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経済連携協定に基づく介護福祉士候補者に関する質問主意書
参議院 第174回 第63号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
日本・フィリピン及び日本・インドネシア経済連携協定(以下「EPA」という。)に基づき、平成二十年度にインドネシア人介護福祉士候補者一〇四人、平成二十一年度に同一八九人及びフィリピン人介護福祉士候補者一九〇人が、我が国に入国し、介護保険施設等において就労している。これは、我が国の介護保険施設等で三年以上の実務経験を経て、介護福祉士試験に合格することによってその資格を取得し、継続して日本に滞在・就労することを目的としている。介護保険施設等における両国介護福祉士候補者の就労は、日本人と同等の処遇が確保されており、質の高い介護サービス提供に寄与しているにも関わらず、現状において、これを継続するには種々の問題があることから、政府の対応について、以下質問する。
一 EPAによる看護師・介護福祉士候補者の受入れについて、政府は、フィリピン及びインドネシア政府に対しそれぞれ、「二年間で看護師候補者四〇〇人、介護福祉士候補者六〇〇人、計一〇〇〇人の受入れ」を約束している。
にも関わらず、平成二十・二十一年度のインドネシア人、同二十一・二十二年度のフィリピン人各候補者の受入れ人数は、これを大幅に下回っている。このことに関して、政府の見解を示されたい。
二 EPAによる介護福祉士候補者の受入れを行う介護保険施設等においては、受入れの要件として、「就労するフィリピン人及びインドネシア人介護福祉士候補者を除く介護職員の員数が、法令に基づく職員等の配置基準を満たすこと」とされている。同基準は、指定介護老人福祉施設の場合、「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(以下「運営基準」という。)により、「入所者三人に対し、看護・介護職員一人を満たすこと」となっている。これを踏まえ、以下の点を質問する。
1 EPAによる介護福祉士候補者は、日本人の従事者と同等の処遇により雇用契約を交わしており、現に入所者等から良質の介護サービスを提供しているとの高い評価を得ているにも関わらず運営基準上の職員に含まれないのは不合理であると考えるが、政府の見解を示されたい。
2 運営基準が求める「看護・介護職員」のうち介護職員については、特段の資格要件を定めていない。すなわち、介護福祉士はもとよりホームヘルパー一級又は二級の資格を有していない、いわゆる「無資格者」であっても介護業務に就くことができる。また日本人以外でも、日本人の配偶者、日系人等の外国人の場合でも介護業務に就くことができ、いずれも運営基準上の職員として算定できるのである。しかるに、EPAによる介護福祉士候補者は、母国において看護師養成課程又は介護職員養成課程を修了している者を応募要件としているにも関わらず、運営基準上の職員として算定できないのは、極めて不合理であり、フィリピン及びインドネシア両国民に対する不平等差別待遇と言わざるを得ないが、政府の見解を示されたい。
3 介護福祉士国家試験を受けるためには、介護に従事する期間が三年以上必要とされており、EPAによる介護福祉士候補者は、介護保険施設等においてこの条件を満たすこととされている。このように実務経験が評価されるにも関わらず、運営基準上の職員の員数に含まれないのは、不合理であると考えるが、政府の見解を示されたい。
4 EPAによる介護福祉士候補者の受入れ施設における費用負担は、二人以上の受入れを原則とすることから、初年度に一〇七万円に達する。この他に、受入れ施設では日本語習得のための便宜を図ること等により費用が発生している。
このように受入れ施設は、運営基準上の職員として算定できないために介護報酬上の対価を得ることができない状況にあるにも関わらず「人材育成・確保」に要する費用負担のみを課されていることについて、政府の見解を示されたい。
また、受入れ施設におけるこれらの費用負担を軽減するための対策を講ずる必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
三 EPAによる介護福祉士候補者が受験する介護福祉士国家試験について、以下の点を質問する。
1 介護福祉士国家試験は、既に資格制度創設二十年余を経ているにも関わらず、その合格率は五〇%台を推移している。
これに比べ、平成二十二年に実施された介護関連領域の国家試験の合格率はそれぞれ、看護師八九・五%、理学療法士九二・六%、作業療法士八二・二%、言語聴覚士六四・八%となっている。我が国の超高齢社会を支える中核的資格である介護福祉士試験については、出題の在り方にも問題があると考えるが、政府の見解を示されたい。
2 EPAによる介護福祉士候補者は、介護業務に従事しながら日本語の習得に励み、四年目に最初で最後の国家試験を受けることになる。日本語を母国語としない者が日本語により試験を受けるハンディに考慮して、少なくとも常用漢字にない用語に振り仮名を付けるか又は平易な言葉に言い換えるとともに、受験時間にも配慮し、不合格の場合においても翌年度受験まで在留を延長するといった措置を講ずるべきでないか。
3 日本語を母国語としない者については、一定の日本語能力、コミュニケーション能力を検定することにより、在留期間の延長を図るべきでないか。
右質問する。
政府答弁書
一について
政府としては御指摘のような約束をした事実はなく、御指摘の「二年間で看護師候補者四〇〇人、介護福祉士候補者六〇〇人」という人数は、あくまでも、当初二年間の受入れ最大人数として、フィリピン政府及びインドネシア政府に対して示したものである。
二の1から3までについて
経済連携協定(経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定(平成二十年条約第二号)又は経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定(平成二十年条約第十六号)をいう。)に基づき入国した外国人介護福祉士候補者(以下「候補者」という。)は、介護福祉士の資格取得に向けて、介護福祉士の監督の下で研修を行うものであり、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)等に基づく職員等の配置の基準において、一般の介護職員と同様に取り扱うことは困難であると考えられるところ、このような取扱いが「不平等差別待遇」や「不合理」であるとの御指摘は当たらない。
なお、平成二十二年一月から二月にかけて厚生労働省が実施した「インドネシア人介護福祉士候補者受入実態調査」においては、「コミュニケーション不足により問題事例が発生した」、「日本人職員が平易な言葉でゆっくり話をしても、引き継ぎ等に支障がある」等といった回答があり、まずは、候補者の日本語習得の支援に努めてまいりたい。
二の4について
政府としては、候補者の受入れに伴い費用負担が発生することについて、事前に説明を行っており、受入れ施設はこのことを承知の上で申し込んでいるものと認識しているが、候補者の介護福祉士試験の合格に向けた学習を支援するため、今年度から、候補者を日本語学校に通学させた場合等に受入れ施設に対する助成を行うとともに、日本語習得の支援を目的とした集合研修を実施することとしており、意欲のある候補者が一人でも多く介護福祉士試験に合格できるよう、これらの施策を推進してまいりたい。
三の1について
御指摘の国家試験の受験資格の要件等はそれぞれ異なっており、介護福祉士試験の合格率が看護師国家試験等の合格率よりも低いことのみをもって、介護福祉士試験の出題の在り方に問題があるとは言えないと考えている。
なお、介護福祉士試験の在り方については、平成二十年十二月に「社会福祉士及び介護福祉士国家試験の在り方に関する検討会」において取りまとめられた提言も踏まえ、現在、介護福祉士試験の質をより一層高めるための方策について、検討しているところである。
三の2及び3について
介護福祉士試験の問題文については、常用漢字以外の漢字には、原則として既に読み仮名を付しているところである。
また、お尋ねのように平易な言葉に言い換えることについては、介護福祉士試験委員会で検討していくこととしている。
介護福祉士試験は、十分な日本語能力を有していることを前提として行うものであり、現時点において、お尋ねのように受験時間を延長することは考えていない。
また、現時点において、お尋ねのように在留期間を延長することは予定していない。
いずれにせよ、介護の現場においては、医師、看護師及び介護職員等が、相互に連携して業務を行うとともに、利用者又はその家族等と密接に意思疎通を図る必要があることから、そのための日本語能力は不可欠である。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。