違いを挙げられたい。さきの答弁書のようにウエットモータ型とドライモータ型というだけでは説明になっていない。構造上の相違点、効用や、対比しての長短、その他の評価等具体的に明らかにされたい。

(3) 確証試験に使用したインターナルポンプのメーカーはどこか。

3(1) 電力共通研究で行った試験は安全審査に供されたか。

(2) 供されたとしたら、何に関することか、できるだけ具体的に述べられたい。

(3) 同じ安全審査に供された試験研究で、民間で行われたものとの比較は行っていないと答弁されているが、もし民間の試験が完全に信頼できるとするならば、改めて別に試験をする必要はなかろう。反対に、民間の試験の信頼性に疑義があったり、あるいは試験項目に不足するものが有りとする場合は、比較検討して以後の民間の試験研究に対する指針とすべきであろう。財団法人原子力工学試験センターが実施した意味は何なのか。

4(1) 安全審査に提出された資料で、設置変更許可申請書以外のものもあるのではないか。

(2) あるとしたら、工業所有権に関するものを除きすべて公開されるべきではないか。安全性の内容を示すことなく、安全性が確認されたと述べるだけでは政府への不信感が増幅するだけである。政府の認識を問いたい。

5(1) 工事認可申請書及びその添付書類は、詳細設計として具体的な安全性の内容が含まれている。工業所有権に関する事項を除きすべて公開されるべきと考えるが、どうか。

(2) とくに、柏崎刈羽六・七号機の場合、原子力安全委員会から安全確認の申し送り事項を言い渡されたのであるから、工事認可に関する書類は工業所有権に関する事項を除いてすべて公開されるべきである。この点に関して、政府の認識を問う。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

1 公開できるものについては、要望があれば閲覧できるよう体制整備を検討してまいりたい。

2(1) 通商産業省が財団法人原子力工学試験センターに委託した原子炉内蔵型再循環ポンプ設備確証試験(以下「確証試験」という。)では、二台のインターナルポンプを設置した試験で確証試験の目的は達成できている。

(2) 通商産業省が財団法人原子力工学試験センターに昭和六十三年度から委託しているインターナルポンプ溶接部等信頼性実証試験において、十台のインターナルポンプを設置して試験を行う予定はない。

3(1) 平成三年八月二十三日付け参議院議員稲村稔夫君提出原子力発電施設におけるインターナルポンプ設置認可に伴う政府の認識とその根拠に関する質問主意書の一の9の(2)に記載されている「実炉」とは、東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所六、七号原子炉(以下「柏崎刈羽六、七号炉」という。)と考えられることから、前回の答弁は、確証試験に関して財団法人原子力工学試験センターが作成した原子炉内蔵型再循環ポンプ確証試験に関する調査報告書(以下「確証試験報告書」という。)の記載と矛盾するものではない。

(2) 確証試験報告書に記載されている「ABWRの評価」は、原子炉圧力容器の構造について一定の条件を想定し、その条件に基づき評価を実施したものである。

(3) 実用発電用原子炉に関しては、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第四十一条第一項に規定する工事計画の認可は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)(以下「原子炉等規制法」という。)第二十三条第一項又は第二十六条第一項に基づく許可の内容に従って行っている。

4(1) 確証試験において想定した疲れの評価は、発電用原子力設備に関する構造等の技術基準(昭和五十五年通商産業省告示第五百一号)(以下「告示第五百一号」という。)第二条第十八号に規定する「運転状態I」及び同条第十九号に規定する「運転状態II」について行っている。

(2) 確証試験の疲れ解析においては、インターナルポンプのノズル部周辺の炉水の温度の範囲、圧力の範囲、温度変化率及び温度・圧力変化の繰り返し回数をそれぞれ摂氏約五十五度から摂氏約二百七十九度、〇キログラム毎平方センチメートルから七十七キログラム毎平方センチメートル、摂氏約五十五度毎時及び約五百回と仮定している。

5(1) 確証試験に用いられたインターナルポンプの流量半減時間は、算出の前提条件を一致させれば、柏崎刈羽六、七号炉の増設に係る原子炉設置変更許可申請書添付書類(以下「添付書類」という。)八に記載されているインターナルポンプの流量半減時間と同様のものとなる。

(2) 確証試験においては、試験に用いたインターナルポンプ本体と同一仕様のポンプについて解析評価を行った。

(3) 確証試験で用いたインターナルポンプの主要な材質はステンレス鋼であり、同インターナルポンプのモータケーシング上部の内径は二百四十一ミリメートル、高さは約二千六百ミリメートルとなっている。

なお、その他の曲部曲率等の詳細な設計については、メーカーのノウハウを含んでおり、公表していない。

6 添付書類八に記載されているインターナルポンプの性能特性は、電気事業者及びメーカーが行った試験結果によるものである。

7(1) 柏崎刈羽六、七号炉のインターナルポンプの具体的な振動特性試験については未定である。

(2) 確証試験において、二台のインターナルポンプによる不均衡運転を行っているが、各インターナルポンプの振動は十分小さく安全上問題はないと評価している。

(3) インペラ及びシャフトの曲げ及びねじり振動解析については、既に実施されていたので、確証試験においては実施していない。

(4) 確証試験におけるインターナルポンプの振動特性試験においては、モータケーシングの共振が確認されているが、その際の回転数は常時運転される回転領域から外れており、かつ、同回転数においてモータケーシングに与える影響は十分小さいため、安全上問題はないと評価している。

(5) 柏崎刈羽六、七号炉のインターナルポンプのディフューザとインペラとの間げきの詳細については承知していない。

8(1)及び(2) 確証試験においては、原子炉圧力容器ノズル部(ポンプ取付用)の応力評価上重要と思われ、かつ、計測可能な点に計測点を設けて熱変形試験を実施するとともに応力解析を実施し、これらの結果を比較することにより応力解析手法及びそれにより得られた結果の妥当性を評価・確認している。

(3) 確証試験において計測された一方向のみのひずみを基に応力値を計算する場合には、約三十キログラム毎平方ミリメートルとなる。

(4) 確証試験においては、応力集中係数は、ヘイウッドによる応力集中係数の計算式を用いて算出した。

(5) 確証試験では、変位データの測定は実施していないが、外観検査等により安全上問題がないことを確認している。

9 確証試験における連続運転試験は、疲労評価のための試験ではなく、インターナルポンプの運転の安定性を確認することを目的として、水力特性及び振動特性の経時変化を測定したものである。

10 確証試験における分解点検で見られた条こんは、一般の回転機械と同様の初期摩耗によるものと推定できる。また、黒さびについても問題となるものではなかった。

二について

1 柏崎刈羽六、七号炉のインターナルポンプ及びノズル部の健全性の確認のために必要となる詳細な評価については、工事計画認可申請書が提出された段階で行う。

2 柏崎刈羽六、七号炉の増設に係る原子炉等規制法第二十六条第一項に基づく原子炉設置変更許可申請に係る安全審査(以下「安全審査」という。)においては、ポンプ・ミサイルの可能性について検討しており、その結果、ポンプの破損限界に達するような加速要因はないことを確認した。また、破損の確率については評価していない。

3(1)から(3) 安全審査においては、安全保護系の信頼性が高いこと等から、インターナルポンプが全台停止し、かつ、スクラムしない場合において急に高回転数で再起動するような事象については検討していない。

(4) 柏崎刈羽六、七号炉の原子炉スクラム信号の種類には中性子束高が含まれており、スクラム信号の種類の中に炉心流量の急増という事象を加える必要はないと考えられる。

4 インターナルポンプは、従来の外部再循環ポンプに比べると慣性モーメントが小さいという特徴を有している。

5(1) 添付書類八に記載されている運転特性図(以下「運転特性図」という。)においては、インターナルポンプのキャビテーション制限よりも気水分離器性能の制限の方が厳しく、インターナルポンプのキャビテーション制限曲線は気水分離器制限曲線より高流量低出力側となるため運転特性図には記載されていない。

(2)及び(3) 柏崎刈羽六、七号炉は、自然循環により運転できる設計とされているが、計画的な運転は最低ポンプ速度以上で行われることとされており、最低ポンプ速度曲線より低流量側での計画的な運転は行われないと承知している。このため、運転特性図では自然循環が点線で表記されていると承知している。

(4) 柏崎刈羽六、七号炉は、通常運転中電気出力が百パーセントを超えないよう自動制御される設計となっている。なお、インターロックの詳細については承知していない。

(5) 柏崎刈羽六、七号炉の出力制御方法に関して、炉心流量五十パーセント未満の領域での出力制御は、主に制御棒と炉心流量との組合せにより円滑に行われることとなるため、炉心流量のみによる出力自動制御は行わないとされている。

6(1)及び(2) 安全審査における事故解析については、「発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針(昭和五十三年九月二十九日原子力委員会決定、平成元年三月二十七日原子力安全委員会一部改訂)」に従い、関係する事故ごとに評価結果が厳しくなるよう炉心流量を仮定して解析を行っている。

(3) 安全審査における動特性の解析については、各評価目的に照らし炉心流量を設定しており、炉心流量を百十一パーセントとする必要はない。

7 電気事業法第四十七条に基づく定期検査において、インターナルポンプの分解は、インペラ及びシャフトについては原子炉圧力容器上方から、モータ部については原子炉圧力容器下方から取り外し、分解して目視等により点検を実施し、分解の仕方と逆の過程で組み立てられると承知している。また、取付溶接部については漏えい試験及び水圧試験を実施するものと承知している。

8 安全審査における最小限界出力比の評価に当たっては、結果が厳しくなるよう初期条件を設定しており、自然循環状態における原子炉出力は低く、この状態における最小限界出力比は、定格出力の運転状態の最小限界出力比を下回らない。このため、自然循環状態についての解析は行われていない。

9(1)から(3) 安全審査における動特性解析は、自然循環時を含む運転範囲の全領域を考慮し、必要に応じて特定の初期条件を設定した上で解析しており、その内容は添付書類八に記載されている。

なお、事故時については、安全保護系により原子炉はスクラムするため、動特性解析の必要はない。

(4) 添付書類八に記載されている動特性解析においては、評価目的に照らして適切な条件を設定しており、その解析結果は自然循環状態についても包絡している。なお、この解析において、給水加熱量の減少による出力上昇は考慮されている。

10(1) 原子力安全委員会においては、柏崎刈羽六、七号炉の原子炉圧力容器内部構造物(炉心シュラウド、上部格子板、炉心支持板、制御棒案内管等の炉心支持構造物並びに気水分離器、蒸気乾燥器、再循環ポンプ、給水スパージャ、高圧炉心注水系配管及びスパージャ、差圧検出管、圧力容器頂部スプレイ・ノズル等の内部構造物)が、通常運転時、運転時の異常な過渡変化時及び事故時の荷重に対し、原子炉圧力容器内の温度、圧力等を考慮して必要な強度及び機能を保持することができるように設計されることを、平成二年二月に通商産業省から提出された「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置変更(6、7号原子炉の増設)に係る安全性について」(以下「安全審査書」という。)及び「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所原子炉設置変更許可申請書(6、7号原子炉の増設)」(以下「変更許可申請書」という。)に記載された事項に基づき確認した。

(2) 安全審査書及び変更許可申請書は、インターナルポンプ採用炉心に対してのものである。

(3) 柏崎刈羽六、七号炉の燃料棒の振動及びフレッティングコロージョンについては、「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針(昭和五十二年六月十四日原子力委員会決定、平成元年三月二十七日原子力安全委員会一部改訂)」に基づき、燃料棒の振動を抑えるためのスペーサが従来の沸騰水型軽水炉で多くの使用実績を有するものと同様のものとされるなど、化学的効果、静的及び動的荷重等を考慮した設計とされることを確認した。

気水分離器の振動及びブローダウン時の強度など、その詳細については承知していない。

11(1) 柏崎刈羽六、七号炉の炉心流量急減スクラムの設定値は、工事計画認可申請において添付書類十の再循環ポンプ全台トリップ事故時の解析で用いた値を下回らないよう設定されるものと承知している。

(2) 柏崎刈羽六、七号炉における約七十パーセントの炉心流量での原子炉出力は、約八十パーセントとなっている。この出力以下の状態において再循環ポンプが全台トリップした場合は、初期状態における出力が小さいことから燃料が十分除熱される。したがって、炉心流量七十パーセント以下における炉心流量急減スクラムは必要ないと考えられる。

12 原子力安全委員会は、柏崎刈羽六、七号炉に関し、インターナルポンプの部分台数運転条件においても炉心流量の分布を偏りなく十分な精度で計測できることを確認したものであり、今後柏崎刈羽六、七号炉の詳細な設計において具体的にどのような炉心流量の計測点の数、位置、センサーが選択されるかについては承知していない。

13 安全審査においては、同一の常用高圧母線に接続しているインターナルポンプが最大でも三台であること等から、インターナルポンプ四台停止の解析は行っていない。

14 柏崎刈羽六、七号炉のインターナルポンプのモータケーシングの健全性の詳細は、承知していない。

15 安全審査における冷却材喪失事故の安全解析においては、高圧炉心注水系配管及び給水系配管の口径を用いるのではなく、高圧炉心注水スパージャ及び給水スパージャのノズル部の面積を用いて安全評価を行っている。

16 安全審査において冷却材喪失事故は、評価結果が最も厳しくなる事象を選定しており、万一、インターナルポンプのノズル部が破損したとしても、その場合における冷却材の流出量は、添付書類十で想定している流出量よりも小さい値となっている。

17(1) 回転機械が取り付けられた場合でも、告示第五百一号の規定は適用される。

(2) 告示第五百一号第十七条第一項第五号ただし書の規定は、同号本文を適用しない条件を示したものであり、著しい配管反力がある場合には同号本文の規定が適用される。

三について

1(1) 確証試験において調査した海外のインターナルポンプの故障、不具合事例情報については、そもそも非公開を前提とすることで入手し得た経緯にかんがみ、その公開につき相手方の了解を得るつもりはない。

(2) これまでのところ、インターナルポンプの不具合に起因して原子炉が停止した等の公開情報は承知していない。

2(1) 柏崎刈羽六、七号炉のインターナルポンプの軸受の寿命については承知していない。また、確証試験で使用したインターナルポンプの軸受については、健全性が確認されていると認識している。

(2) 柏崎刈羽六、七号炉の原子炉設置変更許可申請は、ウェットモータ型インターナルポンプで申請されているため、安全審査の中ではドライモータ型インターナルポンプの評価は行っていない。

なお、ウェットモータ型とドライモータ型の構造上の違いは、ウェットモータ型では、メカニカルシール部がなく、モータの巻線が水に浸っているという点である。また、ウェットモータ型の特徴は、ドライモータ型に比べて保守点検が容易であり、炉水漏出のおそれが少ないという点である。

(3) ドイツのKSB社である。

3(1)及び(2) 民間で実施されている電力共通研究の成果のうち、学会等に発表されている文献等に記載されている内容については、安全審査において活用している。

(3) 確証試験は、インターナルポンプシステムの安全性及び信頼性を確証し、その実用化を促進するために行われたものであり、その結果は安全審査に活用している。

4 原子炉等規制法第二十六条第一項に基づく原子炉設置変更許可申請に際し、原子炉設置変更許可申請書以外に提出された書類はない。

5 工事計画認可申請書本文及びその添付書類については、工業所有権に関する事項にとどまらず、ノウハウ等保護すべき企業機密に係る事項、原子力発電所の防護管理上重要な事項等が多数含まれており、公開は困難であると考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1承知していない ×7検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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