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消費者金融利用者及び多重債務者等の実態解明等に関する質問主意書

参議院 第165回 第3号お答えすることは困難 ×7承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2006年9月29日
内閣転送 2006年10月4日
答弁書受領日
2006年10月10日
提出から11日
答弁の項目数
11
質問 2,672字/答弁 3,824字

質問本文

今般議論が行われている、いわゆる貸金業規制法及び出資法の見直しに当たり、グレーゾーン金利の問題や貸金業に係る登録制及び検査体制の整備、あるいは信用情報等の個人情報の適切な取扱いと消費者金融各社の適切な情報開示スキームの整備等を図るべきと考える。そしてその前提として、まず、消費者金融を中心とした無担保金融の利用者の全体像、多重債務者の借入の実態、消費者信用団体保険の現状、消費者金融各社と大手金融機関及び金融庁の関係等を明らかにする必要がある。これらの実態に関しては、本年五月十八日の参議院行政改革に関する特別委員会における小泉前内閣総理大臣との質疑のため、金融庁に調査依頼をしたところであるにもかかわらず、それ以来、明確な回答が返って来ておらず、質問主意書にて、その実態解明を改めて求めるものである。

そこで、以下のとおり質問する。

一 新聞報道によれば、全国信用情報センター連合会の調査により、消費者金融の利用者実態について、消費者金融利用者数約千四百万人、一人当たりの平均借入残高約百一万円、五社以上の利用者約二百三十万人という数字が示されているものの、その詳細はもとより、銀行系ローンやクレジットカード利用者等を含めた消費者向無担保金融の利用者実態の全体像が明らかとなっていない。政府は責任を持って、その全体像を明らかにすべきである。

1 全国信用情報センター連合会以外の各信用情報機関のデータも踏まえ、消費者向無担保金融利用者数の最新の推計を明らかにされたい。

2 1で示した利用者について、一人当たりの平均借入社数、借入額、借入残高、延滞の状況を示されたい。また、借入社数別の人数、借入額、借入残高、延滞の状況についても同様に示されたい。

3 1で示した利用者について、利息制限法上の上限金利を超える借入をしている者の人数、件数、一人当たりの平均借入金額を示されたい。また、利息制限法上の上限金利を超えて支払われる一人当たりの平均利息金額を示されたい。

二 新聞報道によれば、消費者金融各社は貸付に当たり消費者信用団体保険への加入を利用者に強制しており、一般的な保険金は三百万円とされている。昨年度の自殺による債権回収は三千六百四十九件に上っているが、消費者金融各社は裁判で確定した債権金額を上回る保険金を受け取っており、これは、債務者の命を担保に返済を確保しているといえる。こうした中、政府においては、社団法人生命保険協会(以下「生命保険協会」という。)に対し、被保険者の同意確認や死亡診断書の確認等のガイドラインの策定等を要請していると承知しているが、消費者信用団体保険の実態、消費者金融各社の保険契約の利用状況の全体像及び生命保険各社から消費者金融各社への保険金支払の実態を、責任を持って明らかにすべきである。

1 貸付契約に際し、消費者金融連絡会に加盟する消費者金融各社(以下「大手消費者金融各社」という。)の消費者信用団体保険の付保状況、また、中小消費者金融各社の付保状況をそれぞれ示されたい。さらに、消費者向無担保金融の利用者のうち、消費者信用団体保険の被保険者数及びその割合を明らかにされたい。

2 1で示した被保険者について、一人当たりの平均保険契約件数及び保険金額を明らかにされたい。また、保険契約件数別の人数及び一人当たりの平均借入額を示されたい。

3 利用者の借入金額や借入機関等によって、消費者信用団体保険の保険金額、保険期間、保険料に違いはあるのか。その実態を明らかにされたい。また、実際に支払われる保険金が本来の債務額を超えることがないよう担保される仕組みであるのか。実際に保険金が支払われているケースについて、利用者の借入金額別にみた支払件数及び一人当たりの平均支払金額を明らかにされたい。

4 借入契約の際の被保険者の同意確認や死亡保険金の支払に当たっての死亡診断書の確認等の方法を明らかにするとともに、すべての支払事案に関してその確認が行われているのか示されたい。

5 保険金支払に当たって、死亡診断書の確認を不要とし、家族に知らせないなど、不当に消費者金融側に有利な運用ルールが作られているのではないか。適正な保険金支払のための規制を政府はどのように行っているのか明らかにされたい。

三 消費者金融各社は金融機関から二パーセントにも満たない超低金利で資金調達を行いながら、二十パーセントを超える高金利で利用者に貸付け、利益を上げている。消費者金融各社の背後には銀行、保険会社等といった大手金融機関の存在があるが、多重債務者の問題は、単に消費者金融業界の問題ではなく、銀行、保険会社等が、金融という資金循環を利用して、最終的に多重債務者からの資金を利益として得ているという点に、問題の本質がある。したがって、議論の前提として、このような金融業界の実態、そしてそれを監督する金融庁との関係を明確にする必要がある。なお、答弁に当たっては、金融機関の社会的責任を踏まえ、固有名詞を示されたい。

1 いわゆる都市銀行のほか、生命保険協会又は社団法人日本損害保険協会に加盟する会社(以下「大手金融機関各社」という。)と大手消費者金融各社間における貸付額及び貸付金利を明らかにされたい。

2 大手金融機関各社と大手消費者金融各社の資本関係について、出資関係を個別に明示されたい。また、相互間の役職員の派遣状況及びそれ以外の人的交流の状況について、役職名、時期・期間、人数をそれぞれ示されたい。

3 大手金融機関各社、大手消費者金融各社に対する金融庁からの天下りの実態について、金融庁離職後二年以内に限らず、すべての金融庁出身者の人数及び役職をそれぞれ示されたい。

四 新たな金融規制を導入するに当たって、その実態が明らかにされていなければ、新たな金融規制の効果すら検証することができない。にもかかわらず、金融庁の対応は、「問題が生じると業界にヒアリングや報告徴求を行う」という場当たり的な対応にとどまっている。さらに、金融行政は、事前規制から事後規制へ、事前の許認可から事後の監督へと移行したというが、実態の把握がなければ、事後監督に効果など期待できない。今回の消費者金融・多重債務者の問題をめぐり、金融の実態把握の必要性が指摘されていることを踏まえ、政府として、責任を持って金融の実態を把握し、その情報をデータベース化するシステムを構築して情報開示を図るべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

貸金業者の全国信用情報センター連合会等の信用情報機関への加入は任意であること、複数の信用情報機関に加入している貸金業者があること等から、各信用情報機関の公表する登録件数等から御指摘の消費者向け無担保金融利用者の総数を推計することは困難である。

一の2及び3について

消費者向け無担保金融利用者の総数を推計することが困難であること等から、お答えすることは困難である。

二の1について

消費者金融連絡会に加盟する消費者向け無担保貸金業者(以下「大手消費者金融会社」という。)及び他の消費者向け無担保貸金業者等の消費者信用団体生命保険の付保状況については、平成十八年三月末における被保険者数は、それぞれ延べ九百九十三万二千四百十一人及び延べ三百五十万四千三十一人であると承知しているが、各社ごとの被保険者数については、各社の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあること等のため、答弁を差し控えたい。

なお、消費者向け無担保貸金業者等の消費者信用団体生命保険の平成十八年三月末における被保険者数は延べ千三百四十三万六千四百四十二人であると承知しているが、一の1についてで述べたとおり、消費者向け無担保金融の利用者の総数を推計することは困難であるため、御指摘の「割合」をお答えすることは困難である。

二の2について

二の1についてで述べた延べ千三百四十三万六千四百四十二人の被保険者についての平成十八年三月期における一人当たりの支払保険料は約三千円であると承知しているが、その他のお尋ねについては、信用情報機関においても利用者の保険加入の有無は情報登録されていないため、お答えすることは困難である。

二の3について

消費者信用団体生命保険の保険金額、保険期間及び保険料については、約款等において定められており、必ずしも一律のものではないと承知している。

保険金については、約款等において定められているが、消費者信用団体生命保険は、保険金を被保険者の債務の弁済に充当することを目的とした保険であり、貸金業者が被保険者たる債務者に対して返済を求める金額を超えて保険金が支払われるものとはなっていないと承知している。

「被保険者の借入金額別にみた支払件数」については承知していないが、平成十八年三月末において消費者信用団体生命保険に加入している消費者向け無担保貸金業者等の平成十七年度の実績によれば、一人当たりの平均支払保険金額は、約六十万円であると承知している。

二の4について

消費者信用団体生命保険に関する被保険者の同意は、一般に、被保険者たる債務者と貸金業者が金銭消費貸借契約を締結する際に、書面により行われているものと承知している。

保険会社は、保険金受取人に対し、死亡保険金の請求に際して住民票や医師の死亡診断書等の書類の提出を求めているが、死亡診断書等の提出の省略を認める場合があると承知している。

二の5について

保険金の支払手続き等については、保険業法(平成七年法律第百五号)に基づく金融庁の認可を経た、各保険会社の約款で定められている。この約款においては、一般に、保険金受取人は、死亡保険金の請求に際し、住民票や医師の死亡診断書等の書類の提出が必要であること、保険会社はこれらの書類の一部の省略を認める場合があること、保険金は保険金受取人から請求書類が保険会社の本社に到達した日から一定期間内に支払うこと等が定められていると承知している。

なお、金融庁の要請により社団法人生命保険協会が作成した「消費者信用団体生命保険の実務運営に関するガイドライン」において、消費者信用団体生命保険に関する適正な保険金支払実務の在り方として、保険金の支払請求時に「遺族に請求内容が了知されていることを保険会社が確認する必要がある」旨を明確化し、その遵守を促しているところであると承知している。

三の1について

大手消費者金融会社各社の平成十八年三月期における有価証券報告書(以下「直近の有価証券報告書」という。)に記載されている、都市銀行、生命保険会社及び損害保険会社からの平成十八年三月末における一年以内返済予定長期借入金残高及び長期借入金残高の合計額は、次のとおりである。

アコム株式会社においては株式会社三菱東京UFJ銀行百十億円、日本生命保険相互会社百十五億九千六百万円、第一生命保険相互会社三百二億三百万円及び明治安田生命保険相互会社六百三億四千八百万円、アイフル株式会社においては株式会社三菱東京UFJ銀行二百億円及び第一生命保険相互会社四百八十四億三千五百万円、株式会社武富士においてはアメリカンファミリー ライフ アシュアランス カンパニー オブ コロンバス二百億円、プロミス株式会社においては株式会社三菱東京UFJ銀行百四十九億三千八百万円、株式会社三井住友銀行五百五億七千二百万円、日本生命保険相互会社七百九十三億四千万円、第一生命保険相互会社百三十九億六千九百万円、明治安田生命保険相互会社二百七十五億六千三百万円及び住友生命保険相互会社三百億五千九百万円、三洋信販株式会社においては株式会社三井住友銀行百六十六億一千五百万円、第一生命保険相互会社四十億九千八百万円、明治安田生命保険相互会社三十八億七千五百万円及び三井生命保険株式会社三十九億六千百万円となっている。

また、プロミス株式会社の直近の有価証券報告書においては、平成十八年三月末における株式会社三井住友銀行からの短期借入金残高が五十四億三千二百万円である旨が記載されている。

なお、御指摘の貸付金利については、直近の有価証券報告書において示されていない。

三の2について

大手消費者金融会社各社の直近の有価証券報告書に大株主として記載されている都市銀行、生命保険会社及び損害保険会社による株式所有割合は、プロミス株式会社においては株式会社三井住友銀行二○・二二パーセント及び日本生命保険相互会社四・二三パーセントである。なお、アコム株式会社の直近の有価証券報告書においては、都市銀行を傘下に有する持株会社である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループによる株式所有割合が十二・九九パーセントとなっている。

また、生命保険会社における直近の有価証券報告書に大株主として記載されている大手消費者金融会社の株式所有割合は、大和生命保険株式会社においては三洋信販株式会社三・五八パーセントである。なお、生命保険会社を傘下に有する持株会社であるアクサ ジャパン ホールディング株式会社の直近の有価証券報告書においては、株式会社武富士による株式所有割合は○・○六パーセントとなっている。

都市銀行各行及び損害保険会社各社における直近の有価証券報告書において、大手消費者金融会社各社が大株主として記載されているものはない。

御指摘の人的交流の状況について、大手消費者金融会社各社における直近の有価証券報告書において記載されている者の現役職、入社時期及び出身金融機関・最終役職は、次のとおりである。

(1)アコム株式会社

取締役、平成十八年六月、株式会社三菱東京UFJ銀行・取締役副頭取。

常勤監査役、平成十六年六月、旧明治損害保険株式会社(現明治安田損害保険株式会社)・常務取締役。

(2)株式会社武富士

取締役兼執行役員、平成十七年五月、旧株式会社協和銀行(現株式会社りそな銀行)。

(3)プロミス株式会社

取締役常務執行役員、平成十八年六月、株式会社三井住友銀行・千葉東法人営業部長。

取締役専務執行役員、平成七年四月、日本生命保険相互会社・国際保険部長。

(4)三洋信販株式会社

代表取締役社長、平成十八年四月、株式会社三井住友銀行・専務取締役。

取締役、平成十四年六月、旧株式会社さくら銀行(現株式会社三井住友銀行)・代表取締役会長。

取締役常務執行役員、平成十二年七月、旧株式会社さくら銀行(現株式会社三井住友銀行)・大阪支店営業第一部長。

なお、直近の有価証券報告書において、都市銀行各行、生命保険会社各社及び損害保険会社各社に大手消費者金融会社各社における経歴を有する旨が記載されている者はいない。

三の3について

国家公務員の退職後における再就職の状況は、公務を離れた個人に関する情報であり、一般に政府が把握すべき立場にないことから、金融庁に在籍したすべての職員の再就職状況についてお答えすることは困難であるが、金融庁において国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百三条第三項の規定に基づく承認手続を行い、人事院の承認を得て、都市銀行、社団法人生命保険協会若しくは社団法人日本損害保険協会に加盟する会社又は大手消費者金融会社各社に再就職した者は、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律(平成十二年法律第百二十五号)第三条第一項に基づき採用され任期満了により退職した者一名であり、役職は「インベストメント・アクチュアリー」となっている。

四について

金融庁においては、金融機関に対する立入検査、報告徴求、日常のヒアリング等を通じて、日頃から金融機関の実態把握に努めているところである。把握した情報については、信用秩序の維持や金融機関の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれ等の事情を勘案しつつ、必要に応じ、これを開示している。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×7承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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