ことばで探す › 参議院 第171回
裁判官の非行と報酬等に関する質問主意書
参議院 第171回 第102号お答えすることは困難 ×3
質問本文
近時、裁判官の不祥事が散見されており、中には弾劾裁判所で罷免される裁判官もあるが、由々しきことである。そして、裁判官の任期が満了に近い時には事実上、訴追や弾劾裁判所による裁判が困難となる事案や、直ちに辞任があった場合にはそもそも訴追できない事案もある。憲法上は司法の独立や裁判官の身分保障が定められており、この点は十分に尊重しなければならないが、他方、近時の不祥事発生を見ると、法整備が必ずしも十分ではないのではないかと思われる点も存在する。
そこで、裁判官の非行がある場合の法整備の実情と解釈を確認する必要があるので、以下のとおり質問をする。
一 憲法第八十条第二項では「下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」と定めているが、この報酬の中には退職金も含まれるか。
二 仮に非行を犯した裁判官が辞任の申出をしてきた時に、最高裁判所がこれを受理すれば、現行法上、もはや訴追請求及び弾劾裁判所による裁判を行うことができないと解されるが、そのとおりか。仮に最高裁判所が受理しないで、訴追請求及び弾劾裁判所による裁判の結果が出されるのを待って受理することは現行法上問題はないか。
こうした場合、国会において訴追請求及び弾劾裁判所による裁判が進行している間は当該裁判官の辞任を受理してはならない旨の法律を制定することは、裁判官の身分を保障する憲法に抵触しないか。
三 裁判官の任期満了が接近していて、訴追請求及び弾劾裁判所による裁判の結果を待っていると任期が満了してしまうことが予想される時に、現行法上、訴追請求及び弾劾裁判所による裁判を裁判官の任期よりも優先させることは可能か。もし可能ではないとした場合に、新たに法律を制定することで訴追請求及び弾劾裁判所による裁判を裁判官の任期よりも優先させることは憲法の規定に抵触しないか。
四 現行法上は、裁判官の非行に対しては弾劾裁判所による裁判による罷免のみが規定されているが、仮に罷免までは至らないより軽度な非行の場合に、弾劾裁判所において罷免よりも軽微な裁判を行う制度を法律によって新設することは憲法の規定に抵触しないか。
右質問する。
政府答弁書
一について
国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)の規定により裁判官に支払われる退職手当は、憲法第八十条第二項に規定する報酬に含まれないものと解される。
二について
裁判官弾劾法(昭和二十二年法律第百三十七号)第四十一条において、罷免の訴追を受けた裁判官は、本人が免官を願い出た場合でも、弾劾裁判所の終局裁判があるまでは、その免官を行う権限を有するものにおいてこれを免ずることができない旨規定されている。また、「訴追請求及び弾劾裁判所による裁判が進行している間は当該裁判官の辞任を受理してはならない旨の法律を制定すること」については、その意義が必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難である。
三について
「訴追請求及び弾劾裁判所による裁判を裁判官の任期よりも優先させること」の意義が必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難である。なお、憲法第八十条第一項において、下級裁判所の裁判官の任期は十年とする旨規定されており、その任期を満了し裁判官の身分を喪失した者を弾劾裁判により罷免することはできないものと考えられる。
四について
「罷免までは至らないより軽度な非行の場合に、弾劾裁判所において罷免よりも軽微な裁判を行う制度を法律によって新設すること」の意義が必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難である。なお、一般に、弾劾裁判所が裁判官に対して懲戒処分を行うものとすることについては、憲法第六十四条第一項において、国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける旨規定されていること、憲法第七十八条後段において、裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行うことができない旨規定されていること等に照らして、慎重な検討を要するものと考えている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。