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金融機関が連帯保証人に対し債権取り立てを行う際生じる問題に関する質問主意書

衆議院 第159回 第28号承知していない ×3検討してまいりたい ×2

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2004年2月26日
内閣転送 2004年3月1日
答弁書受領日
2004年3月26日
提出から29日
答弁の項目数
8
質問 1,475字/答弁 1,863字

質問本文

金融機関の不良債権の処理がすすむ中で、銀行が連帯保証人にも過酷な債権取り立てを強行し、それにより生活が破綻させられるケースが続出していることから、連帯保証制度の見直しは、急務であると考える。

従って、次の事項について質問する。

一 銀行は、融資については主たる債務者に対し、説明義務はないと主張している。したがって、融資金、金利、返済期限などの返済条件、担保設定、および連帯保証の効果について説明を行っていないとの苦情が多く寄せられているが、政府金融庁は、銀行のこのような対応は正当なものと考えているか。

二 同様に銀行は、連帯保証人に対しても、融資の保証については、保証の種類(単純保証か連帯保証)とその違い、また保証の範囲(特定取引の保証、保証の上限を定めた根保証、無期限・限度額なしの包括保証)の区別と違いについても説明を行っていないとの苦情が多く寄せられているが、政府金融庁は、銀行のこのような対応は正当なものと考えているか。また、正当と考えているとすれば、その根拠は何か。

三 商工ローンでは、根保証が問題となり、貸金業規制法が改正になったが、銀行における連帯保証をめぐるトラブルについて政府金融庁は、実態を把握しているか。また、把握していれば、それを明らかにされたい。

四 旧富士銀行は、連帯保証契約締結後、追加融資を行うにあたり、その事実を連帯保証人にはなにも知らせないままに融資をした。巨額な債務について、別紙のような保証書にもとづき、連帯保証人に支払いを請求するケースが多数ある。そのために、ノイローゼになり、医院を廃業したり、あるいは、銀行より自己破産を促され、その結果、弁護士を事実上廃業に追い込まれかねない悲惨なケースが続出しているが、政府金融庁は、この保証書をめぐるトラブルが多発していることは承知しているか。

五 政府金融庁は、「利他性」「人的責任制」「無償性」「情義性」「未必性」「軽率性」が特色だとされる保証の特質に鑑み、連帯保証人の保護のために、無期限、無限定の包括保証の禁止、根保証の規制、さらには、保証人の収入から見て一定の債務を支払った場合は、残余の債務については、免除するなどの規制を行う考えはないか。

六 銀行は、子どもらが、相続人であることを理由に学生等であっても、収入の有無、債務の目的に関与しているかに関わりなく、包括保証を要求することが多い。子どもらが、包括保証をしていると、主たる債務者である親が死亡した時に、相続を放棄し、主たる債務が免除されても、包括保証の地位は残ってしまうので、相続放棄の意味がなくなり、結果的には、民法が生前の相続放棄を禁止し、相続放棄を権利として認めている法の趣旨にも反するものではないか。

七 旧富士銀行が使用していた別紙のような保証書では、枠の上段に記載されている「現在および将来負担するいっさいの債務」という意味は、債務者が債務を履行しなかった場合に、その債務だけではなく、将来支払いを怠ったために生ずる利息、遅延損害金などについても支払い義務があると誤解させやすいと思われるが、政府金融庁は、これについて改善などの指導を行ったか。行ったとすればいつか。

八 政府金融庁は包括保証について、今後何らかの立法的解決を検討しているか。検討中であれば、その内容を明らかにされたい。

九 政府金融庁は、連帯保証について、銀行の説明義務が不充分だったような場合には、最近の判例では、連帯保証人の責任は軽減される傾向にあるとの見解を述べているが、その根拠は何か。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

金融機関は、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第十二条の二第二項等により、その業務に係る重要な事項の顧客への説明その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならないとされている。

金融庁においては、こうした金融機関の内部管理態勢の検証を行っていく際の着眼点として、事務ガイドライン「金融監督等にあたっての留意事項について(第一分冊:預金取扱い金融機関関係)1−6与信取引(貸付契約及びこれに伴う担保・保証契約)に関する顧客への説明態勢及び相談苦情処理機能」において、「契約の意思形成のために、顧客の十分な理解を得ることを目的として必要な情報を的確に提供することとしているか。」、特に、「個人保証契約については、保証債務を負担するという意思を形成するだけでなく、その保証債務が実行されることによって自らが責任を負担することを受容する意思を形成するに足る説明を行うこととしているか。例えば、保証契約の形式的な内容にとどまらず、保証人の法的効果とリスクについて、・・・最良のシナリオだけでなく、最悪のシナリオ即ち実際に保証債務を履行せざるを得ない事態を想定した説明を行うこととしているか。」という点を示している。

金融機関は、これらを踏まえて、適切な内部管理態勢の整備を図っていく必要があると考える。

三について

金融機関と保証人との間において、連帯保証に係る係争が生じている事例があることは承知しているが、計数等は把握していない。また、個別の金融機関の個別の取引については、金融機関等の正当な利益を害するおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

四について

別紙として示された保証書を用いた取引について係争が生じている事例があることは承知しているが、計数等は把握していない。

五について

保証人が過大な責任を負いがちな保証契約について、その内容を適正化するという観点から、保証制度の在り方の見直しを行う必要があるものと認識しており、法務省において、お尋ねのように根保証契約を締結する場合に限度額や保証期間を定めるものとすることを含め、必要な措置を講ずることを検討しているところである。

六について

民法(明治二十九年法律第八十九号)の相続放棄の制度は、相続人が相続開始後に被相続人の負担した債務の承継などの相続の効果を拒否することを認めるものである。その趣旨は、人はその意思に反して義務を負わされることはないという個人の自由意思の尊重にあり、相続開始前の相続放棄が認められないのは、相続人に相続開始後に相続財産を調査させ、相続を放棄するか否かを熟慮させるためである。

金融機関が、主たる債務者の子らに対して包括根保証を要求することが多いかどうかは承知していないが、一般に、相続人である子らが相続放棄によって被相続人である親が負担した主たる債務の承継を免れながら、その固有の立場で締結した保証契約に基づく保証債務を負うことは、子らがその意思に反して義務を負わされることにはならず、また、相続開始前に相続を放棄するか否かを決することになるわけでないから、相続放棄の制度の趣旨に反するものではないと考える。

七について

個別の金融機関に対する指導の有無やその内容を明らかにすることは、金融機関の正当な利益を害するおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

なお、民法第四百四十七条第一項においては、「保証債務ハ主タル債務ニ関スル利息、違約金、損害賠償其他総テ其債務ニ従タルモノヲ包含ス」とされており、一般に、保証債務が主たる債務に関する利息や損害賠償を包含する趣旨の保証契約を締結すること自体が問題であるとは考えない。

八について

五についてで述べたとおり、法務省において、根保証契約を締結する場合に限度額や保証期間を定めるものとすることを含め、必要な措置を講ずることを検討しているところである。

九について

金融庁は、中津川衆議院議員からのお問い合わせに対して、金融庁監督局長の諮問に対する「新しい中小企業金融の法務に関する研究会」の平成十五年七月十六日の報告書において、「金融機関が取得した個人保証の効力、特に包括根保証人の責任について、判例は、契約締結時の金融機関による説明の有無やその内容、保証人として徴求することについての合理的必要性の有無等に着目して、これらが不十分な場合には、免責や責任の軽減等を認める傾向にあるとされている。」とされていることを踏まえて、その旨を説明したものである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×3検討してまいりたい ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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