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政府における情報システムの活用を通じた事務の効率化・サービスの高度化に関する質問主意書
参議院 第168回 第81号検討してまいりたい ×1
質問本文
社会保険庁の年金システムや電子パスポートシステムなど政府の情報システムが大きな問題を起こしてきていたが、政府の情報システムに関しては、地方政府も含めると年二兆円近くの予算が使われており、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法の策定以来、様々な取組がなされている。二〇〇六年三月には「業務・システム最適化指針(ガイドライン)」(以下「本ガイドライン」という。)が策定され、サービス供給者側である政府側の利便性にのみ適した縦割り業務を廃し、国民、企業等の顧客の立場に立った各種行政サービスの組替えと質の向上、若しくは、サービスに要する行政コスト自体の削減を進めることを目指すこととなった。また、本年七月には「情報システムに係る政府調達の基本指針」(以下「本基本指針」という。)の適用が開始され、情報システムの調達手続の大幅な改善が図られたところである。
そこで、以下質問する。
一 本ガイドラインに基づきいくつかの省庁で「業務・システム最適化計画」が策定されているものの、その計画の横断的な評価は行われていない。各省庁で既存の業務を単にIT化した顧客無視の形だけの「電子政府」化が進行している可能性も高いと考えられる。府省全体にどのような機能の業務と情報があるのか、部局を超えた組織全体の姿はだれも明確につかんでいない。行政サービスの質の向上とより質の高い電子政府を目指して調達改革を進めていくためには、EA(エンタープライズ・アーキテクチャ、組織全体を通じた業務の最適化を図る設計手法)の策定・管理プロセスを導入することで、組織全体の業務とシステムを一体的に可視化し、設計・管理することが不可欠である。
1 本ガイドラインを策定した各府省情報化統括責任者連絡会議において、すべての業務・システム最適化計画の効果測定指標を策定し、計画を評価し、評価に基づく計画の修正を行うべきと考えるが、政府の認識を示されたい。また、特に人事共通システムは十分機能していないと聞くが、事実関係を明らかにされたい。
2 他国の最先端事例を参考にして、政府の業務の効率化の観点だけでなく予算の管理執行の最適化、国民のサービス向上といった観点から、本ガイドラインの見直しも行うべきと考えるが、政府の認識を示されたい。
二 本基本指針に関して、何点か明らかにする必要がある。
1 既に本基本指針に基づきシステムの調達を行っている事例が生じているが、これらは評価を行っているのか。また、評価に基づき本基本指針を見直すことは検討しているのか。それぞれ明らかにされたい。
2 本基本指針においては、システムのオープン仕様の採用についての要求要件が低いと考える。よりオープンな情報システムの構築を目指すべきと考えるが、政府の認識を示されたい。
三 地方自治体のシステムの調達指針についても現在作成中であると聞いている。
1 地方自治体の業務には共通性が高いため、コストの削減、業務の効率化の観点から共通システムを政府が構築し、地方自治体に低価格で普及することも検討すべきだと考えるが、政府の認識を示されたい。
2 海外においては、既に地方政府用の共通システムやSaaS(サーズ)、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)といったインターネットを経由したサービスが普及しており、海外のシステムを活用することも検討する必要があると考えるが、政府の認識を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
「業務・システム最適化指針(ガイドライン)」(平成十八年三月三十一日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定。以下「本ガイドライン」という。)に基づき、新たな情報システムを構築するに伴って策定する最適化計画(以下「計画」という。)において、経費の削減や業務処理時間の削減といった効果を把握する指標をすべての計画に設定することとしている。
各計画の実施状況の評価については、毎年度、各計画を策定し実施する担当課室の自己評価及び府省全体管理組織の評価を行い、総務省との調整を経て、外部専門家から構成される各府省情報化統括責任者(CIO)補佐官等連絡会議へ報告している。当該評価結果に基づき、必要に応じて計画の改定を行うこととしている。
人事・給与等業務については、平成十八年度の計画の実施状況の評価結果を踏まえ、一層の効率化を図るため各府省でシステムを分散管理する方式から原則として集中管理する方式に改めるよう計画を改定し、平成二十一年度からのシステム運用開始に向けて、所要の準備を進めているところである。
一の2について
本ガイドラインの見直しについては、今後の業務・システムの最適化の状況、予算の適切な執行及び国民の利便性の向上の観点等を踏まえつつ、必要に応じて検討してまいりたい。
二の1について
各府省における情報システムの調達については、「情報システムに係る政府調達の基本指針」(平成十九年三月一日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定。以下「本基本指針」という。)の平成十九年七月一日の適用開始以降、同指針に沿って行っている。内閣官房は、総務省の協力を得て、調達に当たって競争が促進されたか等について毎年度フォローアップを行い、当該フォローアップの結果等を踏まえ、必要に応じて本基本指針の見直しを行うこととしている。
二の2について
本基本指針では、調達仕様書作成に当たっては、合理的な理由がある場合を除き、特定の具体的な商標名等を用いた要求要件を定めないこと、また、国際規格、日本工業規格等のオープンな標準に基づく要求要件を優先して記載することとしており、政府として本基本指針に沿った調達を進める所存である。
三の1について
各地方公共団体によって、団体の規模、情報化の進展度等はまちまちであり、国が地方公共団体の共通システムを一律に構築し、提供することは必ずしも適当ではないと考えており、政府としては、地方公共団体が、情報システムを構築する際のシステムの互換性及び汎用性を高めるための標準仕様を策定するとともに、複数の地方公共団体がシステム運用の共同外部委託を行うことを支援する等により、地方公共団体がコスト節減等に取り組むための基盤づくりに努めていく所存である。
三の2について
海外のシステムを活用するに当たっては、各地方公共団体が情報セキュリティ確保の観点から十分に検討する必要があると考えている。
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