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中国海軍原子力潜水艦の日本領海侵犯に対する対処に関する質問主意書

参議院 第161回 第9号

提出者
参議院
提出日
2004年11月19日
内閣転送 2004年11月24日
答弁書受領日
2004年11月30日
提出から11日
答弁の項目数
2
質問 901字/答弁 923字

質問本文

中国海軍と見られる原子力潜水艦(以下「中国原潜」という。)が十一月十日、沖縄県宮古列島の多良間島周辺の日本領海を潜行し、日本領海を侵犯したとの情報を受けて、追跡に当たった海上自衛隊の哨戒機P3Cがそれを確認、その後、小泉首相の承認を得て大野防衛庁長官が海上警備行動を発令した。

この件について、去る十一月十一日の参議院外交防衛委員会で、海上警備行動を発令した理由などについて防衛庁にただしたところ、大野防衛庁長官は「海洋法に関する国際連合条約の第二十条で、潜水した船その他水中航行機器は、領海においては、海面上を航行し、かつ、その旗を掲げなければならないとなっているからである。」との趣旨の答弁を行った。

よって、次のとおり質問する。

一、我が国において不審船の領海侵犯の対処などの海上における治安維持の任務は、本来、海上保安庁の担当すべきものであると考えるが、本件のように国籍不明の潜水艦が我が国領海内へ侵入した場合、その対応は第一義的には海上保安庁の任務になるのか、それとも海上自衛隊の任務になるのか、見解を示されたい。

二、本事案における海上警備行動の発令は、中国原潜が我が国の領海外に出てからのことであると報じられているが、それは事実かどうか。また、事実であるとすれば、中国原潜が我が国の領海を出た時刻及び発令した時刻を明らかにされたい。あわせて、領海に出た後の発令であれば、海洋法に関する国際連合条約第二十条で定める領海内での義務が中国原潜にあるとは言えないが、前述の大野防衛庁長官の答弁と齟齬を来すと言えないか、見解を示されたい。

三、海上自衛隊の海上警備行動は、万一、対処を誤れば他国との外交問題に発展しかねない事案であると考える。今回、海上警備行動によるトラブルが起きなかったから事なきを得たが、十一月十六日に、中国が領海侵犯を認め、遺憾の意を表明したことから言っても、本事案は海上保安庁が対処すべきことであったと思われる。今後の同種事態に対し、海上保安庁と海上自衛隊との対処の区別及び両者間連携など、今回の事案をどのように教訓化して対応する考えなのか、明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び三について

海上における治安の維持については、第一義的には海上保安庁の任務であるが、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八十二条により、防衛庁長官は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとること(以下「海上警備行動」という。)を命ずることができるとされており、お尋ねの事案のように国籍不明の潜水艦が我が国領海内を潜没航行する場合には、海上保安庁のみでは対応することができないと認められることが想定され、このようなときには、海上警備行動の発令を受けて自衛隊が対応することができる。

改めて申し上げるまでもなく、危機管理体制については、不断の見直しが必要であり、お尋ねの事案に関しても関係各機関の対処内容を総合的に検証し、反省すべき点があれば速やかに必要な改善策を講じてまいりたいと考えている。

二について

お尋ねの事案における海上警備行動は、平成十六年十一月十日午前八時四十五分に、内閣総理大臣の承認を得て、防衛庁長官が発令したところであり、その時点では、対象である潜没航行する潜水艦は、我が国の領海の外に出ていたものである。当該潜水艦は、二時間弱の間、我が国領海内を潜没航行したが、領海を出た時刻を含む詳細については、潜没潜水艦の追尾行動という秘密保持が強く求められる事柄の性質上、お答えを差し控えたい。

お尋ねの事案における海上警備行動は、現に国際法違反(領海内での潜没航行)が発生し、我が国の海上における治安の維持に重大な影響を与えるおそれがあったこと、当該潜水艦の進路や、領海と公海が連続する先島群島周辺海域の特性等を勘案すれば、当該潜水艦が再度領海に侵入する蓋然性が高かったことなどを総合的に判断し、当該潜水艦が再度我が国の領海内を潜没航行する場合に、海面上を航行し、かつ、その旗を掲げる旨要求すること及び当該潜水艦がこれに応じない場合には我が国の領海外への退去要求を行うことを目的として、内閣総理大臣の承認を得て発令したものであり、このことが、お尋ねの大野防衛庁長官の答弁と齟齬を来すとの御指摘は当たらないと考える。

参議院の原文

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