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大学における大麻汚染に関する質問主意書

参議院 第170回 第99号お答えすることは困難 ×1

提出者
参議院
提出日
2008年11月21日
内閣転送 2008年11月26日
答弁書受領日
2008年12月2日
提出から11日
答弁の項目数
5
質問 1,670字/答弁 1,328字

質問本文

ここ数ヶ月間の報道によると、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、東京理科大学、同志社大学などにおいて、学生の大麻汚染が報じられ、逮捕者も出ている。名門大学といわれるこれら大学において大麻汚染が発覚したことは非常に重大な問題であって、日本の将来を担う若者のモラルの低下に歯止めをかけるための手だてを早急に考えなければならない。そのためには、大麻種子の販売規制などの法整備が必要であるが、一方で、これまで麻薬を取り締まる様々な法整備をしてきたにもかかわらず、いまだに麻薬を撲滅できない状況に鑑みると、法規制のみで大麻汚染を完全になくすことは困難と言えよう。

むしろ、今回の大麻汚染を機に、大学をはじめとする若者を教え育てる環境を見直していくことで、大麻や麻薬に手を出さない、強い人間力を持った若者を育てていくことが必要である。

本来、学生に対して専門知識と教養の双方を教え、社会を担う人間として育んでいくことは、大学の重要な使命であり、その実現は社会全体にとって必要不可欠なものである。そして、この使命を達成するための各大学の取り組みを支援することは、文部科学行政の重要な課題であり、大学本来の責務である学生の教育に専念できる条件を整えていく政策が求められている。各大学が学生と真剣に向き合った教育を行い、文部科学行政が各大学を支える適切な政策を行ってこそ、強い人間力を持った学生を育てることができ、今回のような大麻汚染をはじめとする学生の不祥事を未然に防ぐこともできるのである。

しかし近年、大学においては、競争的資金制度や評価制度の導入などにより、本来学生を教育すべき教員が、研究資金獲得やそのための会議、事務書類の作成に追われ、学生の人間形成に必要な指導時間を確保できない状況が生じている。また、旧国立大学、私立大学を問わず、常勤教員を削減し、時間単位でしか教育を行わない非常勤教員へ依存する傾向を強めていることも、学生に対する教育や指導自体の弱体化に結びついていると考えられる。

このように大学の教員が学生の教育に専念できない状況が、大学における大麻汚染の背景にあると考えられる。大学における大麻汚染は、若者への麻薬・覚醒剤の蔓延、将来的には社会全体における大麻・麻薬・覚醒剤汚染へと結びつきかねない。現在の大学における大麻汚染を将来的な社会不安に結びつけないためにも、法規制と同時に、大学がその使命である学生の人間形成のための教育を可能にする条件整備を行うべきである。

よって、以下質問する。

一 大麻の種子販売を規制する法整備の必要性について政府の見解を示されたい。また、法整備の必要性を認識している場合、その内容と準備状況についても示されたい。

二 報道では、大学において大麻汚染が突然発生したかのように報じられているが、これは本当に最近の傾向であるのか確認したい。また、各大学から学生の大麻汚染、若しくは麻薬・覚醒剤汚染について政府に報告が届いているのか。届いている場合は、過去二十年にさかのぼって、その件数を示されたい。

三 学生の大麻汚染の背景として、どのような要因があると考えているのか、政府の見解を示されたい。特に、近年の大学をめぐる環境、競争的資金制度の導入や常勤教員の減少が学生の人間教育に悪影響を及ぼしていることが、学生の大麻汚染の背景にあるのではないかと考えられるが、このことについても政府の考えを明示されたい。

四 大学における大麻汚染の問題を解決していくためには、文部科学省、厚生労働省、警察庁等関係機関の連携が欠かせない。現時点で、連携のための態勢はできており、有効に機能しているのかを問う。さらに、そのような連携の中での文部科学省の担うべき役割は何かについても示されたい。

五 大学の大麻汚染について、政府として各大学に対して今後どのような指導や対策のための支援を行うのか、明らかにされたい。また、各大学から大麻汚染対策のための支援の要望が政府に届けられている場合は、その概要を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

大麻草の種子については、大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)第二十四条の六の規定により、情を知って、大麻の違法な栽培等に要する大麻草の種子を提供した者は三年以下の懲役に処することとされるなど、所要の規定が整備されているところである。

二について

文部科学省としては、御指摘の「学生の大麻汚染、若しくは麻薬・覚醒剤汚染」の状況について、各大学から網羅的に報告を受けてはいないが、厚生労働省、警察庁及び海上保安庁の調査によると、大麻取締法違反で検挙された大学生の数は、昭和六十三年は五十八人、平成元年は四十五人、平成二年は五十二人、平成三年は三十八人、平成四年は四十三人、平成五年は四十五人、平成六年は七十六人、平成七年は三十四人、平成八年は四十人、平成九年は二十一人、平成十年は四十五人、平成十一年は四十八人、平成十二年は三十人、平成十三年は九十五人、平成十四年は六十九人、平成十五年は百八人、平成十六年は百十五人、平成十七年は六十五人、平成十八年は八十一人、平成十九年は九十四人であり、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)違反で検挙された大学生の数は、昭和六十三年は九人、平成元年は五人、平成二年は十一人、平成三年は十四人、平成四年は九人、平成五年は六人、平成六年は五人、平成七年は六人、平成八年は七人、平成九年は五人、平成十年は三人、平成十一年は三人、平成十二年は四人、平成十三年は五人、平成十四年は九人、平成十五年は十二人、平成十六年は十八人、平成十七年は十二人、平成十八年は十六人、平成十九年は八人であり、覚せい剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)違反で検挙された大学生の数は、昭和六十三年は七十一人、平成元年は五十四人、平成二年は四十人、平成三年は三十六人、平成四年は三十六人、平成五年は五十四人、平成六年は二十五人、平成七年は四十四人、平成八年は五十八人、平成九年は五十三人、平成十年は四十七人、平成十一年は三十七人、平成十二年は三十七人、平成十三年は四十三人、平成十四年は三十一人、平成十五年は三十三人、平成十六年は十八人、平成十七年は三十一人、平成十八年は三十一人、平成十九年は二十四人である。

三について

大学生による大麻取締法違反には様々な要因があるものと考えられ、一概にお答えすることは困難である。

四について

政府としては、内閣に薬物乱用対策推進本部を設置するなど、政府全体で連携を図り、薬物乱用防止対策を推進しているところである。また、文部科学省としては、関係省庁と協力しつつ、児童・生徒及び学生に対する薬物乱用防止に係る教育や指導の充実に努めているところである。

五について

文部科学省としては、学生指導担当職員の会議や独立行政法人日本学生支援機構の行う研修会等において、大学が学生に対し、薬物乱用防止のための適切な指導・助言を行うよう求めてきており、平成二十一年度予算の概算要求においては、大学生等に対する薬物乱用防止啓発資料の作成経費として二千四百万円を計上しているところである。

文部科学省としては、御指摘の「大麻汚染対策のための支援」について、現時点で各大学からの要望は受けていない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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