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竹林被害と竹の資源活用に関する質問主意書

参議院 第170回 第63号承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2008年10月23日
内閣転送 2008年10月27日
答弁書受領日
2008年10月31日
提出から8日
答弁の項目数
6
質問 1,972字/答弁 1,753字

質問本文

かつての日本では、竹は人間の生活には欠かせない重要な資源であったが、今日では石油系製品等の普及によって、かつてほど使用されなくなってきている。その一方で、国内には多くの竹林が残っているが、それら竹林は高齢化などの理由から維持管理が困難となり、竹林の拡大による被害が全国各地で発生している。特に、過疎高齢化の度合いが高い中山間地においては、維持管理のための担い手不足は深刻であり、地域社会の維持のためにも、有効な対策が求められている。

他方で今日、地球環境問題への対応は、緊急の政治課題となっている。特に温暖化対策、石油以外の資源活用の視点から、バイオマス政策は重要課題であり、農林水産省も「農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律」を基本として、バイオマスに関する研究開発と政策展開を積極的に推進しているものと認識している。しかしながら、現在の穀物価格高騰の一因がバイオエタノール生産であることに示されているように、バイオマスの推進は予想外のリスクを伴う可能性があることも事実である。バイオマスに限らないが、リスクに対する予測とそれに対する迅速な対処は、政策の推進と同時に進められなくてはならないと考える。

先述のように、竹は古来から日本人が利用してきた重要な資源であるが、今日では各地で竹林被害をもたらしており、その被害を防止するために一定の利用が求められている。この竹をバイオマス資源として有効利用をすることは、単なる代替エネルギー開発にとどまらず、地域課題と地球環境問題の解決に結びつく可能性を有しており、またその実現が目指されるべきである。

よって以下質問する。

一 今日、農林水産省として、竹林被害をどこまで把握しているのか示されたい。また、竹林被害についての調査結果や統計があれば、経年変化を含めて示されたい。

二 前記の竹林被害への対策について、国として、どのような対策を、どの程度実施しているのか。具体的な対策と、その進捗について説明されたい。また、対策が検討段階にある場合には、検討課題を含めて明示されたい。

三 竹林被害への対策として、現代の状況に見合った竹利用を検討すべきであるが、その一環として、バイオマスにおける利用が考えられる。国として、バイオマス政策において竹をどのように位置づけているのか、具体的に明示されたい。特に、バイオマスでの利用については、バイオ燃料(バイオエタノール)の製造と竹を利用した発電(木質発電やガス化炉など)が考えられる。現在は検討段階かもしれないが、そのバイオ燃料製造と発電の双方についての現状、竹を用いた場合に予想されるリスクや問題点とそれへの対策、将来的な展望を示されたい。

四 先述の通り、竹林被害は、特に高齢化の進んだ中山間地の農山村で深刻な問題となっている。バイオマス政策において竹を利用する場合、これら地域の振興と結びつけて実施する必要があると考えるが、農林水産省として、農山村振興策とバイオマス施策をどのように関連づけているのか考えを示されたい。

五 当方が調べたところによると、都道府県のものを含め、試験場など現場に近い農政においては、竹利用のための技術開発の努力がなされている。その努力は尊いものであるが、より多くの国民が竹を利用し、地球環境問題に効果的に寄与するには、竹利用の普及促進に関する政策も必要である。そこで、現段階において、そして今後において、竹利用を普及するどのような策を有し、また検討しているのか示されたい。

六 一九九五年の阪神淡路大震災以降、市民ボランティアが注目され、森林管理においても間伐を行うボランティアグループなどが各地に登場しており、その一部はセミプロ化している。しかし、実際の間伐作業には困難も多く、多くの市民ボランティアにとっては実際の参加が難しい領域である。それに対して、竹林管理(伐採や搬出)は、より多くの市民の参加にとって障壁が高くないと考えられる。実際、地域単位で竹林対策と市民参加を結びつけるような取り組みがなされている。例えば、愛知県小牧市の大草地区では、竹の伐採とアートとを結びつけた「バンブーインスタレーション」が開催され、また愛知県岡崎市の額田地区では伐採した竹を利用して水鉄砲をつくり「竹水鉄砲合戦」を行うという普及啓発活動が実施されている。このような竹林被害に対応する市民ボランティアや地域コミュニティの取り組みを農林水産省としてどこまで把握しているのか、示されたい。また今後、このような取り組みに対して、国としてどのように対応していくのかについてもあわせて示されたい。さらに、竹林対策への市民ボランティア参加と竹のバイオマス利用とを結びつける事例や構想があれば示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

林野庁では、平成十一年度から、五年間で全国を一巡するサンプリングによる森林資源の調査(以下「モニタリング調査」という。)を実施しており、その一巡目の調査結果によれば、竹が著しく侵入していると考えられる森林の面積は、全国で約二十五万ヘクタールと推計されている。

また、平成十六年度から実施している二巡目のモニタリング調査の結果については、平成二十一年度中に取りまとめる予定である。

二について

造林地に植栽した樹木以外の木竹が侵入し、森林の育成に支障が生じる場合に行う当該木竹の除去等の処理について、森林整備事業等の補助対象としているところである。

また、竹の加工施設等の整備に対して助成するとともに、竹材の利用促進のための技術開発など、竹資源の有効活用に向けた取組を行っているところである。

なお、森林整備事業等においては、竹以外のものも除去等の処理の対象となるため、竹のみを対象とした処理の実績については把握していない。

三について

バイオ燃料の製造に当たっては、竹を含め、原材料の供給が不安定であること、原材料の生産から輸送、バイオ燃料の製造までの各工程のコストが高いことなどが課題となっていると考えている。

このような課題の解決を図るため、農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律(平成二十年法律第四十五号)が平成二十年十月一日から施行されたところであるが、同法第二条第三項に規定する特定バイオ燃料として、農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律施行令(平成二十年政令第二百九十六号)第二条第一号及び第二号において、「竹炭」及び「木竹に由来する農林漁業有機物資源を破砕することにより均質にし、乾燥し、かつ、一定の形状に圧縮成形したもの」が掲げられているなど、竹はその活用を推進すべきバイオマスの一つとして位置づけられている。

竹を利用したバイオ燃料の製造については、農林水産省の委託研究プロジェクトである「地域活性化のためのバイオマス利用技術の開発」において、平成十九年度から五年間の予定で竹のエタノール化に関する研究を開始したところである。

また、平成二十年度より、竹を利用した発電や熱供給に関する実証研究が実施される予定である。

四について

農山村地域は、竹に由来するものを含めバイオマスの供給に関して極めて重要な役割を担うものであることから、バイオマス施策の推進によりバイオマスの新たな需要の開拓とその有効活用を図ることを通じ、農林業の持続的かつ健全な発展に寄与し、農山村地域の活性化に資するものと考えている。

五について

竹利用の普及促進については、竹垣などの建築資材やかごなどの生活資材といった従来の用途のみならず、新たな用途への利用を普及することが重要であると考えている。

このため、「森林・林業・木材産業づくり交付金」の交付により、竹を粉末状にして飼料などの新規用途に供するための加工施設の整備等を支援しているほか、平成二十年度からは、「特用林産物消費・流通総合支援対策事業」により、低コストで竹資源の有効利用ができるような竹林管理方法の検討及び竹林作業用機械の開発等を支援しているところであり、これらの施策によって、竹利用の普及促進に努めてまいりたい。

六について

平成十九年三月に林野庁森林整備部研究・保全課が、森林の造成及び維持のための植栽等を行っている団体を対象に実施した「森林づくり活動についてのアンケート」によると、平成十八年度に行った活動の主な内容、目的を問う質問に対して回答のあった千九十二団体のうち二百四十五団体が、「竹林の整備」を挙げており、その中には森林に侵入した竹による被害に対応する活動が含まれていると考えている。

また、森林に侵入した竹による被害に対応する市民ボランティア等の取組に対しては、「地域活動支援による国民参加の緑づくり活動推進事業」により助成を行っているところである。

なお、御指摘の竹林対策へのボランティア参加とそこで得られた竹利用とを結びつける事例や構想については、ボランティア団体が竹の伐採に加えて竹炭の製造を行うなど、地域ごとの創意工夫で行われているものと認識している。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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