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ゴミ焼却処分に伴うダイオキシン類の発生防止対策等に関する質問

参議院 第140回 第16号お答えすることは困難 ×2承知していない ×13検討してまいりたい ×5個別の事案 ×3

提出者
参議院
提出日
1997年6月17日
内閣転送 1997年6月18日
答弁書受領日
1997年9月9日
提出から84日
答弁の項目数
52
質問 12,818字/答弁 14,940字

質問本文

ゴミ焼却処分に伴うダイオキシン類の発生防止対策等に関する質問主意書

ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾジオキシンPCDD、ポリ塩化ジベンゾフランPCDF及びコプラナーPCBの総称)は、「史上最強の毒物」ともいわれ、とりわけ2、3、7、8-TCDDはサリンの二倍、青酸カリの約一千倍の急性毒性を持つとされる。また、有機塩素化合物の合成過程や廃棄物の焼却過程等で意図せず生成されるため「非意図的生成化学物質」と呼ばれ、燃焼排ガスや化学物質の不純物として一般環境中に排出される。

その毒性については、動物実験において、急性毒性・慢性毒性・発ガン性・催奇形性・生殖毒性・免疫毒性等、様々な影響が報告されており、人体への影響についても現在研究を急いでいる段階である。例えば、世界保健機構(WHO)の国際ガン研究機関(IARC)が本年二月四日から十一日にかけて検討した結果として、発ガン性についてこれまで「可能性がある」としていたことから「ある」に変更し、ダイオキシン類の発ガン性を明確に認めることになった。

発生源に関しては、廃棄物焼却施設・金属精錬施設・塩素漂白施設・農薬製造工程等多岐にわたっている。中でも最近、ゴミ焼却施設からのダイオキシン類の発生が問題とされ、一般廃棄物焼却施設・産業廃棄物焼却施設・医療機関の焼却炉・学校等公共施設の焼却炉などから排出されるダイオキシン類による環境汚染、人体への影響等を指摘する声が高まり、大きな社会問題となっている。

さらに、国際的には生体の内分泌撹乱化学物質の一つとしてダイオキシン類が取り上げられており、各国間の協力体制による実態の究明とリスク削減が求められている。

こうした観点から、以下質問する。

一、ゴミ焼却施設排ガス中のダイオキシン類濃度の調査について

1 ゴミ焼却施設からのダイオキシン排出実態調査について

平成二年十二月にまとめられた「ダイオキシン類発生防止等ガイドライン検討会」答申において、「ダイオキシン類は連続測定が不可能である」ため、「ダイオキシン類の生成にかかわる因子のうち比較的測定が容易でかつ運転管理上対応が比較的容易なものを連続的に管理」するとし、燃焼温度、CO濃度、O2濃度、排ガス処理装置入口温度等の測定を十分に行う必要性を指摘している。そのため、ガイドラインでは焼却施設の種類毎に、必要な管理項目を連続的、定期的に測定し、十分な対応が取られているかを確認する、としている。また、同様の指摘が平成九年一月に出された「ごみ処理に係るダイオキシン削減対策検討会」答申(以下「ダイオキシン類削減プログラム」)にもある。

これらと平行して、厚生省は都道府県に対し、市町村(一部事務組合を含む、以下同じ)が設置した一、八五四カ所(平成五年度実績)の全ての焼却施設を対象として、平成七年十二月に排ガス中のダイオキシン類測定の有無及び実績等について(以下、第一回調査)、次いで平成八年七月にダイオキシン類の排出実態等の総点検について(以下、第二回調査)実施を要請した。

(1) 第一回調査、第二回調査、それぞれにおける調査の対象、調査項目、調査目的はなにか。

(2) 右記答申の記述に従えば、第一回調査、第二回調査において検討されたダイオキシン濃度以外の項目も公表する必要がある。しかし平成九年四月十一日に発表された文書「ごみ焼却施設排ガス中のダイオキシン類濃度について」ではその報告がなされていない。どのような理由で報告がなされなかったのか。政府の明快な説明を求める。また、今後公表する予定はあるか。

(3) 厚生省が第二回調査実施の要請を行った際に、「捕捉した飛灰中のダイオキシン類濃度についても、併せて測定することが望ましい」としているが、実際に飛灰中のダイオキシン類濃度の測定を行い報告をしてきた焼却施設は具体的にどこか。合計でいくつになるか。また、その結果を示されたい。同時に、飛灰含有のダイオキシン類濃度の測定を任意にした理由は何か。

2 第二回調査における各自治体の報告が遅れている事について

(1) 第二回調査に対する各ゴミ焼却施設からのダイオキシン排出濃度測定結果の当質問主意書提出日(平成九年六月十七日)現在の回答状況を説明されたい。またその後の進展はあるか。

(2) 第二回調査に際し、一九九六年七月各地方自治体に出した通達においては、どのような手順を用いてダイオキシン濃度を測定するように指示しているのか。その中で一度の測定において、いくつの検体を必要とするのか。また通達において、焼却施設の規模、処理能力等の違いによって、ダイオキシン濃度測定の手順、サンプル採取の場所、サンプル数等、異なる点があるか。

(3) 第二回調査において各地方自治体の負担する費用とは最大どれだけのものになるのか。また平均的な費用負担はいくらになるか。焼却炉の処理能力によって違いがあるとすればどのようになるか。

(4) サンプルを採取してから測定結果が判明するまで、通常どれほどの日数がかかるか。

(5) 調査等に対する助成金などはあるのか。あるとすれば、助成金を受けるためにはどのような条件を満たすことが必要か。助成金によって調査を行った自治体はいくつあるか。またその自治体からの調査報告の回答状況について説明せよ。助成金制度がないとすれば、ダイオキシン排出濃度測定調査に対して、今後そのような資金面で援助を行うことを考えているか。

(6) 厚生省の報告によると、厚生省自体としてダイオキシン測定を行う能力をもつ機関として二十四の企業を把握しているようである。また、民間の環境コンサルタント会社に対する当方独自のヒアリング調査によると、ダイオキシン濃度の測定には通常一カ月の期間を要し、費用も一サンプル当たり八十万円前後であるとのことである。そのほかにも規制緩和の結果本年五月三十一日をもってダイオキシン測定分析に関する登録制を廃止し、技術を持てばだれでも測定可能であるということになっている。このような状況下で、ダイオキシン排出濃度調査の対象施設数に比べて、当該測定を行う能力をもつ機関の数が限られているために第二回調査に対する報告が遅れているとするのは納得がいかない。回答が遅れたもしくは遅れている自治体に関して、どのような理由で遅れたのか、政府の見解を求める。

3 第二回調査の報告自体の信憑性について

(1) いくつかの地方自治体では、第二回のゴミ焼却施設排出のダイオキシン濃度測定に関して、検査結果が有利になるように恣意的な操作をしたという報告がされている。調査結果の報告された数値に信憑性がなければ、いくら費用をかけて調査、検査を行っても、国民を納得させるに足る結果は出て来ようはずもなく、当初の目的は達成されることがないだろう。そのような事実を確認しているか。また、その点に関して政府はどのような認識を持っているか。

(2) 各焼却処分場におけるダイオキシン排出量測定結果の報告が遅れているのは、測定結果がかなり高レベルであり、周辺住民への影響を考慮してのこととの憶測も生じている。ダイオキシン類に関しては環境庁の検討委員会でも健康への影響が指摘されており、適切な措置を早急に打たなければならないため、住民への情報提供は的確・迅速にする必要がある。情報公開に関して政府は更なる積極的対応が求められていると思われる。見解を問う。

4 ガイドラインの法的拘束性について

「ごみ焼却施設排ガス中のダイオキシン類濃度について」(平成九年四月十一日)における今後の対応に、「ガイドラインに基づく対策の徹底」及び「燃焼管理の徹底」、「施設の改造、施設の休廃止等を実施」することがうたわれている。ガイドラインにおいてさまざま順守する基準があるが、どのような拘束力・実効性を持つものなのか。今後の対応を数点にわたって問う。

(1) 規制緩和が社会の要請とはいえ、国民の健康を守るための規制まで緩和することになっては、経済重視、生命軽視との謗りを免れないであろう。「ごみ焼却施設排ガス中のダイオキシン類濃度について」によれば、基準値を満たさない焼却処分施設に関して、一定の猶予期間の後、処分場の閉鎖も含めて規制の強化を図る事を意図していると思われるが、政府の姿勢を確認したい。

(2) 現在政府は、ダイオキシン類の規制強化を図るため、大気汚染防止法の「指定物質」にダイオキシン類を追加することを検討中であるとされている。しかし、大気汚染防止法によれば、罰則規定が無く、その実効性が疑われる。法律の実効性を担保するために、どのような措置を執ることを考えているのか。政府の見解を問う。

(3) ダイオキシン類の生成・排出抑制対策に対して、これまでにどのような行政指導を出しているのか。具体的にいつの時点で、どのような内容の指導を出してきたのかを示されたい。

二 ダイオキシン類の生成・排出に関する現状把握について

1 ダイオキシン類測定マニュアルの整備について

ダイオキシン類は極めて毒性が高く、超高感度の分析が要求されることが環境庁「ダイオキシン排出抑制対策検討会報告」(平成九年五月)に言われている。また、「測定・分析精度管理の向上、試料採取方法や分析の標準化」の必要性も指摘されているところである。

またダイオキシン問題が話題になり始めてから、世論も注目を集めだし、市民運動も盛んになっている。これらの市民運動に後押しされる形で厚生省、環境庁等も対策を取りだしたが、市民と政府との相互の議論のなかで食い違いが見られる点の一つとして、ダイオキシン類の測定結果の読み方という点が指摘できる。国民の健康を守るためにも、環境保全を推進していくためにも、世論のバックアップによって強力に対応策を推進していく必要があるが、そのためには客観的で正確な情報が必要とされる。ダイオキシン類測定のための標準的な手法を、各分野にわたって早急に整備することが必要とされている。

これに関連して、ダイオキシン類測定のためのマニュアルの整備状況についてはどのようになっているか。以下数点に分けて問う。

(1) 測定項目に関する規定において、排ガス、環境大気、廃棄物処理はあるが、そのほかの排水、環境水、焼却灰、土壌、農薬等に関して測定手法を標準化したものはあるか。また、発生源からの距離に関する規定、統計的手法についての規定等で統一したものがあるか。

(2) 以上指摘した項目に関して、これまでに整備されていないとすると、質問主意書提出日現在の検討状況を、検討会・審議会名、検討項目名、中間報告及び最終報告のまとまる予定時期、の三点にわたって示されたい。検討会の俎上に載っていないとすると、今後どの検討会・審議会で、いつぐらいまでに、検討事項として提出する予定であるか。検討予定がないとすると、その合理的な理由を説明されたい。

(3) 環境庁が昭和六十一年から実施している「環境大気中のダイオキシン類モニタリング調査」では分析精度の管理を図るため、分析機関によるクロスチェックを実施しているようだが、環境庁の調査、厚生省の調査、そのほかの公的機関による調査において、クロスチェックを行っている実績はあるか。また、今後そのような予定はあるか。検討会での検討事項に入っているか。入っていないとすれば、すぐにでも検討項目として加えるべきだと思われるが、どのように考えるか。

2 ダイオキシン類測定に関する分析者の育成状況について

「ダイオキシン排出抑制対策検討会報告」ではまた、「ダイオキシン類の同定は、十分な経験が必要となる」ため、「安定した分析結果を得」、「分析場所周辺環境に影響を及ぼさない」ためにも、分析者の教育訓練等、検査機関の充実が要請され、「公的機関等による統一した教育訓練体制の整備」が必要であることを指摘している。各地の地方自治体のうち独自にダイオキシン濃度の測定を考えているところでも、技術者の育成が大きな課題となっているときく。

(1) これまでに行ってきたダイオキシン測定技術者育成の取り組みについて、実際に行ってきたプログラムの内容と、それぞれのプログラムの予算、実績とに分けて説明せよ。またその取り組みにおいて測定技術者育成の研修制度は設けているか。

(2) ダイオキシン濃度測定技術者育成プログラムがこれまでになかったとすると、その必要性についての認識を伺いたい。また、今後設ける予定があるか。

3 ダイオキシン類測定に関する測定手法簡便化について

「ダイオキシン排出抑制対策検討会報告」では、環境モニタリングの重要性を指摘した上で、環境モニタリングを効率的、効果的に推進するために、国、地方自治体、事業者、研究者等の協力体制の必要性を指摘している。この協力体制を国民の支持によりバックアップし、ダイオキシン対策を強力に推し進めていくためには、ダイオキシンの挙動が国民自身によって把握できることが望まれる。 SOx、NOx等、大気汚染物質の簡易測定手法を用いた市民運動が世論の大きな流れを形成し、公害防止への強力な推進力となったことはよく知られている。ダイオキシン濃度測定という超高感度の技術を要求する分析が、そのまま市民の手にゆだねうるかどうかは一概に断定できないが、少しでも簡便な手法によって測定可能になるよう努めることが必要なのはいうまでもない。そこで、測定・分析手法の簡便化に関して以下三点にわたり政府の認識を問う。

(1) ダイオキシン排出抑制対策検討会は報告書において「測定・分析方法の簡便化も検討すべき課題である」との認識を示しているが、この課題に対して政府はどのような認識を持っているか。必要性を認識しているか。

(2) 平成九年六月現在の「測定・分析方法の簡便化」に関する取り組みについて進捗状況の報告を求めたい。

(3) 今後の取り組みに対してはどのような考えを持っているか。

4 小型焼却炉によるダイオキシン生成・排出に関する調査の必要性

(1) 家庭用焼却炉・小型焼却炉の使用に伴うダイオキシンの生成・排出に関して環境庁、厚生省、文部省が独自に調査を行ったという実績はあるのか。

(2) 文部省が公立学校(除、高専、大学)の焼却炉によるゴミ処理状況の全国調査を行うことになったとのことであるが、これは焼却炉の使用によってダイオキシンが発生するかどうかを、ダイオキシン排出濃度測定を行うことによって確認するということか。この調査の目的・内容は何か。

(3) 家庭用焼却炉からもダイオキシンが発生することが研究者の測定によって明らかにされたが(脇本忠明他「小型焼却炉残灰中のPCDDs/DFs」『環境化学』 一九九四年、第四巻第二号)、政府はこの点についてどのように認識しているか。またその事実を確認しているか。さらに、検討会の俎上に載っていないように認識しているが、どうか。検討事項として取り上げなかったとすると、その理由について見解を問う。また、今後検討の対象とする予定があるかどうか確認したい。

(4) 公立学校という教育の現場で、ダイオキシンという猛毒が生成され児童を汚染している可能性が指摘されているが、この問題に対する文部省の認識と対応を問う。

(5) 小型焼却炉によるダイオキシンの生成・排出に対して、厚生省、環境庁の専門家による検討を待つ、というのが文部省の基本的な姿勢であると認識しているが、そうであるならば厚生省、環境庁が協力して、早急に小型焼却炉の排ガス及び焼却灰・飛灰中におけるダイオキシンの含有濃度調査を行うべきであると思われる。政府の認識と今後の具体的な取り組みを問う。

(6) 市町村以外の者が設置するゴミ焼却施設及び産業廃棄物の焼却施設も含めた廃棄物の焼却施設から排出されるダイオキシン類の削減対策に関して、現在、生活環境審議会廃棄物処理部会廃棄物処理基準等専門委員会において施設の構造及び維持管理に関する基準の見直し等の規制の方策を検討していると報告を受けているが、この審議会でのこれまでの検討事項を示されたい。

5 産業廃棄物処理におけるダイオキシンの生成・排出の現状調査について

産業廃棄物処理業者による産業廃棄物の野外焼却処分(いわゆる「野焼き」)によりダイオキシンの生成・排出が危惧されている。阪神大震災の倒壊家屋の処理においても大規模な「野焼き」がなされ、二十五グラムのダイオキシンが生成されたとの調査がある。埼玉県所沢市においては一般廃棄物起源のものより、産業廃棄物起源の煙による汚染がひどいとの指摘もある。

(1) 右記二点にわたる指摘(阪神大震災倒壊家屋焼却処理におけるダイオキシン生成・排出、所沢市での産廃焼却処分によるダイオキシン生成・排出)それぞれについて、政府はどのような事実認識をしているか。

(2) 産業廃棄物の野外焼却処分によるダイオキシン類生成・排出の実態をどのように把握しているか。平成七年度に廃棄物の不法投棄場所等についての実態調査と指導が行われたとのことであるが、調査の概要・結果と指導の内容について示されたい。またその他の事例として、廃棄物の野外焼却におけるダイオキシン生成・排出量の調査を行った事例はあるか。あるとすればそのときの調査結果を数値を示して説明されたい。実態を調査したことがないとすると、その必要性をどのように認識しているか。また今後の対策をどのように予定しているか。

(3) 産業廃棄物処理業者による野焼きの実態をどのように把握しているか。事業者数、処理能力、処理している廃棄物の種類、種類毎の処理量にわたって示されたい。また、登録をせずに産業廃棄物を処理している業者についての実態を把握したことはあるか。ないとすると、登録されていない事業者も含めた実地調査の必要性をどのように考えているか。

(4) 産業廃棄物の野焼きに対する規制、対応処置について法律上、政省令上、行政指導上の規制に分けて説明せよ。

三 ダイオキシンを発生させない努力について

1 分別収集・リサイクルの徹底について

平成二年十二月に出された「ダイオキシン類発生防止等ガイドライン」に示された基本的考え方において、ごみの焼却処理の重要性を指摘しつつ、ごみの排出量抑制と再資源化・減量化を行うべき旨が述べられている。また、ごみの焼却によって多種多様な物質が生成されるリスクを指摘する研究者もいる。

(1) これまでに行われたリサイクル・ごみ減量に関するプロジェクトの名前と、事業概要、予算、実績について説明せよ。

(2) 分別収集により、ダイオキシン類生成原因物質と思われるものを焼却しないよう努めることも重要な対策と思われるが、政府の認識、分別収集に関するこれまでの取り組みと、今後の課題・取り組みを問う。

(3) 塩化ビニル等有機塩素系化合物を含むゴミの焼却によってダイオキシンが発生しやすくなるということが一般的に言われているが、現在水道管などのパイプ、ケーブルの被膜、壁紙のコーティング、おもちゃ、などに使用されており、塩化ビニル樹脂の生産量は年間二百二十万トンにのぼっている(原料ベース)。塩化ビニル製品の焼却処分とダイオキシン類の関連について、政府の認識を問う。また、関連があるとするならば、塩化ビニルの分別収集に関する対策をどのように考えているのか。規制的措置を含めて考慮しているか。

2 焼却灰の最終処分に係る対策について

焼却灰の再利用は、最終処分場の許容量が全国的に残り少なくなっている現在、重要な技術といえよう。また、リサイクルの推進によって、焼却灰を溶融固化処理するインセンティブともなり、結果的にダイオキシンの発生量を抑制する効果を持つと考えられる。

焼却灰に含まれるダイオキシン類を分解する溶融固化処理施設が、全国十七の市町村において設置されていることが本年四月までに報告されており、九十七年四月以降も香川県東部清掃施設組合において稼働していると報告を受けている。

(1) 厚生省はこの溶融固化処理施設を扱っている企業の全国一覧をもっているか。もっているとすると、そのような情報を各地方自治体に提供することによって、ダイオキシン対策を促進することを図っているか。もっていないとすると、各地方自治体がこのような溶融固化処理施設を導入する際に、厚生省としてはどのように情報提供面でのサポートをしているのか。

(2) 溶融固化処理施設の導入に関して、これまでにどのような課題が提起されているか。厚生省として把握しているものを示されたい。

(3) これらの溶融固化処理施設の導入に関する情報提供を行い、地方自治体のダイオキシン削減対策を情報面で支援するために、厚生省のホームページ等に関連情報をのせることが可能であるか。

3 焼却施設改良期間中のごみ処理について

ゴミ焼却施設の改良期間中のごみ処理に関して、政府は都道府県に対して、当該市町村が周辺市町村にごみの焼却を委託することができるよう市町村間の調整を図る等必要な市町村に対する技術援助を与えるよう引き続き指導していく、との姿勢を示しているが、このことに関連し三点にわたり問う。

(1) 焼却施設改良期間中のごみ処理における地方自治体間の協力に関して政府の行ってきた行政指導の一覧を、日付、指導内容、指導対象、担当部局の四点にわたって示されたい。

(2) ゴミ焼却処分に関する自治体間の協力体制について、これまでに報告されている事例をモデルケースとして三点、例示せよ。

(3) 今後、ごみの焼却の自治体間の協力体制に関する照会について、政府としてどのように情報提供を図っていくか、もしくはどのように都道府県に対し指導していくか。

四 ダイオキシン類による人体影響の実態調査について

1 住民等の健康被害の実態調査について

(1) 子宮内膜症の増加が言われている。これについての厚生省の実態調査はどのようになっているか。

(2) 過去三十年間における子宮内膜症患者数の推移を、できる限り詳細に示されたい。

(3) 同時期におけるダイオキシンの生成量の推移を、できる限り詳細に示されたい。

(4) 両方のデータの比較において、相関関係、因果関係の2つの観点から考察すると、どのようになるか。厚生省の見解を問う。

(5) 因果関係があるかないかを判断するには、ケース・コントロール・スタディの手法を用いて検査することが考えられるが、妥当であるか。また、それ以外の手法として、因果関係の有無を示す検査方法があれば示せ。

(6) そのように因果関係を示す手法があるのであれば、これらの検査を実行し、国民の不安を解消するための正確な情報を収集すべきである。折しも行財政改革が国民的議論の俎上に載っており、シーリングが見直されている時期でもある。このダイオキシン問題は国民の生命に係る問題であり、リスクマネージメントにおいて政治が行政をリードすべき問題である。政府の認識を問う。

2 健康被害の調査について

環境庁のダイオキシンリスク評価検討会報告書において「ごみ焼却施設周辺における暴露の状況」として推計値が計算されている。ここでは、ダイオキシン類の環境濃度の設定として、最大着地濃度地点での大気降下量と、産業廃棄物焼却場周辺でのダイオキシン類の実測値を用い、食物起源、水起源のダイオキシン類と合計してダイオキシン類の暴露状況が推計されている。しかし、報告書には産業廃棄物処理場周辺住民のダイオキシン類暴露状況を実態調査した結果は報告されていない。

また、本年五月には厚生省が中心となって環境庁、労働省の三省庁合同でダイオキシンの人体影響に関する調査を行っていくとの報道がなされた。

これらに関連して、ダイオキシンの人体への影響に関する実態把握の現状について伺う。

(1) 三省庁合同でダイオキシンの人体影響調査を行うというプロジェクトについて、事務レベルの協議が始まったとの報告があるが、本質問主意書提出日現在の進捗状況を報告されたい。また、その後の進展はあるか。

(2) 厚生省及び環境庁の複数の検討委員会の委員である摂南大学の宮田教授によれば、ごみ焼却施設従事者の毛髪には、一般の市民の毛髪と比較して三から五倍ものダイオキシンが蓄積されているという研究報告がされており、さらに焼却炉内の補修に携わる職員の毛髪は、ダイオキシン蓄積濃度がさらに高かったとされている。この研究について政府はどのように認識しているか。また、事実を確認するために何らかの実地調査を行ったか。実地調査を行った時期と調査の内容、その結果を説明されたい。

(3) ゴミ回収業従事者、破砕処理施設・市町村ゴミ焼却施設・民間ゴミ焼却施設・産廃処理施設・最終処分場等の職員数を示されたい。また、職員を対象とした健康調査のうち、ダイオキシン暴露状況を調査したものはあるか。そのときの結果を説明されたい。

(4) ダイオキシン類の人体影響調査に関しては、どのような項目を調査するかといったことを含めて、事務レベルで検討中であり、検討会等も立ち上がっていないと認識している。今後の日程のなかで人体への影響調査の内容等を検討する際、ごみ焼却場及び産業廃棄物処理場の周辺住民、さらにはごみ焼却施設職員、産業廃棄物処理業者の健康影響を一般の市民への健康影響と区別して調査するべきだと思うが、政府の見解を問う。

(5) ごみ焼却施設の作業環境中のダイオキシン濃度を測定した例が「ゴミ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」(平成九年一月)の参考資料として添付されているが、この出典を明らかにせよ。当方独自の調査によれば、この出典となっている廃棄物研究財団は、この測定調査がいつ、どこで、どのように行われたものであるかは認識していないとのことであった。出典のはっきりしていないものを国民の健康上重要な問題を討議する検討会の場で資料として用いることは、検討会自体への国民の信頼を失わせることにもつながり、あってはならないことである。この点についての政府の認識を問うとともに、資料八-一「作業環境中のダイオキシン類濃度測定例」の出典、もしくは測定者、測定日時、測定方法等を責任をもって示されたい。

3 ダイオキシン類のホルモン様作用に関する研究体制について

環境庁「ダイオキシンリスク評価検討会報告書」(平成九年五月)によると、2、3、7、8-TCDDの発ガン性は直接的な細胞の形質変換活性を持っているのではなく、間接的な作用かあるいは細胞増殖作用(プロモーション作用)によるものと考えられており、多くの生化学的研究から代謝酵素の誘導、EGF受容対数の減少及びホルモン様作用を有していることが明らかとなっている、と確認している。

また、ダイオキシン類の生殖毒性に関し同報告書は、発生過程において、2、3、7、8-TCDDは酵素の誘導や、成長因子、ホルモン及びそれらの受容体への影響を通して、通常のホメオスタシスとホルモンバランスを変化させ、内分泌の撹乱因子として、組織特異的、発生段階特異的、時期特異的な作用を及ぼしていると考えられていることを報告している。

このようにダイオキシン類は生体に対して強烈な急性毒性を持つほかに、ホルモン様作用を及ぼし、内分泌系を撹乱する可能性が指摘されているが、この問題は国際的には通称「内分泌撹乱化学物質問題(エンドクリン問題)」として注目を集めているところである。

(1) エンドクリン問題は人体の生殖作用に影響を及ぼす問題であるだけに、人類の未来にとって非常に重要な課題と思われる。この点に関する政府の認識を問う。

(2) エンドクリン問題に関しては、現在厚生省・環境庁・通産省が予算をつけて研究を開始したと聞いている。また、その他の関係省庁として労働省・農水省等が考えられるが、予算措置の内容、経過を具体的に説明されたい。また、その研究の中にダイオキシン類に関する調査・検討等は含まれているか。

(3) 欧州では、イギリス、デンマーク、オランダ、フランス、スウェーデンの研究機関で、種々の研究が進んでいる。疫学および実験研究は、この半世紀にわたり環境汚染物質に関して多くの新しい仮説を提示してきた。エンドクリン問題において、自然界の動物への環境汚染物質のホルモン様効果はほぼ立証されているが、人の疫学データに関してはまだ確かな根拠がない状態である。現在、各国でこの因果関係、スクリーニング方法、毒性評価システムの確立に向けた努力が精力的になされている。これらの研究に対する政府の明確な認識と、今後の協力体制に向けた努力目標を示せ。

五 ダイオキシン問題に関する積極的な情報公開について

1 情報公開への政府の姿勢と取り組みについて

この度ダイオキシン類問題の調査を進めるに当たって、厚生省内外の多くの関係部署にさまざまな資料を要求する必要に迫られた。国民の健康を保証するためにどのような対応策が考えられるかを真剣に検討するためには、ダイオキシン問題に対する厚生省のこれまでの対応を正確に把握したうえで、今後の手立てとして何が可能で、何が不可能であるかを考える必要があったからである。

そのため、関連省庁のかなりの時間と労力を使って協力を得ることとなり、その反面、関係機関の通常業務に充当する時間・労力を減らすこととなった。すなわち、一部の情報に関してはインターネットの厚生省ホームページ等で閲覧することができ参考にしたが、網羅的なものではなく、疑問となる点に関して回答が見い出せず、最終的に政府委員室、本庁に問い合わせる結果となったためである。このことは、省庁の情報公開の必要性を痛烈に感じる契機ともなった。

当然省庁内のすべての情報を公開することは、業務文書の性格上無理なことであり、またその処理作業の労力を考えると物理的にも不可能であろう。しかし、国民の情報公開に対する要請が高まりつつある今日、一つ一つの問い合わせに対して返答を用意するよりも、ルーチンワークとして情報の電子化を進め、インターネット等検索機能の充実した媒体を用いて情報を公開していくほうが、省庁にとっても有効な手立てとなると思われる。

一つの問題に対してこれまでにどのような問い合わせがなされ、どのような回答をしてきたのか、また通常業務においてどのような職務を遂行しているかなどを、一元的に把握できるような情報源が切に待たれているといってよい。

行政府と立法府、さらにはその主である国民とのあいだの誤解と不信による余計な軋轢を取り除き、国民のための行政・政治を円滑に実現していくためにも、政府が積極的に情報公開に取り組んでいくことを希望する。

(1) これまでの厚生省の情報公開に関して行ってきた業務とはどのようなものか。

(2) 厚生省のダイオキシン問題に関するホームページに記載されている情報は、どのような基準で選択されているのか。

(3) ダイオキシン問題についての情報公開の必要性に関する政府の認識はどのようなものか。また、今後どのように情報公開を進めていくのか。現在検討中であれば、いつ、どの検討会で、どのような審議がなされてきたのかを示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1の(1)について

御指摘の厚生省が都道府県に対して求めた報告のうち、平成七年十二月に行ったもの(以下「第一回調査」という。)は、市町村(一部事務組合を含む。以下同じ。)の設置する千八百五十四か所(平成六年三月末現在。当時稼働中でないものを含む。)の一般廃棄物の焼却施設(以下「ごみ焼却施設」という。)を対象とし、平成二年十二月に厚生省が策定した「ダイオキシン類発生防止等ガイドライン」(以下「旧ガイドライン」という。)の実施状況及び排ガス中のダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾフラン及びポリ塩化ジベンゾーパラージオキシンの混合物をいう。以下同じ。)の濃度の測定の実施状況を把握するため、焼却炉の型式、処理能力等ごみ焼却施設の概要、処理実績、集じん器等の設備の状況、旧ガイドラインに示された方法による維持管理の実施状況並びに排ガス中のダイオキシン類の濃度の測定の実績の有無及び実績がある場合におけるその結果について報告を求めたものである。

平成八年に厚生省が都道府県に対して求めた報告(以下「第二回調査」という。)においては、第一回調査の対象とした市町村の設置するごみ焼却施設を対象に、旧ガイドラインの実施状況及びごみ焼却施設ごとのダイオキシン類の排出実態を把握するとともに、ダイオキシン類の削減対策を検討し、これを実施する上での基礎資料を収集するため、第一回調査の調査項目に加え、すべての施設について排ガス中のダイオキシン類の濃度を測定した上で報告を求めたものである。

一の1の(2)について

本年四月十一日に厚生省が公表した「ごみ焼却施設排ガス中のダイオキシン類濃度について」においては、二回の調査により得られた市町村の設置するごみ焼却施設におけるダイオキシン類の排出実態に関する情報をできる限り速やかに国民に提供するという観点から、同年三月末までに同省に報告されたごみ焼却施設について、排出ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果並びにごみ焼却施設の焼却炉の型式、処理能力、集じん器の種類及び使用開始年月を取りまとめて公表したところであるが、その他の調査項目については、報告の内容について精査に時間を要しており、現時点においては公表する予定はない。

一の1の(3)について

御指摘の飛灰中のダイオキシン類濃度についての調査は、飛灰にダイオキシン類がどの程度の濃度で含まれるかについての科学的知見を得るために行ったものであり、本年一月二十日現在で当該濃度について報告のあった四百八十七施設における測定結果については、本年一月に策定した「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」(以下「新ガイドライン」という。)において、濃度度数分布の形で全体的な状況を既に公表していることから、現時点においては個別のごみ焼却施設ごとの測定結果を公表する予定はない。

廃棄物焼却の過程において発生する飛灰については、ごみ焼却施設の集じん設備により回収され、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)第六条の二第三項等の関係法令の規定に基づいて、管理型処分場において埋立処分することとされており、大気中に直接排出されるものではない。このため、第二回調査においては、排出ガス中のダイオキシン類濃度の測定については必須としたが、飛灰中のダイオキシン類濃度の測定については科学的知見を得るためのものとして任意としたものである。

一の2の(1)について

第二回調査における市町村の厚生省に対する報告の状況については、お尋ねの本年六月十七日現在の状況は集計していないが、本年五月末現在で、全国の稼働中のごみ焼却施設千六百四十一施設のうち、本年四月十一日の公表分千百五十施設も含め、千四百九十六施設から報告があったところである。また、本年六月以降も測定結果の出た市町村から順次報告を受けているところである。

一の2の(2)について

ダイオキシン類を測定する手順については、都道府県に第二回調査を依頼した「ごみ焼却施設からのダイオキシン類排出実態等総点検調査の実施について」(平成八年七月十二日衛環第二百十四号厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知)において、原則として同通知別添の「廃棄物処理におけるダイオキシン類測定分析マニュアル」に示す方法に基づき、年間の平均的な運転状況に近い条件の日を選定して試料を採取し、測定を行うこととしたところであるが、ダイオキシン類濃度測定の手順、試料採取の場所、試料の数等の測定方法については、焼却施設の規模、処理能力等の違いによる差異は設けていない。また、一回の測定に当たっては、一つの試料で測定が可能である。

一の2の(3)について

ダイオキシン類の測定に関し、各地方公共団体の負担する費用については、把握していない。また、測定費用については、焼却施設の処理能力による相違はないと承知している。

なお、厚生省において、ダイオキシン類の測定を行う機関(以下「測定機関」という。)に照会したところ、試料を採取するための旅費を除き、一試料当たり平均で七十万円程度との回答があったところである。

一の2の(4)について

厚生省において、第二回調査における測定に要した日数を、測定機関に照会したところ、試料を採取してから測定結果が判明するまで、平均で三十五日程度を必要とするとの回答があったところである。

一の2の(5)について

市町村が行うごみ焼却施設から排出されるダイオキシン類の測定については、現在のところ国の助成金制度はない。また、現在のところ、資金面で援助を行う予定はない。

一の2の(6)について

ダイオキシン類の測定には精密な機材及び高度な専門技術を必要とするため、短期間に測定機関の数が増加したとは承知しておらず、第二回調査に対する報告が遅れているのは、依然として、調査の対象施設の数に比べて測定機関の数が限られている状況に変わりはないことによるものと考える。

一の3の(1)について

厚生省においては、第二回調査の実施に当たり、都道府県を通じて市町村に対し、適正な測定を実施するよう指導してきたところであるが、御指摘のような事実が判明した場合には、都道府県を通じて事実関係を確認するとともに、当該市町村に対して再度測定を求める等適切な措置を講じてきたところである。

一の3の(2)について

ごみ焼却施設の排出ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果の住民への情報提供については、当該ごみ焼却施設の設置主体である市町村が行うべきものであり、厚生省においては、都道府県を通じて市町村に対し、測定結果を公表するよう指導するとともに、同省に報告された測定結果について公表に努めてきたところであり、今後とも、情報公開に努めてまいりたい。

一の4の(1)について

本年八月二十九日に公布された廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成九年政令第二百六十九号。以下「廃掃法施行令改正政令」という。)及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成九年厚生省令第六十五号。以下「廃掃法施行規則改正省令」という。)により、現在稼働中のごみ焼却施設については、廃掃法施行令改正政令の施行後一年以内に排出ガス中のダイオキシン類濃度を一立方メートル当たり八十ナノグラム以下に適合させ、廃掃法施行令改正政令の施行後五年以内に、排出ガス中のダイオキシン類濃度をごみ焼却施設の規模に応じて一立方メートル当たり一ナノグラム、五ナノグラム又は十ナノグラム以下に適合させなければならないこととしたところである。これらの基準に適合しない施設については、廃棄物処理法第九条の二、第九条の三及び第十五条の三の規定に基づき、改善命令、使用の停止等の措置が行われることとなる。

一の4の(2)について

ダイオキシン類については、大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(平成九年政令第二百七十号)により大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)附則第九項に規定する指定物質に追加し、指定物質排出施設として廃棄物焼却炉等を指定するとともに、これらの施設に係る指定物質の排出又は飛散の抑制に関する基準(以下「指定物質抑制基準」という。)を平成九年環境庁告示第二十六号及び平成九年環境庁告示第二十七号により定めたところである。

大気汚染防止法附則第九項に規定する指定物質については、同項に基づき環境庁長官が指定物質抑制基準を定め、同法附則第十項及び第十一項の規定により、都道府県知事(大気汚染防止法施行令(昭和四十三年政令第三百二十九号)第十三条に定める市の長を含む。)が、指定物質排出施設を設置している者に対し、指定物質抑制基準を勘案して必要な勧告及び報告を求めることができることとされており、これらの規定の適切な運用により、当該指定物質の排出抑制の実効性を確保することとしている。

また、これに併せ、廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の排出抑制については、廃掃法施行規則改正省令においてダイオキシン類に係る指定物質抑制基準に適合するように廃棄物焼却施設の維持管理の技術上の基準を定めたところであり、当該基準に適合しない施設については、一の4の(1)についてで述べた措置が行われることにより、実効性が確保されるところである。

一の4の(3)について

御指摘のごみ処理に係るダイオキシン類の生成及び排出抑制対策については、「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止対策等の推進について」(平成二年十二月二十六日衛環第二百六十号厚生省生活衛生局水道環境部長通知)により、旧ガイドラインを示し、都道府県を通じて市町村を指導したところである。

また、「ごみ処理に係るダイオキシン類の緊急削減対策について」(平成八年十月三日衛環第二百六十一号厚生省生活衛生局水道環境部長通知)により、排出ガス中のダイオキシン類の濃度が一立方メートル当たり八十ナノグラムを超えるごみ焼却施設について、当該施設の休廃止を含めた緊急対策を示し、都道府県を通じて市町村を指導したところである。さらに、「ごみ処理に係るダイオキシン類の削減対策について」(平成九年一月二十八日衛環第二十一号厚生省生活衛生局水道環境部長通知)により、新ガイドラインを示し、現在のごみ焼却に係る技術水準にかんがみ達成可能とされる排出ガス中のダイオキシン類の濃度の最低値を、ごみ焼却施設の種類に応じて設定するとともに、その値を達成するための具体的な対策を示して、都道府県を通じて市町村の当該対策の実施を指導しているところである。

一の1の(1)について

排水及び環境水中のダイオキシン類の測定手法については、環境庁が設置したダイオキシン排出抑制対策検討会の平成九年度の「ダイオキシン排出抑制対策検討会報告」に標準的な手法が示されている。また、土壌中のダイオキシン類の測定手法についてもこの報告の中に測定手法の例が示されている。焼却灰中のダイオキシン類の測定手法については、平成八年度に厚生省が作成した「廃棄物処理におけるダイオキシン類標準測定分析マニュアル」に標準的な手法が示されている。

農薬中のダイオキシン類の測定手法については、平成四年度に環境庁が作成した手法が一般的に用いられていると考えている。

発生源からの距離及び統計的手法については、統一したものはない。

二の1の(2)について

土壌中のダイオキシン類の測定手法については、現在、環境庁が設置した土壌汚染調査法等検討会において、採取及び分析の方法に関し検討が行われており、本年内を目途に検討結果が取りまとめられる予定である。

また、発生源からの距離及び統計的手法については、個別の調査の目的に応じてそれぞれ的確な手法が用いられるべきであり、現在のところ統一的な手法の検討は予定していない。

二の1の(3)について

環境庁が実施している「環境大気中のダイオキシン類モニタリング調査」では、標準となる試料を各測定機関に配布し、各測定機関において当該試料を並行して測定し、比較することにより、分析精度の管理を図っているところである。

環境庁で行っているこの他の環境モニタリング調査並びに厚生省の第一回調査及び第二回調査においては、これまでのところ、このような方法によるクロスチェックは行っていないが、今後、ダイオキシン類に関する環境モニタリング調査等においては、クロスチェックを行う等精度管理を充実させていきたいと考えている。

二の2について

ダイオキシン類の測定に係る技術者の育成のためのプログラム及び研修制度については、これまでのところ実施していないが、正確な測定を行うためには、測定技術者の育成は重要な課題であると認識している。ダイオキシン類の分析には、ダイオキシン類の毒性にかんがみ他の分析施設と分離した施設の確保が必要であることから、研修を行うことができる施設の確保等実施上困難な点があるが、今後、測定技術者の育成のための具体的方策について検討してまいりたい。

二の3の(1)について

現在行われているダイオキシン類の測定及び分析には精密な機材及び高度な専門技術が必要であり、また、採取された試料からダイオキシン類を抽出するには長時間を要することから、国民一般が簡便にダイオキシン類を測定することは困難であるが、環境モニタリングを効率的かつ効果的に行っていくため、より簡便な測定及び分析方法の検討も必要であると考えている。

二の3の(2)及び(3)について

ダイオキシン類にはそれぞれ毒性が異なる多くの異性体があるため、ダイオキシン類の測定及び分析には精密な機材及び高度な専門技術が必要であり、また、採取された試料からダイオキシン類を抽出するには長時間を要することから、ダイオキシン類の測定及び分析方法を簡便化することについては現時点では技術的に困難な点があり、その具体的方策については今後の研究課題であると考えている。

二の4の(1)について

家庭用焼却炉及び小型焼却炉の使用に伴うダイオキシン類の生成及び排出について、環境庁、厚生省又は文部省が調査を行った実績はない。

二の4の(2)について

文部省においては、学校におけるごみの分別収集、資源ごみのリサイクルによるごみの減量化等の取組を推進することを目的として「「学校におけるごみ処理等の状況調査」の実施について」(平成九年五月十三日文部省大臣官房文教施設部指導課長通知)により、全国の公立の小学校、中学校、高等学校及び特殊教育諸学校を対象にごみの処理方法の実態について調査を行ったところである。当該調査においては、ダイオキシン類の排出濃度の測定は行っていない。

二の4の(3)及び(5)について

御指摘の研究者の報告については、環境庁が設置したダイオキシン排出抑制対策検討会においても議論の対象となったところであるが、現状では、小型焼却炉によるダイオキシン類の発生及び排出の実態について十分な科学的知見が得られていない。今後、小型焼却炉についてダイオキシン類の発生及び排出の実態に関する調査を行った上で、必要な対策を検討してまいりたい。

二の4の(4)について

公立学校の小型焼却炉によるダイオキシン類の排出の実態及び児童への影響については、現在明確にされていない。

文部省においては、「学校におけるごみ処理等について」(平成九年七月二十三日文部省大臣官房文教施設部指導課長及び体育局学校健康教育課長通知)により、学校におけるごみの処理に関し、ごみの減量化を一層促進することや可能な限り校内における焼却処理の抑制又は廃止に努めること等の適切な処理を図るよう地方公共団体等に対して指導したところであるが、今後とも関係省庁と連携して、適切に対応してまいりたい。

二の4の(6)について

生活環境審議会廃棄物処理部会廃棄物処理基準等専門委員会においては、廃棄物の焼却施設から排出されるダイオキシン類の削減対策に関し、廃棄物の焼却施設の構造及び維持管理の基準の強化、当該基準が適用される廃棄物の焼却施設の範囲の見直し、焼却に係る廃棄物の処分の基準の強化並びにばいじん等の適正な処理方策について検討が行われ、本年七月に報告が行われたところである。

二の5の(1)について

阪神・淡路大震災による倒壊家屋から生じた廃材等が、屋外で焼却設備を用いないで焼却(以下「野焼き」という。)されたことによるダイオキシン類の生成及び排出の実態については把握していないが、環境庁が平成七年二月から三月にかけて調査を実施し、その結果を取りまとめた「阪神・淡路大震災に伴う第二次大気環境モニタリング調査等の結果について」において、ダイオキシン類を始めとする有害物質の大気中の濃度について、「直ちに健康影響が問題になるレベルではない」が、「環境への影響が認められないとは言えない」とされたことから、厚生省においては、関係府県に対し、廃材等については焼却施設を用いて焼却する旨を指導するよう指示したところである。

また、所沢市の産業廃棄物の焼却施設におけるダイオキシン類の生成及び排出の実態については、厚生省においてはこれを把握していないが、埼玉県が平成八年十一月に実施した産業廃棄物の焼却施設が集中している同県川越市、所沢市、狭山市及び三芳町の境界周辺地域のダイオキシン類の環境調査の結果によると、「現時点で、人の健康に影響を及ぼしている可能性は小さいと考えられる」とされているところで

ある。

二の5の(2)について

産業廃棄物の野焼きに伴うダイオキシン類の生成及び排出の実態については、把握していない。また、これらについて調査を行った事例についても承知していない。

廃棄物の燃焼条件に応じたダイオキシン類の生成及び排出の実態については、現在、調査研究を行う等により知見の集積に努めているところである。また、廃棄物の野焼きについては、廃棄物処理法第六条の二第二項、第十二条第一項及び第十四条第八項並びに廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号。以下「廃掃法施行令」という。)第三条第二号イ及び第六条第一項第二号イの規定により、廃棄物を焼却する場合には焼却設備を用いて焼却することとされているが、焼却設備の要件が明確でなかったため、廃掃法施行規則改正省令において、廃棄物を焼却する場合に用いる焼却設備の構造を明確化する等所要の措置を講じたところである。今後、その施行に併せて、都道府県等に対し、野焼きに対する監視及び指導の一層の徹底を図るよう指導してまいりたい。

また、御指摘の産業廃棄物の不法投棄の実態調査については、都道府県等を通じ、平成五年度から平成七年度までの三年間の産業廃棄物の不法投棄の状況について調査を実施したものであるが、この調査によると、平成七年度における不法投棄の件数及び量は、それぞれ六百七十九件及び四十四・四万トンとなっている。厚生省としては、この調査結果を踏まえ、都道府県等に対し、不法投棄の防止のための監視及び指導の体制を強化するよう指導したところである。

二の5の(3)について

廃棄物処理法第十四条第一項若しくは第四項又は第十四条の四第一項若しくは第四項の許可を受けた者(以下「産業廃棄物処理業者」という。)による野焼きの実態については、個別の事案に応じて都道府県等において調査を行っており、都道府県等の報告によれば、平成六年一月一日から本年六月三十日までの間に野焼きを行ったとして産業廃棄物処理業の許可の取消し又は営業停止の行政処分が行われた件数は、七件であった。当該産業廃棄物処理業者が処理していた廃棄物の種類は、木くず等であり、処理能力及び種類ごとの処理量については承知していない。

また、廃棄物処理法第十四条第一項若しくは第四項又は第十四条の四第一項若しくは第四項の許可を受けないで産業廃棄物を処理している業者の実態は十分には把握していないが、平成七年にこれらの規定の違反により百三十四事業者が検挙されたと承知している。なお、このうち野焼きを行った者の数は不明である。

産業廃棄物の野焼きの規制については、二の5の(2)についてで述べたとおり、廃掃法施行令改正政令等を制定し、焼却に係る産業廃棄物の処分の基準を強化したところである。今後は、都道府県等においてこの基準に従って個別の事案に応じて実地に調査を行うこと等により必要な指導を行うこととし、都道府県等に対して野焼きの状況について報告を求めることを検討している。

二の5の(4)について

廃棄物処理法第十二条第一項及び第十四条第八項において、事業者及び産業廃棄物処理業者は、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を行う場合には産業廃棄物の収集、運搬及び処分の基準に従わなければならないとされている。焼却に係る産業廃棄物の処分の基準については、廃掃法施行令第六条第一項第二号において、産業廃棄物を焼却する場合には焼却設備を用いて焼却することとされている。本基準については、廃掃法施行令改正政令において、産業廃棄物を焼却する場合には厚生省令で定める構造を有する焼却設備を用いて、厚生大臣が定める方法により焼却することとされ、この新たな基準は本年十二月一日より施行することとされている。また、これに併せて廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号)に第一条の五を設け、焼却設備の構造について、空気取入口及び煙突の先端以外に焼却設備内と外気とが接することなくごみを焼却できるものであること並びに燃焼に必要な量の空気の通風が行われるものであることを規定したところである。

野焼きは、焼却に係る産業廃棄物の処分の基準に適合しない処分であり、都道府県知事等は、廃棄物処理法第十九条の三の規定に基づき、当該処分を行った者に対し、期限を定めて、処分の方法の変更その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができることとされ、同条の規定による命令に違反した者については同法第二十六条の規定に基づき、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処することとされている。また、この規定については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律(平成九年法律第八十五号)において、罰金の額を三百万円以下に引き上げる改正が行われ、この改正は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令で定める日から施行することとされたところである。

都道府県等においては、個別の事案に応じて、これらの規定に基づき対処するとともに、必要な指導を行っているところであり、厚生省としては、一連の制度改正を踏まえ、今後とも都道府県等に対し適切に指導を行ってまいりたい。

三の1の(1)について

御指摘の廃棄物の再生利用及び減量化に関する取組として、厚生省においては、廃棄物再生利用施設の整備事業に対する国庫補助を実施しているところであり、平成八年度においては予算額は百七十六億四千九百万円、国庫補助により新規に着工した廃棄物再生利用施設の実績は四十七施設であり、本年度の予算額は二百二十億三千六百万円である。通商産業省においては、民間能力活用特定施設緊急整備費補助金(平成八年度予算十三億円)において、民間事業者が設置するリサイクル施設整備事業に対する国庫補助を実施しているところである。さらに、本年度からは、新規事業として地域におけるゼロ・エミッション構想推進のための環境調和型まちづくりのモデル事業を支援するエコタウン事業(平成九年度予算五億二千万円)を創設したところである。

また、厚生省においては、都道府県及び市町村における廃棄物の再生利用及び減量化に関する普及啓発事業に対する国庫補助を実施しているところであり、平成八年度においては予算額は十七億千八百万円、国庫補助により四十五都道府県及び三百四十七市町村が当該事業を実施し、本年度の予算額は十五億二千四百万円である。通商産業省においては、民間団体が行う廃棄物等処理再資源化のための普及啓発及び情報提供事業に対する国庫補助等を実施しているところであり、平成八年度においては予算額は一億千九百万円、国庫補助により二団体が同事業を行い、本年度の予算額は一億二千三百万円である。

さらに、厚生省においては、毎年ごみ減量化推進全国大会を開催することにより、廃棄物の再生利用及び減量化に関する知識の普及啓発、情報交換等を行っているところであり、平成八年度においては予算額は千五百万円、当該大会の参加者は千二百人であり、本年度の予算額は千六百万円である。

三の1の(2)及び(3)について

塩化ビニル類も含め、焼却されるごみに含まれる物質の種類と当該ごみの焼却によるダイオキシン類の発生との因果関係が現在のところ明らかではない。このため、ダイオキシン類の発生を抑制する観点からは、分別収集により特定の種類のごみを焼却しないこととするよりも、ごみ焼却施設において完全燃焼させる等の対策を徹底することがより有効かつ適切と考えており、現時点ではこの観点からの分別収集の検討には至っていない。

分別収集一般に関するこれまでの政府の取組としては、分別収集の手引の作成及び市町村に対する配布、廃棄物再生利用施設の整備事業に対する国庫補助等を実施してきたところである。また、本年四月より一部の容器包装について容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律(平成七年法律第百十二号)に基づく分別収集が開始されているところであり、今後、紙製及びプラスチック製の容器包装については、同法に基づく分別収集の対象となる範囲を拡大することを予定している。

三の2の(1)について

厚生省は、御指摘のような企業の全国一覧は有していない。

市町村が溶融固化処理を行う施設を整備するに当たっての支援方策として、厚生省においては、当該施設を整備しようとする市町村が必要な情報を得るための便宜となるよう、本年五月に全国の溶融固化処理を行う施設の設置状況について都道府県に情報を提供したところである。

三の2の(2)について

溶融固化処理を行う施設の整備に当たっての課題については、市町村から溶融固化処理を行う施設の建設及び維持管理に多額の費用を要することが指摘されていると承知している。

三の2の(3)について

厚生省においては、溶融固化処理を行う施設の整備に関する情報は、都道府県を通じて市町村に提供していることから、当該情報を市町村に提供する手段としてホームページに掲載することは可能ではあるが、その必要があるとは考えていない。

三の3の(1)について

御指摘の市町村がごみ焼却施設の設備を改良する期間中のごみ処理に関する市町村間の協力については、厚生省生活衛生局水道環境部が本年六月二十四日に開催した全国都道府県廃棄物処理担当主管課長会議において、市町村がごみ焼却施設の休廃止を行う際の近隣市町村へのごみ処理の委託について都道府県が市町村間の調整を図るなど必要な技術的援助を与えるように指導したところである。

三の3の(2)について

ごみ焼却に関し市町村間で協力を行われた事例については、山梨県小菅・丹波山衛生組合がごみ焼却施設を本年四月から休止した際、大月都留広域事務組合にごみ処理を委託した例、兵庫県宍粟郡広域行政事務組合がごみ焼却施設を本年四月から休止した際、揖龍保健衛生施設事務組合にごみ処理を委託した例、及び神奈川県清川村がごみ焼却施設を本年五月から休止した際、厚木市にごみ処理を委託した例がある。

三の3の(3)について

地方公共団体から厚生省に対し、ごみ焼却に係る市町村間の協力体制に関する照会がなされた具体例は現在のところないが、厚生省としては、本年六月に、焼却施設の休止中又は廃止後のごみ処理の他市町村への委託の事例を公表することにより情報提供を行ったところである。

四の1の(1)及び(2)について

子宮内膜症そのものの調査は行っていないが、子宮内膜症の患者数の推移については、厚生省が実施する患者調査において、調査日を指定し、調査対象医療施設を抽出して入院患者及び外来患者の疾病を調査しており、この調査の結果から推計した子宮内膜症の患者数は、次の表のとおりである。

なお、昭和四十五年以前については、子宮内膜症を含む疾病分類の患者数から当該疾病の患者数を抽出することができる資料を保存していないため不明である。

図 表 1/3

図 表 2/3

図 表 3/3

四の1の(3)について

お尋ねのダイオキシン類の生成量は把握が困難であることから、その生成量の推移については承知していない。

四の1の(4)について

四の1の(3)についてで述べたとおり、過去のダイオキシン類の生成量の推移について把握していないことから、両方のデータを比較することにより相関関係及び因果関係を考察することはできない。

四の1の(5)及び(6)について

一般的に疫学研究の手法には、御指摘の患者対照研究(ケース・コントロール・スタディ)のほか、コホート研究等様々な手法が用いられているが、どのような手法が妥当であるかは、当該研究の目的、対象疾患及び調査要因の特徴、対象集団の協力等の条件により異なるため、一概に判断できない。

御指摘のダイオキシン類による健康被害については、国民の健康影響を未然に防止する上で極めて重要な課題であると認識しており、関係省庁が連携して、ダイオキシン類による環境、人等の汚染状況の把握、健康影響の評価に関する調査研究等を積極的に推進してまいりたい。

調査研究に当たっては、因果関係を正しく評価するために、適切な手法を選定するとともに、さらに、調査地域及び対象者の選定、暴露情報の収集等適切かつ有効な調査方法を採ることが極めて重要と考えており、専門家の意見等を踏まえて検討してまいりたい。

四の2の(1)について

ダイオキシン類による人体影響調査については、お尋ねの本年六月十七日現在、その調査方法について、環境庁、厚生省及び労働省の三省庁による検討が進められていたところである。

その後、環境庁及び厚生省が共同で、労働省及び農林水産省の協力を得て、専門家から構成される「ダイオキシン類総合調査検討会」を設置し、ダイオキシン類による環境、人等の汚染状況の把握及び健康影響の評価に関する調査研究について総合的に検討を進めることとし、近日中にその第一回会合が開催される予定である。

四の2の(2)について

御指摘の研究者による調査対象のごみ焼却施設の従事者の毛髪から一般住民より高い濃度のダイオキシン類が検出された旨の研究報告は承知している。ごみ焼却施設の従事者についてダイオキシン類を原因とする健康障害が発生したという事実は承知しておらず、また現時点までに御指摘の実地調査は実施していないが、今後関係機関からの情報収集を行い、作業環境等について調査等を実施してまいりたい。

四の2の(3)について

お尋ねの職員数については、厚生省が実施する一般廃棄物処理実態調査によれば、平成六年度末において、ごみの収集運搬に従事する者の数は、十一万二千八百三十九人であり、廃棄物を処理する施設のうち市町村が設置するごみの破砕施設、ごみ焼却施設等のごみの中間処理施設の職員数は一万三千五百二十四人、市町村が設置する一般廃棄物の最終処分場の職員数は千八百七十人である。その他の民間のごみ焼却施設、産業廃棄物処理施設等の職員数については、承知していない。

また、廃棄物を処理する施設の職員を対象としてダイオキシン類の暴露状況を調査した研究報告は、承知していない。

四の2の(4)について

ごみ焼却施設及び産業廃棄物処理施設で作業に従事する労働者へのダイオキシン類の健康影響については、作業環境等の調査等を行い、その結果を踏まえて検討してまいりたい。

また、これ以外のダイオキシン類による人の汚染状況等に関する調査についても、その対象地域や対象者について今後専門家の意見等も踏まえながら検討してまいりたい。

四の2の(5)について

御指摘の資料は、新ガイドラインの検討過程における参考資料の一つとして、財団法人廃棄物研究財団の会員である複数の民間企業が平成八年七月から八月までの間に、環境庁の作成した「環境大気中のダイオキシン類測定分析技術指針」に従った測定方法により実施した測定事例の提供を受けて厚生省において取りまとめたものである。

四の3の(1)について

御指摘の「内分泌かく乱化学物質問題」(以下「エンドクリン問題」という。)は、ダイオキシン類等の化学物質が、生物の体内に取り込まれて正常な内分泌を阻害し、生殖や発育等に影響を及ぼす可能性に関する問題であり、生物の基本的な機能に関わる重要な問題と認識している。

四の3の(2)について

環境庁においては、従来から内分泌かく乱化学物質を含む化学物質の環境中の残留状況についての環境モニタリング調査を行ってきたが、平成八年度に専門家からなる研究班を設置し、約五百万円の予算措置を行い、環境保全の観点から我が国におけるエンドクリン問題の状況及び今後の課題等について調査検討を行い、本年七月、中間報告書を取りまとめたところである。また、平成九年度には、約四千万円の予算措置を行い、国立環境研究所において「環境中の「ホルモン様化学物質」の生殖・発生影響に関する研究」を実施している。

厚生省においては、エンドクリン問題の検討を進めるため、平成八年度に約三百万円の予算措置を行い、専門家からなる研究班を設置し、化学物質による内分泌かく乱に関する基礎資料を得るための調査を行ったところであり、平成九年度はその成果を基に、約一千万円の予算措置を行い、人における内分泌かく乱に関する研究、内分泌かく乱化学物質を検出するための試験法の研究等を実施することとしている。

通商産業省においては、平成八年度において、約九百万円の予算措置を行い、エンドクリン問題に関する諸外国の取組状況等の情報収集、因果関係の解析等の技術的課題の検討、今後の対応策についての調査を実施し、その中間報告書を本年五月に取りまとめたほか、約八千万円の予算措置を行い、化学物質の内分泌かく乱作用の有無を判断するためのスクリーニング手法の研究を開始した。

以上の研究には、ダイオキシン類の内分泌影響に関する調査及び検討が含まれている。

なお、農林水産省及び労働省においては、これまで、エンドクリン問題の研究について予算措置を行っていない。

四の3の(3)について

エンドクリン問題に関しては、米国及び欧州において、実験動物による研究、野生動物への影響の実態調査、人の健康影響に関する疫学調査等幅広い研究が進められており、科学的知見が集積されつつあると認識している。我が国においても、化学物質による健康影響等を未然に防止するとの観点から、経済協力開発機構(OECD)等の国際機関や化学物質の安全性に関する政府間フォーラム(IFCS)等の政府間の会議においてエンドクリン問題に関する情報交換等を行っており、今後とも、各国との連携を図りつつ、調査研究を実施してまいりたい。

五の1の(1)について

厚生省においては、これまで審議会の議事録等の公開、主要施策の記者発表等国民への行政情報の提供に積極的に取り組むとともに、国民からの個別の照会についても、各省庁文書課長等により構成される情報公開に関する連絡会議の平成三年十二月一日付け申し合わせ「行政情報の公開基準について」等に基づき、対応してきたところである。

五の1の(2)について

厚生省のホームページにおけるダイオキシン類問題に関する掲載内容は、国民の関心が高いと考えられる情報を広く提供するという観点から、記者発表を行った資料、生活環境審議会廃棄物処理部会廃棄物処理基準等専門委員会の議事録等としているところである。

五の1の(3)について

ダイオキシン類に係る情報については、健康にかかわる問題として国民からの関心が高いと認識しており、これまで第一回調査及び第二回調査における個別のごみ焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度を公表する等積極的な情報の公開に努めてきたところである。今後もダイオキシン類に係る情報について、関係省庁のホームページの掲載内容の充実を図る等国民への情報提供に努めてまいりたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2承知していない ×13検討してまいりたい ×5個別の事案 ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1990年11月7日 藤田スミ 答弁 1990年11月27日
衆議院 第119回 第10号検討してまいりたい ×1
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