ことばで探す › 衆議院 第119回
福島第二原発三号機原子炉再循環ポンプBの使用前検査に関する質問主意書
衆議院 第119回 第7号承知していない ×1
質問本文
衆議院議長 櫻内義雄 殿
福島第二原発三号機原子炉再循環ポンプBの使用前検査に関する質問主意書
一九九〇年一一月五日、一年一一ヵ月ぶりに調整運転を開始した福島第二原発三号機の再循環ポンプケーシングについて、すでに質問主意書を提出しているが、その後新たな知見を得、通産大臣による使用前検査の合格手続において、重大な違法性が認められるので、それについて質問する。
一 電気事業法第四三条に定められた使用前検査は、圧力バウンダリーである再循環ポンプケーシングに関して、製造後初めて運転に供される時点と今回のような改造修理後の時点で、検査項目や検査方法が異なるとは考えられないが、異なるとすれば、法、省令、告示のどこにそれが規定されているのか。
二 東京電力は、通産省告示第五〇一号「発電用原子力設備に関する構造等の技術基準」(以下「技術基準告示」という。)第五条第一項第五号の放射線透過試験、超音波探傷試験をどちらも行わなかった理由として「通産省から指示されなかったから」としている。また、それを指示するかしないかは、通産省の裁量権の範囲であるとも答えている。この通産省の裁量権は、法、省令、告示のどこに規定されているのか。
三 仮に裁量権があったとして、ケーシングの損傷状態を推定し、試験を行う必要がないと判断するには、事故時にケーシングに加えられた衝撃を工学的に計算しなければいけない。事故時にケーシングに加えられた衝撃は一平方ミリ当たり最大何キログラムと解析されたのか。
四 ケーシングの材質であるSCS一六Aの最少降伏点は一平方ミリ当たり二一キログラムである。これを超える衝撃が加えられていれば、最低限でも金属内部に歪みが残されていると考えられる。歪みを残したままの再使用は、安全確保上問題があるのではないか。
五 そもそも今回の改造修理後、技術基準告示を満たすような放射線透過試験や超音波探傷試験は技術的に可能だったのか。放射線透過試験、超音波探傷試験それぞれについて説明をいただきたい。
六 ケーシングの設計上の最少肉厚九二ミリは、技術基準告示第七三条第二項に規定される計算上必要とされる最少肉厚七七・四ミリより一四・六ミリも厚く作られている。必要な肉厚と設計寸法がこれほど掛け離れている理由は何か。
七 九二ミリという最少肉厚は、技術基準告示第五条第一項第五号に合格できなかった場合に第七三条第二項に規定される計算上必要とされる最少肉厚九一・三ミリときわめて符合しているが、これはただの偶然か。
八 もともとケーシングは、技術基準告示を満たすような放射線透過試験や超音波探傷試験は、仮に行えても合格は出来ないのではないかという疑念を持つが、当該ケーシングは一度でもどちらかの試験に合格したことはあるのか。
九 その合格証明書は通産省に提出されているか。
一〇 その合格証明書は何年の何月何日に出されているか。試験の方法、試験の実施者、実施場所は何と記載されているか。
一一 技術基準告示第五条第一項第五号に規定する放射線透過試験、超音波探傷試験を行わなくてよいとする法的根拠、それが通産省の裁量権であるとした場合の判断の根拠となる工学的解析結果、このケーシングが技術基準告示第五条第一項第五号に規定する放射線透過試験もしくは超音波探傷試験に合格しているという証明、この三つが満たされなければ通産大臣がケーシングの使用前検査に下した合格の判断は違法となる。まず合格の判断を変更し、当該ケーシングについて十分な検査を行うか、思い切って交換という手段を講じるべきではないか。
右質問する。
政府答弁書
一について
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第四十三条第一項に規定する検査は、同法第四十一条第一項若しくは第二項の認可を受けた工事の計画又は同法第四十二条第一項の規定により届け出られた工事の計画に基づいて行われる電気工作物の工事について、原則として行われることとされており、工事の内容に応じて検査の内容は異なる。
二について
東京電力株式会社が行ったとされる放射線透過試験等に関する御指摘の発言については、承知していない。
三について
東京電力株式会社福島第二原子力発電所三号機の原子炉再循環ポンプB(以下「ポンプ」という。)のケーシングについては、損傷部位の外観検査等及び工学的知見からケーシングの内部に欠陥が生じていないことは明らかであることから、昭和六十四年一月のポンプに係る損傷事象においてポンプのケーシングに加えられた衝撃を工学的に計算する必要はない。
四について
外観検査等及び工学的知見からポンプのケーシングの内部に欠陥が生じていないことは明らかである。
五について
ポンプのケーシングの修理後において、当該ケーシングに対し、発電用原子力設備に関する構造等の技術基準(昭和五十五年通商産業省告示第五百一号。以下「技術基準」という。)の規定に基づき放射線透過試験を行うことは技術的に可能であり、超音波探傷試験は、当該ケーシングの表面から約三十ミリメートルの深さまでの範囲で行うことが技術的に可能である。
六について
ポンプのケーシングの設計上の最小肉厚は、技術基準に基づき求められる厚さに余裕を加えたものである。
七について
技術基準第五条第一項に規定する試験に合格しない第一種ポンプの耐圧部分等に使用する材料は、技術基準第七十条第六項ただし書に該当する場合又は同条第七項において準用する技術基準第五条第二項に該当する場合を除き、使用できない。
八について
ポンプのケーシングは、ポンプの製造時において、技術基準の規定に従って実施された放射線透過試験に、合格している。
九及び一〇について
技術基準第七十条第六項に規定する試験については、通商産業省に提出されるべき合格証明書はない。
一一について
修理に係る工事の計画の届出がなされたポンプについては、その工事の計画に係るすべての工事が完了した時点において必要な検査を実施しているところである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。