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株式会社ゆうちょ銀行の定額貯金に関する質問主意書

参議院 第168回 第29号

提出者
参議院
提出日
2007年10月23日
内閣転送 2007年10月29日
答弁書受領日
2007年11月2日
提出から10日
答弁の項目数
3
質問 1,047字/答弁 1,111字

質問本文

本年十月の郵政民営・分社化によって、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀」という。)は既存の民間金融機関と同一の競争条件下に置かれることとなった。これにより、金融監督政策においても、ゆうちょ銀を民間金融機関と同一の平面で見るべきである。

ゆうちょ銀は、総資産が世界一であるなど、金融機関として極めて大きな規模を持つことから、我が国の金融決済システムに与える影響も重大であり、金融監督政策においても、これに比例して重要な位置を占めるべきである。そのゆうちょ銀の取扱う商品群において、特に定額貯金が持つ特殊性と規模の大きさに着目すれば、それにはとりわけ高い金融監督政策上の関心が払われるべきと考える。

よって、ゆうちょ銀の定額貯金に関して、以下の質問をする。

一 定額貯金における既存契約の残高、平均金利、デュレーション及び解約率を政府は把握しているか。把握しているのであれば、明らかにされたい。また、試算根拠とする金利を明らかにするとともに、①それが〇・一パーセント上昇した場合、②一パーセント上昇した場合、③二パーセント上昇した場合の、残高、平均金利、デュレーション及び解約率の見通しについて、それぞれ政府の見解を明らかにされたい。

二 郵政民営・分社化によって郵便局株式会社が独立採算になることによって、金利上昇時に定額預金の解約スピードが増加することによる、ゆうちょ銀のALM上のリスク(いわゆる定額預金のネガティブ・コンベキシティに関連するリスク)が高まったという指摘がある。これに対する政府の認識とその対応策を明らかにされたい。

三 国際決済銀行の「自己資本の測定と基準に関する国際的統一化・改定された枠組」におけるアウトライヤー規制において、ゆうちょ銀はどのような扱いを受けるか、政府の見解を明らかにされたい。これに関して、ゆうちょ銀は、定額貯金によって調達した資金(旧郵政公社からの継承分を含む)のほとんどを長期国債で運用しているが、これはALM上のリスクを内在しているといえる。このような運用形態には、金利上昇時において定額預金が大量に解約される可能性が潜在しているが、それが顕在化した場合には、ゆうちょ銀は国債を大量に売却することとなり、国債市場、国内資金市場等へ甚大な影響をもたらすと考えられる。このようなALMリスク及び金融市場への影響について、金融庁、日本銀行、預金保険機構等の管理、監督体制を政府としてどのように承知しているか、それぞれ明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

日本郵政公社から公表された資料によると、平成十八年度末現在における定額貯金の残高は百二十兆二千五百三十五億円であると承知している。なお、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)を含め一般に銀行については、これに対する立入検査、報告徴求、日々のヒアリング等を通じて、日頃からその実態把握に努めているところであるが、ゆうちょ銀行に係る御指摘の平均金利等については、個別銀行の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

二について

民営化当初におけるゆうちょ銀行の収益構造は、負債サイドは預け替えが可能な定額貯金が大宗を占める一方、資産サイドにおいては、その大半を国債の運用に充てているため、金利上昇の影響を受けやすいものであると認識している。このため、日本郵政株式会社が策定した「日本郵政公社の業務等の承継に関する実施計画」においては、ゆうちょ銀行の「健全経営を確保するためには、金利リスクを適切にコントロールしながら、運用手段の多様化を通じ、リスクの分散・収益源の多様化を図る運用ビジネスモデルを実現することで、安定的な期間収益の確保を達成していく必要があり、そのためには早期にALMの高度化を実現していくことが重要である」旨が示されたところであり、政府としては、検査・監督を通じ、リスク管理を含めたゆうちょ銀行の業務の適切性及び財務の健全性を検証してまいりたい。

三について

ゆうちょ銀行に係る御指摘のアウトライヤー規制については、金融庁が定めた「主要行等向けの総合的な監督指針」(以下「監督指針」という。)において、他の銀行と同様のアウトライヤー基準を適用することとしている。アウトライヤー基準に該当する銀行があった場合には、監督指針において、原因及び改善策等について、ヒアリングを行い、必要な場合には銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二十四条に基づき報告を求めることを通じて、着実な改善を促すこととされている。なお、監督指針においては、「アウトライヤー基準に該当する場合であっても、当該銀行の経営が不健全であると自動的にみなされるものではなく、当局としても、必ずしも直ちに経営改善を求めるものではない。また、改善が必要とされる場合でも、金融市場への影響等に十分配慮し、改善手法や時期等が適切に選択されるように、特に留意して監督を行う」こととされている。

また、御指摘のゆうちょ銀行のALMリスク及び金融市場への影響については、御指摘のそれぞれの機関が、法令の権限等に基づき、必要に応じ情報収集等を行い、適切な対応が行われることとなると承知している。

参議院の原文

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