Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第173回

住民が住み続けられる夕張市再生計画策定に関する質問主意書

参議院 第173回 第56号趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2009年11月25日
内閣転送 2009年11月30日
答弁書受領日
2009年12月4日
提出から9日
答弁の項目数
13
質問 3,669字/答弁 3,092字

質問本文

夕張市は、本年十一月、新たな財政再生計画の素案策定にむけ、市営住宅再編事業、市立診療所の改築、市職員の人件費の見直しなどに加え、住民からの要求を受けて新規の八十八事業を盛り込んだ案を公表した。あわせて、債務の返済期間を十年程度に短縮し、最終年度の赤字残額約二百四十億円は、国と北海道に支援を要請するとしている。

十八年間で三百五十三億円の負債を返済する従来の計画は、藤倉肇市長が「単なる借金返済計画」というほど、市民にのみサービス削減と負担増を背負わせたものであった。市民からは「いまの計画では、まるで夕張に残るなといわれているようだ」との声さえ聞かれるように、財政再建団体となって以降、人口は約一割減少して今年十月末には一万千四百人となり、流出は止まっていない。

夕張市破綻の大きな原因は、国のエネルギー政策の転換にあるが、国と北海道はその後も一体となってリゾート開発を地域振興策として推奨しつづけた。また夕張市の財政状況については、特に北海道は十分に把握できる立場にあった。こうした経過からも、夕張市再生に向けて、国の責任で債務の枠組みを見直す必要がある。

市民からは、市立診療所の救急体制、学校統廃合問題などに関する要望も出されており、行政がこれらにどう応えるのか、市民への十分な説明ももとめられる。これら諸点について、以下、質問する。

一 債務の枠組みの見直しについて

夕張市の財政破綻については、自公政権も「国の責任」を表明したが、具体的な方策はとってこなかった。これに対し、新政権では、原口一博総務大臣が地方交付税の抜本的増額を表明し、渡辺周総務副大臣が再建期間の短縮に言及するなど、地域重視の姿勢を示している。

1 夕張市が公表した案は、現行計画が終わる二〇二四年度になっても二百四十四億円の債務が残り返済期間の延長が必要となる。夕張市の毎年度の返済額をこれ以上増やすことは不可能であり、また返済期間の延長は困難である。夕張市は、国と北海道に支援を要請するとしており、政府はこの案に積極的に対応し、北海道、夕張市と協議する場を設置して支援策を講ずるべきではないか。政府の見解を示されたい。

2 国と北海道が夕張市の債務の一部を支援する場合、どのような方策が考えられるか、示されたい。

二 医療・救急体制の充実及び除雪について

北海学園大学などが中心となった夕張再生市民アンケート実行委員会による調査(本年八月・九月実施、十一月発表。全世帯数の二割に当たる計千百七十世帯が有効回答)によると、市民の七割が「地域が悪化した」と感じており、「不安や困っていること」では、「医療・救急体制の不備」を挙げる人が四十八%と最も多い。

1 夜間救急体制の確保は財政再建団体となった当初からの課題であり、市民からの強い要望を受けて夕張市も積極的に対応しようとしている。この重要性について、政府の認識を示されたい。

2 従前から要望がある夕張市内での人工透析復活については、財政再建団体となっても夕張市で継続するとされていたにもかかわらず、検討事項にあがっていない。週三回、岩見沢市などへ一日がかりで人工透析に通う負担を一日も早く軽減する必要があるのではないか。また国は、市民の命や健康に直結する医療体制の整備について、夕張市が十分な説明を行うよう促すべきではないか。

3 聞き取り調査では、市立診療所で実践されている予防医療への賛同や感謝が語られる一方で、不満の声も少なくないとして、調査実施者は「診療所経営に関する正確な情報の伝達や、いわゆるコンビニ受診等を背景とする医師の負担・疲弊あるいは予防医療に関する考えなど、診療所と住民との間で、時間をかけた対話・信頼感の構築が必要である」と指摘している。こうした指摘をふまえ、市立診療所に関する情報提供について、夕張市がさらに積極的に取り組む必要があるのではないか。政府の見解を示されたい。

4 アンケートでは四十四・六%の人が「冬の除雪・雪下ろし」に不安を感じており、特に高齢者世帯では六割近くにのぼる。渡辺副大臣も市道の除雪基準の見直しを「待ったなしの最優先課題」と発言したと報じられている。除雪への支援策について政府の見解を示されたい。

三 保育料引き上げの見直しについて

財政破綻後三年間据え置かれている保育料の保護者負担が来年度から引き上げとなれば、例えば現行で月額三万千円の保育料が国基準の四万千五百円になり年額十二万六千円の負担増となる。保育料引き上げは子育て世代の流出をさらに促す懸念があることから、夕張市は新規にこの見直しを盛り込んだ。夕張市再生に向けては、子育て世代が定住しやすい対策を手厚くする必要があるが、政府の認識を示されたい。

四 小学校一校化について

南北三十五キロ、東西二十五キロに広がり東京二十三区を超える広さの夕張市で、平成二十三年度から小学校六校を一校にする統廃合計画には、依然として強い懸念がある。「小学校の三校存続を求める要請署名」は三千二百三十八筆(二〇〇八年十二月)にのぼり、市議会の地域懇談会(今年七月)、市民説明会(今年十月)でも批判の声があがった。夕張市が小学校を複数校存続させることによる負担増や、スクールバス導入から突如、路線バスに転換した根拠など、市民に十分説明していない問題もある。

夕張市を訪れた渡辺副大臣は、「老人や子供の生活を第一に考え、再生計画ではできるだけのことをしていきたい」と発言しており、政府の積極的な対応が必要である。

1 民主党は第一六六回国会及び第一六九回国会に「財政が破綻状態にある市町村の義務教育関係事務の国への移管制度の創設に関する法律案」を参議院に提出しており、同院文教科学委員会(二〇〇八年五月二十七日)での質疑において、発議者の鈴木寛議員(現文部科学副大臣)は、夕張市の小中学校統廃合について、「地形とか道路状況とかを見ますと、やはり三校ずつ、要するに七校を一校じゃなくて、七校を三校、あるいは四校を三校というのが大体望ましい」と答弁している。政府として、現在もこうした認識を持っているか。また内閣として同様の法案を提出する予定はあるか。

2 小学校の運営経費の国、北海道、夕張市の費用負担について

(1) 文部科学省の地方教育費調査(平成二十年度)において、小学校一校の運営費総額における人件費、教育活動費、管理経費(修繕費等)、補助活動費(スクールバス、健康診断等)、土地・建築・備品費、図書購入費、債務償還費の構成比はどうなっているか。また各費目ごとの国庫補助金・都道府県支出金、市町村の負担割合の現状を説明されたい。

(2) 先述した国会答弁で、鈴木議員は夕張市立小学校一校当たりの市負担額は約七千万円から八千万円、中学校一校は約一億円と述べているが、この金額は現状もほぼ同様とみてよいか。

(3) 学校耐震化工事の国の補助割合、都道府県、市の負担割合を説明されたい。

3 夕張市の説明責任について

(1) 「北海道子どもの本のつどい 夕張大会 第九分科会」が調査した「地域 夕張の子どもたちとその未来」アンケート調査(本年六月実施、八月二日発表)では、保護者が小学校一校化にきわめて強い危惧を抱き、百八十五名の回答のうち百名が反対・不安、他の八十五名の中でも積極的な賛成は約二十名にすぎず、自由記載欄には「一校は無理」「せめて二校・三校に」の声が渦巻いている。政府はこうした保護者らの声をどう受け止めるか。

(2) 住民からは、小学校を一校化する場合、または、二~三校存続する場合のそれぞれの夕張市の負担増について詳しい説明をもとめる声が出されている。国として、夕張市が学校統廃合や同市の負担増について住民に詳細なデータをあげた説明を行うよう促すべきではないか。

(3) 路線バスへの「方針転換」についても、財政面を含めた詳細な説明はされていない。

スクールバス導入には、国からバス購入費補助がある他、運営費(運転手、ガソリン代)への特別交付税措置もあり、国として、夕張市にこれらを含め詳細な説明を促すべきではないか。

五 夕張市職員の増員、給与改定について

年収の四割減から夕張市職員の退職が後を絶たず、二十人の応援体制で成り立っている同市の行政の体制は他に例がない。同市が案に盛り込んだ職員増員、給与のカット率縮減について、政府の認識を示されたい。

六 銀行の貸し手責任について

夕張市の財政状況が急速に悪化した大きな原因の一つには、北海道の金融機関が融資を見合わせた中で、みずほ、三菱UFJ信託など大銀行がホテルシューパロ(十五億円)やマウントレースイスキー場(二十億円)の買い取りなど、市の観光投資にその後も巨額の資金を貸し付け続けたことがある。

こうした銀行の不適切な貸付にみられる貸し手責任を国はどう認識しているか。また貸し手責任の明確化を研究すべきではないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

夕張市においては、後年度に必要と見込まれる事業を勘案した収支試算を行うなど、地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成十九年法律第九十四号。以下「健全化法」という。)第八条第一項に規定する財政再生計画(以下単に「財政再生計画」という。)の策定に向けた検討が行われていると承知している。

現時点では、同市が策定する財政再生計画の具体的な内容がいまだ明らかでないが、今後、その策定過程において、具体的な相談があれば、北海道の意見も踏まえ、適切に対応してまいりたい。

一の2について

お尋ねについては、今後、夕張市から具体的な要請があれば、北海道の意見も踏まえ、適切に対応してまいりたい。

二の1について

御指摘の夜間救急体制の確保については、地域の実情に応じて体制を確保することが重要であると認識している。

二の2について

旧夕張市立総合病院において実施していた人工透析については、夕張市における検討の結果、採算の確保が難しく廃止されたものと承知しているが、同市が住民からの要望等により必要と判断すれば、財政再生計画の策定過程において検討されるものと考えている。

また、御指摘の「市民の命や健康に直結する医療体制の整備」に係る住民への説明については、同市において適切に判断されるべきものと考えている。

二の3について

夕張市は、夕張市立診療所の開設者として、同診療所において提供する医療について、正確かつ適切に情報を提供するよう努めなければならないと認識している。

二の4について

夕張市の除雪体制については、市道の除雪基準の見直しも含め、同市における財政再生計画の策定過程において、住民からの要望等も踏まえて検討されるものと考えており、今後、同市から具体的な相談があれば、北海道の意見も踏まえ、適切に対応してまいりたい。

三について

夕張市が平成十九年に策定した、健全化法附則第三条の規定による廃止前の地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号。以下「旧再建法」という。)第二十二条第二項の規定によりその例によることとされた旧再建法第二条第一項に規定する財政再建計画において、保育料の三年間据置き等の子育てに係る事業は、厳しい財政状況の中で、特に配慮されたものの一つであると承知している。

御指摘の「子育て世代が定住しやすい対策」についても、同市における財政再生計画の策定過程において、具体的な相談があれば、北海道の意見も踏まえ、適切に対応してまいりたい。

四の1並びに3の(1)及び(2)について

学校の統廃合について、文部科学省としては、集団の中で教育を行うことの効果や、通学距離及び通学時間の児童生徒の心身に与える影響、児童生徒の安全、地域住民の理解等を総合的に勘案することが重要であり、設置者である地方公共団体において、地域の実情に応じ、適切に判断されるべきものと考えている。

また、住民への説明については、夕張市において適切に判断されるべきものと考えている。

なお、現時点において、お尋ねの法案を提出する予定はない。

四の2の(1)について

「平成二十年度地方教育費調査(平成十九会計年度)中間報告」(以下「教育費調査」という。)によれば、公立小学校の教育費総額に占める人件費、教育活動費、管理費、補助活動費、土地費・建築費・設備・備品費、図書購入費、債務償還費の割合は、それぞれ七十四・七パーセント、二・三パーセント、四・八パーセント、三・一パーセント、八・八パーセント、〇・二パーセント、五・九パーセントと算出される。また、これらの費目における国庫補助金、都道府県支出金及び市町村支出金の教育費総額の財源(地方債及び寄付金を除く。)に対する割合は、人件費がそれぞれ二十一・七パーセント、六十八・二パーセント、十・〇パーセント、教育活動費がそれぞれ〇・四パーセント、十三・〇パーセント、八十六・六パーセント、管理費がそれぞれ〇・六パーセント、〇・八パーセント、九十八・七パーセント、補助活動費がそれぞれ〇・六パーセント、〇・五パーセント、九十九・〇パーセント、土地費・建築費・設備・備品費がそれぞれ三十・七パーセント、一・六パーセント、六十七・七パーセント、図書購入費がそれぞれ〇・〇パーセント、〇・三パーセント、九十九・七パーセント、債務償還費がそれぞれ〇・〇パーセント、一・〇パーセント、九十九・〇パーセントと算出される。なお、数値は小数点第二位以下を四捨五入したものである。

四の2の(2)について

お尋ねの「小学校一校当たりの市負担額」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「教育費調査」によれば、公立小学校の教育費総額の財源のうち市町村支出金は一兆七千百五十億六千九百十五万八千円、公立中学校のそれは九千四百四十五億二千六百三十七万六千円であり、「平成十九年度学校基本調査報告書」の公立小学校数二万二千四百二十校と公立中学校数一万百五十校で除すると、公立小学校については約七千六百四十九万七千円、公立中学校については約九千三百五万七千円と算出される。

四の2の(3)について

市町村(特別区を含む。四の2の(3)についてにおいて同じ。)立の小学校及び中学校の施設の耐震化のための改築事業及び補強事業については、設置者である市町村が事業主体となっており、市町村に対し、国は、義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律(昭和三十三年法律第八十一号)等に基づき、原則として、その経費の三分の一の割合により算定された額の交付金を交付することとなっているが、地震防災対策特別措置法(平成七年法律第百十一号)により、同法第二条の規定に基づく地震防災緊急事業五箇年計画に基づいて実施される改築事業及び補強事業については、事業の対象となる施設の耐震性能等に応じ、改築事業についてはその経費の二分の一、補強事業についてはその経費の三分の二又は二分の一の割合により算定された額の交付金を交付することとしている。また、過疎地域自立促進特別措置法(平成十二年法律第十五号)第二条の規定に基づく過疎地域において行う改築事業についてはその経費の十分の五・五の割合により算定された額の交付金を交付することとしている等、それぞれの地域の特性に応じた補助制度に基づき、算定割合の特例を設けているところである。

なお、市町村立の小学校及び中学校の施設の耐震化のための改築事業及び補強事業については、都道府県の負担は、国の制度上は求められていない。

四の3の(3)について

国においては、学校の統廃合等に関して市町村がスクールバスを購入するために必要な経費の一部について補助を行うほか、市町村が実施するスクールバスの維持運営に要する経費について普通交付税による措置を講じているところである。

また、住民への説明については、夕張市において適切に判断されるべきものと考えている。

五について

御指摘の職員増員、給与のカット率縮減も含め、夕張市が策定する財政再生計画の具体的な内容がいまだ明らかでないが、他の地方公共団体の効率的な行財政運営や住民の理解の状況等を踏まえつつ、行政執行体制の確保に支障が生じることがないよう、北海道の意見も踏まえ、適切に助言してまいりたい。

六について

銀行の貸付とその貸付先の財務状況の悪化等との因果関係については一概に論じることはできず、また、両者間の責任の所在等の考え方については、基本的には当事者同士の問題であると認識している。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2006年12月7日 滝 実(無所属) 答弁 2006年12月15日
衆議院 第165回 第222号お答えすることは困難 ×1
提出 2007年3月20日 滝 実(無所属) 答弁 2007年3月30日
衆議院 第166回 第132号検討してまいりたい ×1
提出 2010年5月31日 木村 太郎(自由民主党・無所属の会) 答弁 2010年6月8日
衆議院 第174回 第519号検討してまいりたい ×2
提出 2000年11月27日 赤嶺 政賢(日本共産党) 答弁 2000年12月19日
衆議院 第150回 第48号趣旨が明らかではない ×1
提出 2007年3月1日 大久保勉 答弁 2007年3月9日
参議院 第166回 第14号
提出 2008年10月6日 糸数 慶子 答弁 2008年10月14日
参議院 第170回 第45号お答えすることは困難 ×1
提出 2013年6月20日 川上 義博 答弁 2013年6月28日
参議院 第183回 第130号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる