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発達障害の子どもたちへの投薬に関する質問主意書
参議院 第171回 第163号お答えすることは困難 ×1承知していない ×2
質問本文
平成十七年四月一日施行の「発達障害者支援法」が三年間の見直し期間を経過した。この法律は、発達障害を早期に発見し、学校教育における発達障害児への支援等により、その自立及び社会参加と福祉の増進を目的としているものと理解している。しかし一方で、発達障害児童が「早期に発見」されることにより、近年その危険性が度々指摘されている精神薬の子どもへの投与が進むのではないかとの危惧がある。
そこで、以下のとおり質問する。
一 発達障害者支援法により、発達障害の疑いのある幼児や児童に対しては、自治体が発達障害者支援センター等に紹介し、必要に応じ医療機関などを紹介するものと理解している。そこで、同法施行後から直近まで年度ごとに、支援センター等での取り扱い件数、このうち医療機関を紹介した件数、投薬を受けている件数を、就学前、小学生、中学生、高校生以上に分けて示されたい。また、この件数については、全国の件数とともに、都道府県ごとの件数についても示されたい。
二 発達障害者支援センター等での取り扱い件数については、ホームページなどを含め、国民にどのような形で公表されているのか。公表されているとすれば、いつ、どのような方法で公表されているのか、また、公表されていない場合はその理由を回答されたい。
三 ADHD(注意欠陥・多動性障害)など発達障害の原因は医学的に解明されているのか。また、リタリンやコンサータ(成分名はいずれも「塩酸メチルフェニデート」)など精神薬が対症療法ではなく、障害を根本的に治療することに効果があると医学的、科学的に証明されているのか。解明、証明されているとすればその論拠をそれぞれ示されたい。
四 米国で二〇〇四年十二月に成立した「Public Law 108-446」は障害児教育に関する法律の改正法で、同法第六百十二条第二十五号には「教育機関による子どもへの強制的な薬物治療の禁止」を盛り込んでいる。これは「コロンバイン高校銃乱射事件」など、精神薬を服用していた子どもによる事件が続いたことや、米国食品医薬品局(FDA)の薬物安全リスク管理諮問委員会が「二〇〇三年までの五年間に塩酸メチルフェニデートの服用者二十五名の死亡例があった」と警告したことが背景にあると聞いている。ところで、「リタリン」の医薬品添付文書には、「【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)】」の対象として「六歳未満の幼児」と明記されている。また、「7.小児等への投与」では「六歳未満の幼児には投与しないこと〔安全性が確立していない。〕小児に長期投与した場合、体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。」とされている。しかし、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所は、そのホームページでADHDについて「原因は何らかの脳機能障害によるものと考えられています。このような症状の軽減には、リタリン(中枢神経刺激剤)等の薬物が有効なことが少なくありません。また、適切な支援があれば、年齢が上がるに従い多動は落ち着き、衝動性が目立たなくなることが少なくありません。」と記述するなど、その使用を奨励している。発達障害支援などわが国の特別支援教育の指導的立場にある同研究所が、国内外においてその危険性が多々指摘されているリタリンの使用を推奨していることは、子どもの命と健康を守る立場から問題が大きいと考えるが、政府の見解を示されたい。また、前述のホームページの記述を修正するべきと考えるが、政府の方針を示されたい。
五 政府は、文部科学省が資金提供している浜松医科大学・大阪大学・金沢大学による連携融合事業「子どものこころの発達研究センター」と唯一連携している製薬会社「(株)ヤンセンファーマ」(ADHD治療薬「コンサータ」の販売元)の親会社「ジョンソン・エンド・ジョンソン社」(米国。「コンサータ」の製造・販売元)が、世界的な児童精神科医に対する不適切な研究資金の授与及びコンサータなどの精神薬の治験結果などの操作疑惑によって摘発・捜査されている事実を把握しているのか。また、今後も、このような疑惑のある製薬会社と連携事業を行っていくのか。
六 イーライリリー社(米国。ADHD治療薬「ストラテラ」の製造・販売元)は、精神薬の違法な販売促進によって民事・刑事訴訟を受け、今年一月その不正行為を認めた結果、十四億ドルの和解金を原告や米国の政府機関に支払うこととなった。厚生労働省は三月中旬まで質問主意書の指摘があるまで同社の違法行為を把握していなかったとはいえ、同社の日本支社が、世界自閉症啓発デー・日本実行委員会(発達障害啓発週間も支援している)の唯一の協賛企業になっていたことに問題はなかったのか。政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
お尋ねの発達障害者支援センターでの取扱件数については、全国及び都道府県ごとに、相談支援件数及び発達支援件数について、零歳から六歳まで、七歳から十二歳まで、十三歳から十八歳まで、十九歳以上の区分で、就労支援件数について、十八歳未満と十八歳以上の区分で、平成十七年度から平成十九年度までの各年度ごとの件数を、発達障害情報センターのホームページにおいて公表している。
お尋ねの医療機関を紹介した件数及び投薬を受けている件数については把握していない。
三について
発達障害の原因は未解明であるが、一部の発達障害について、遺伝子及び環境要因との関連を示唆する研究結果があるものと承知している。
また、リタリンについては、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)上、注意欠陥多動性障害(以下「ADHD」という。)に対する効能又は効果があるものとしては、承認されていない。コンサータ錠については、承認申請の際に提出された資料において、ADHDの患者の行動に改善が見られたとの報告があったところであるが、ADHDの原因が未解明であるため、現時点で効能又は効果が生ずる機序を説明することは困難である。
四について
御指摘の独立行政法人国立特別支援教育総合研究所のホームページの記述については、国内外におけるADHDの子供への投与の実績等についての事実を述べたものであり、必ずしもリタリンの使用について推奨しているものではないと認識している。また、御指摘の記述の修正については、同研究所において主体的かつ適切に判断すべきものと考えている。
五について
米国内において、お尋ねの事案について、御指摘のような事実がある旨の報道がなされていることは承知している。
また、各大学が御指摘の事業を今後どのように行っていくかについては、当該各大学において主体的かつ適切に判断すべきものであると考えている。
六について
これまでのところ、御指摘のような事実があるとは承知しておらず、イーライリリー社の日本支社が世界自閉症啓発デー・日本実行委員会の協賛企業であったことに問題があるとは認識していない。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。